なぜ高知高のサッカーは面白い? 大坪裕典監督が前指揮官の築き上げたチームに加えた“エッセンス”【総体】

なぜ高知高のサッカーは面白い? 大坪裕典監督が前指揮官の築き上げたチームに加えた“エッセンス”【総体】

高知は壮絶なPK戦の末に岡山学芸館を撃破。ベスト8進出を果たした。写真:安藤隆人



[インターハイ3回戦]岡山学芸館0(13PK14)0高知/7月31日/東光スポーツ公園球技場B

 高知のサッカーが面白い。組織的で、かつ連係面でも非常に統率感とアイデアがピッチから感じられる。

 兄・市原礼斗と弟・大羅のダブルボランチが、息の合ったチャレンジ&カバーと、テンポの良い配球を見せる。1年生FW松田翔空と2年生FW門田翔平の2トップが、フリーマンのように相手の間や背後に入り込んで動き回り、その作ったスペースを左サイドハーフの大久保天満らが巧みに使っていく。ボール回しのリズムが良く、また2列目から選手たちが湧き出してくる。

 初戦となる2回戦の羽黒戦を4-1の快勝で飾ると、選手権王者の岡山学芸館との3回戦では、相手の後ろからのビルドアップとサイドを活用した攻撃に対し、最後まで冷静な戦いぶりを見せた。

 素早い攻守の切り替えと、ボールを奪った時には縦へのスライドを活かしてマイボールの時間を増やし、攻撃の糸口を掴もうとする。2トップがボールに関わりながら動いて、ボール保持とラインブレイクのパスを意図的に狙う。

 岡山学芸館の質の高い守備もあり、試合はスコアレスで終了。15人目までもつれ込む壮絶なPK戦の末に勝利し、ベスト8進出を手にした。

「高橋秀治前監督のエッセンスが色濃くあって、僕が就任したということは、判断力を大事にするサッカーが高知高校に根付いていたので、それを引き継ぎながら、この育成のところに焦点を当ててやっていくことを期待されたのだと思います。なので、そこは私も大切にしています」

 こう語るのは就任4年目の大坪裕典監督。チームを全国の常連校に引き上げた高橋監督が、ブータンU-18の指揮官に就任したため、教え子である大坪監督が託される形となって母校の監督に就任した。
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「ゲームの中であくまで選手が判断をする。相手の変化を見て判断を変えることを重要視しています」

 方向性や基礎的な部分を示しながらも、選手たちの発想を大事にして、積極的なチャレンジを容認する。当然、自由にやらせるのではなく、どのようにしたら優位に立てるか、守備をしながらも攻撃のアイデアを持ち続けられるかをしっかりと問いかけ、選手たちと向き合い、高橋前監督が築き上げた土台に積み上げるように、自らのエッセンスを加えている。だからこそ、見ていて面白いサッカーが展開できている。

「高知県はJリーグ(クラブ)がない県なので、選手たちがトップレベルに触れられる機会が少ない。そういう状況でも選手たちが個人戦術をしっかりと磨いていくことで、全国レベルでも戦えるチームにできると示すことができればいいなと思っています。選手たちの自信になる大会になってくれればと思っています」

 ベスト8はチームの全国最高成績。この壁を破って、高知の新たな歴史を刻むべく。大坪監督は自身の恩師の思いも胸に刻みながら、選手たちとともに準々決勝の明秀日立戦に向け、積み上げたものを出し切る準備を整える。

取材・文●安藤隆人(サッカージャーナリスト)

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