「彼らは歩くウイルスではない!」韓国メディアが欧州サッカー界で広がる“東アジア人嫌悪”に憤慨!

「彼らは歩くウイルスではない!」韓国メディアが欧州サッカー界で広がる“東アジア人嫌悪”に憤慨!

マンCとの大一番で鮮烈弾を決めたソン・フンミン。だが試合後のインタビューで残念な出来事が……。(C)Getty Images



 中国・武漢を発生源に、いまや世界中で脅威となっている新型コロナウイルス。すでに感染者は4万人を、死者は1000人を超えている。

 そんななか、欧米では東アジアの人びとに対する偏見や差別的行為が頻発している。まるでウイルスを保持しているかのように不当に扱われ、英国のシェフィールドでは、マスクを着用して登校した中国系の少女がクラスメイトから暴行と罵声を浴びせられたというニュースが、大きく報じられた。欧米人は日本人、韓国人、中国人を一見して選別できない。そうした事実も、差別的行動をエスカレートさせているようだ。

 当然サッカー界でも、少なくない事例が報告されている。韓国の全国スポーツ紙『スポーツソウル』は「新型コロナウイルスで広がる欧州サッカー界の“東洋人嫌悪”。各地で差別行為相次ぐ」と銘打ち、特集記事を掲載した。

 同紙によれば、トッテナム・ホットスパーの韓国代表FWソン・フンミンがさっそく餌食になったという。現地2月2日、プレミアリーグのマンチェスター・シティ戦だ。トッテナムが2−0の快勝を収めたゲームでソンは鮮烈ゴールを挙げたが、その試合後のインタビューで彼は2度、乾いた咳をした。するとインタビュアーの英国『スカイ・スポーツ』の記者が大袈裟に驚くジェスチャーをしただけでなく、映像のコメントでも「ソン・フンミンが咳をした」などと、新型コロナウイルスの感染を想起させるような内容が流れたという。

 さらに、新型コロナウイルス発見の速報が出た際には、心無い加工写真がネット上で拡散した。ソンの周りを取り囲む選手たち全員がマスクを付けているという、笑えない代物である。

 
 先週末には、ソンのチームメイトであるイングランド代表MFデリ・アリも酷い動画を投稿。ヒースロー空港のラウンジにいたアリは、黒いマスクで完全防備をしたうえで、後方に座っている東洋人の男性を無断で撮影して「スナップチャット」にアップした。そして消毒液を映しながら、「ウイルスが俺をキャッチしたいなら、もっと素早く動かなきゃだな」と冗談めかして言い放ったのである。

 あたかもその人物がウイルスを有しているかのような偏見だ。すぐさま大バッシングを浴び、選手は2度に渡って謝罪をする羽目となった。
 まだまだ、事例は枚挙に暇がない。

『スポーツソウル』紙の欧州通信員や韓国のメディア関係者も被害に遭っている。同紙は「ただ路上で携帯を触っていただけで、服で口を覆っているひとがいた。彼らには東洋人の区別が難しく、みんな同じに見えてしまうんだろう」とうなだれる。一般の東洋人に対する暴行も起こっており、「各国の韓国大使館は身辺の安全を呼び掛けるなど、重苦しい緊張感が漂っている」という。

 タチが悪いのは、武漢を本拠地とする中国スーパーリーグのクラブ、武漢卓爾足球倶楽部に対する仕打ちだ。

 同クラブはスペイン・アンダルシア地方で新シーズンに向けたキャンプを張った。新型コロナウイルスの拡散情報が流れると、予定されていた練習試合は対戦相手によって一方的にキャンセルされてすべて中止に。チームは実戦感覚を磨けずに苦しんでいるだけでなく、滞在先のホテルでも活動が制限され、肩身の狭い想いをしている。

 スペイン人のホセ・ゴンサレス監督は「選手たちは歩くウイルスではない!」と、入国前の検査結果で症状がなかったことを強調したが、なしのつぶてのようだ。

 いまだ欧州で活躍する日本人選手や、スタジアムに訪れた日本人ファンへの差別的行動はニュースになっていないが、もはや歯止めは利かない状況だけに、十分な注意が必要とされる。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
参照元●スポーツソウル日本語版

関連記事(外部サイト)