新型コロナで急転のフランス。CLのパリSG対ドルトムント、4月15日までのリーグ・アン全試合を無観客開催に【現地発】

新型コロナで急転のフランス。CLのパリSG対ドルトムント、4月15日までのリーグ・アン全試合を無観客開催に【現地発】

バルク・デ・プランスは無人のまま、ドルトムント戦が行なわれることになる。 (C) Getty Images



 フランス1部のリーグ・アンでは、現地時間3月8日、ストラスブール対パリ・サンジェルマン(パリSG)戦が、パリ県庁の決定により延期になった。パリSGのチームとスタッフは、この決定が出た時間にはすでに飛行機でストラスブールに向かっていたため、到着地で食事だけをとり、そのままパリにとんぼ返りする羽目に。新型コロナウィルスによるリーグ・アンの試合延期は、これが初めての例となった。

 そして、チャンピオンズ・リーグ(CL)も新型コロナウィルス拡大の影響は免れない。フランス当局は9日、11日13時30分にキックオフ予定の、パリSG対ドルトムントのCLラウンド・オブ16セカンドレグを、「無観客試合で開催する」と正式発表した。

 フランスでは8日夜の時点で感染者は1126人、死者19人にのぼった。このため、同夜の記者会見でフランスの新保健相は、新型コロナウィルスの感染拡大を阻止するため、「国家的利益がかかっていない限り、1000人を超す人々が集合する集会やイベントを禁止する」という方針を明らかにした。

 その時点で、パリSG対ドルトムント戦を無観客試合にして予定の日程で開催するのか、または日程そのものを延期するのか、で意見が割れていた。しかもパリSGが深夜に「予定通り開催される」と声明を発表し、混乱を極めていた。
 

 翌9日昼ごろには、治安や保健行政の責任を司るパリ県庁が「この試合を無観客にする」と決定。併せてパリSGも「従う」と発表した。

 これを受け、ロクサナ・マラシネアヌ・スポーツ相(女性)は直ちに記者会見を開いた。「無観客試合か、延期しかなかったが、延期はスケジュール上不可能だと判明した。したがって県庁決定により、パリSG・ドルトムント戦は無観客試合にする。私も観戦する予定だったけど……」と苦笑した。

 スポーツ相はこれから予定されているスポーツイベントについて、「ケースバイケースで対応することになる。ただ、今後は無観客試合がドクトリン(教義)になるかもしれない」と説明。リーグ・アンに関しては、4月15日までの試合が全て無観客で開催される。

 ただ、「スポーツ競技が続けられるよう」(同相)に一律中止はせず、コンペティションや試合の重要性、スケジュールの可変性、開催地域の感染度などに応じてひとつずつ決定し、対策を講じながら続行するという。また、繰り返し「東京オリンピックが予定どおり開催されるように」と、期待も表明している。

 フランスでは数日前まで、中国、イタリア北部、エジプト、シンガポールなどから帰国した人々の周囲に、いくつかの小感染地帯ができていたものの、全国的拡大には至っていなかった。

 このため、閉鎖空間での大規模イベント禁止や重要感染地域の学校閉鎖などを除くと、日常生活はほぼ通常どおりで、フットボールの試合(非閉鎖空間)も禁止されていなかった。

 だが2月末、ドイツ国境に近いミュールーズ(オ・ラン地方)で宗教団体の全国的会合(閉鎖空間)があり、一気に感染が拡大したようだ。フランス全土やスイスからの同会合参加者がそれぞれの居住地に戻った結果、感染がほぼ全国に広がってしまったと考えられている。

 なにやら暗雲が漂い始めた世界情勢。EURO2020や東京オリンピックなどのビッグコンペティションが予定どおりおこなわれるよう、世界中の人々が感染ストップと生命を救うために闘い、連帯と団結する必要がありそうだ。

取材・文●結城麻里
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