【セルジオ越後】戦力不足の補強でリバプールでのチャンスを掴んだ遠藤。残留争い→ビッグクラブで環境激変もスタメン確保に期待
2023年08月21日 18時14分サッカーダイジェストWeb

守備でチームの勝利に貢献する、そんな活躍が楽しみだ。(C)Getty Images
遠藤がリバプールに移籍した。早速、リーグ戦で途中出場したね。
ビッグクラブからのオファーが実現した背景には、同ポジションのファビーニョの移籍や、新戦力の獲得状況があったと思われる。
加入がシーズン開幕直後のタイミングだった点からも、絶対に欲しい選手というよりは、戦力が足りないなかでの補強だったと見るのが妥当だろう。
移籍金は、約28億円だったとも伝えられている。日本では大きな額と思われるかもしれないけど、ヨーロッパのトップ争いをするクラブにとっては、そんなに大金ではない。選手が移籍していった分、資金は豊富にあっただろうし。
かつて香川や南野を率いた、遠藤がプレーしていたドイツ出身のクロップ監督の存在も影響したはずだ。日本人をしっかりと評価してくれているだろうし、母国ブンデスリーガの事情も、ちゃんと確認していたのではないか。
香川が遠藤を「クロップが間違いなく好きなタイプ」とコメントしていたようだし、ドイツ語でコミュニケーションできるのもプラスになるはずだ。
これまでプレーしていたシュツットガルトは残留争いの常連とも言えるレベルだったから、状況は大きく変わる。中位以下でも許容されるチームと、リーグ優勝やチャンピオンズリーグでの勝ち上がりがマストなチームでは、状況がかなり異なる。
ファンもメディアも、チームに求めるハードルがとても高い。結果が出ないと、あっさりと監督はクビを切られて、選手も入れ替わっていくような厳しい雰囲気がある。
もちろん、周囲の選手の水準もかなり上がる。チームメイトはレベルの高い選手だらけで、適応は簡単ではない。
ここまでの日本人のビッグクラブ移籍を振り返ると、ヒデ(中田英寿)、香川、南野と、大半の選手が成功しているとは言い難い。3人ともチームを去ってから、ビッグクラブへの復帰は果たせていない。遠藤も、難しい挑戦をすることになる。
守備的なポジションの選手だから、たくさんの得点やアシストは望めない。三笘や久保のような、ゴールやドリブル突破は持ち味としていないからね。日本のテレビのニュースで、脚光を浴びる機会は少ないかもしれない。
30歳という年齢は、意識する必要はない。プロサッカー選手は、1年、1年が勝負であって、2023ー24シーズンにどのようなパフォーマンスができるかが大事になるからだ。
そのなかで、リバプールにとって必要な戦力になってほしい。遠藤に期待したいのは、スタメン確保だ。チャンスをもらったのだから、目立って欲しいね。守備でチームの勝利に貢献する、そんな活躍が楽しみだ。
同じポジションに世界的な有名選手がいたこともあり、残念ながら南野は、リバプールでは思うように活躍ができなかった。遠藤に活躍してもらって、クラブのファンに日本人選手のレベルの高さを見せつけてほしいね。
また、日本人選手では、鎌田がイタリアの名門・ラツィオに移籍した。三笘や久保のチームよりも格上と言っていいだろう。鎌田も、厳しい環境に身を置くことになる。
遠藤と違って、攻撃的なポジションの鎌田には得点やアシストといった結果を求めたい。カップ戦ではなくリーグ戦で、三笘のような数字を残してほしいね。
また、上田もベルギーから、オランダの強豪・フェイエノールトに加入した。オランダはイングランドなどの欧州5大リーグに比べればレベルが落ちるけど、ベルギーよりも上で、確実にステップアップしたと言っていいだろう。
一方、三笘と久保は“現状維持”になった。もちろん、チームに必要とされて移籍をさせてもらえないという側面もあるだろう。ただ、三笘のブライトンから、チェルシーに移籍した選手もいる。
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三笘のブライトンも、久保のレアル・ソシエダも、リーグ優勝は現実的ではない。リーグ制覇を争うようなチームでないと、トップクラスとは言えないよね。
2人ともリーグ戦で好スタートを切った。シーズンを通じての大活躍で、ステップアップを目ざしてほしい。
来月、日本代表はヨーロッパでドイツ、トルコと対戦する。敵地で強豪国が相手だから、森保ジャパンの真価が問われる試合になる。メンバーに入るだろう遠藤たちが、リーグ戦で活躍すれば、ファンも楽しみになって注目度も上がるだろう。
ヨーロッパでプレーする日本人選手の、活躍の知らせを聞くのが楽しみだ。
【著者プロフィール】
セルジオ越後(せるじお・えちご)/1945年7月28日生まれ、78歳。ブラジル・サンパウロ出身。日系ブラジル人。ブラジルではコリンチャンスやパウリスタなどでプレー。1972年に来日し、日本では藤和不動産サッカー部(現・湘南ベルマーレ)で活躍した。引退後は「さわやかサッカー教室」で全国を回り、サッカーの普及に努める。現在は解説者として、歯に衣着せぬ物言いで日本サッカーを鋭く斬る。
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