「一番高い席でも1380円」本田圭佑のデビュー戦に向け、ボタフォゴがチケットを大幅値下げ!「ホンダの初戦は何物にも代え難い」【現地発】

「一番高い席でも1380円」本田圭佑のデビュー戦に向け、ボタフォゴがチケットを大幅値下げ!「ホンダの初戦は何物にも代え難い」【現地発】

鳴り物入りでボタフォゴに加入した本田。ファンやメディアからの期待は大きい。(C)Getty Images



 数日前、本田はボタフォゴを自身のオリンピック出場のために“利用する”という趣旨の発言をして物議を醸した。しかし、ボタフォゴはいま、本田を大いに利用する必要性にかられている。

 ボタフォゴはいまあらゆる面で問題を抱えている。経済的にも、政治的にも、そしてピッチ上でも――。

 3月7日、ボタフォゴはカンピオナート・カリオカで、同じリオデジャネイロに本拠地を置くフラメンゴに敗れた。ただの負けではない。0−3という大敗だ。

 サポーターはそろそろ我慢の限界にある。新たに就任したパウロ・アウトゥオリ監督も、まだチームを把握しようと模索中だ。そんななかで唯一の希望と言えるのが、本田なのだ。
 
 そのためにボタフォゴは、この元日本代表MFをできるだけ早く、最高の形でデビューさせようと、最大限の努力を払ってきた。必要な書類をそろえるために役所へプレッシャーをかけ、ついに正式な契約を結んだ。二部練習を強行しているのも、このニューカマーを早くフィットさせたいのが理由だろう

 こうして本田はボタフォゴを救うため、2月10日のパラナ戦でピッチに立つ。

 もしデビュー戦でいいプレーを出来なかったならばどうなるだろう。少し心配になるが、チーム幹部も、サポーターも、メディアさえも、いまはその可能性に目をつぶっている。

 ボタフォゴのネウソン・ムファレジ会長もこうコメントしている。

「我々はホンダのデビュー戦に集中している。ボタフォゴのサポーターは、子供からお年寄りまで皆スタジアムに来て、最高の雰囲気にしてほしい。そしてサポーターの力を見せてほしい! そのためには、我々も出来るだけのことをしよう」

 実際、ボタフォゴの会員には、かなりの安価でチケットが提供されている。昨年の12月には1万9000人だった会員は、本田効果で3万人にまで膨れ上がった。この会員たちは、チームのオフィシャルサイトで、優先的に、しかも安い値段で火曜日の試合のチケットを買い求めることができるのだ。

 学生、そして65歳以上は10レアル(約230円)、一番高い席でも60レアル(約1380円)、12歳以下の子供は無料だ。またネットで購入の場合は8ペーセントの消費税も、手数料もとらない。会員でない人々に向けても、この日曜日からチケットが発売され、市内の少なくとも6か所で購入ができる。チケットは合計で4万枚が用意されているという。

【動画】「美しい!」本田圭佑が公開した華麗なリフティング動画はこちら
 

 努力の結果、チケットの売れ行きは好調で、本田のデビュー戦は華々しい雰囲気の中で行われるだろう。ただ忘れてはいけないのは、これはただの花試合ではない。コパ・ド・ブラジル3回戦のファーストレグで、ホームで星を落せば次ラウンドに進むのは困難となる。つまり本田は、初戦から重要なミッションを課せられているのだ。

 試合はテレビでも生中継されるが、それでスタジアムの観客が減ることはないと、クラブは自信を持っている。

 ムファレジ会長はこう続ける。

「ホンダはすでにサポーターから愛されている。その彼のデビューを、間近で、その目で見ることは、何物にも代えられないはずだ。ホンダの存在は、ボタフォゴを愛する新たな源となるだろう」

 リオの名門が、いま一人の日本人に大いなる希望をかけている。

取材・文●リカルド・セティオン
翻訳●利根川晶子

【著者プロフィール】
リカルド・セティオン/ブラジル・サンパウロ出身のフリージャーナリスト。
8か国語を操り、世界のサッカーの生の現場を取材して回る。FIFAの役員も長らく勤め、ジーコ、ドゥンガ、カフーなど元選手の知己も多い。現在はスポーツ運営学、心理学の教授としても大学で教鞭をとる。
 

関連記事(外部サイト)