「社会を考えるべき」「30年を想像できるかい?」リバプールのプレミア制覇認定を巡って、英国サッカー界で大論争!

「社会を考えるべき」「30年を想像できるかい?」リバプールのプレミア制覇認定を巡って、英国サッカー界で大論争!

独走しているリバプールのタイトルを認めるべきだという声は根強いが……。 (C) Getty Images



 新型コロナウイルスによる影響が深刻化している。世界中で感染状況が悪化の一途を辿っており、ロックダウン(外出禁止)を強いる国も少なくない。

 サッカー界も各国リーグが中断を余儀なくされ、とりわけ事態が深刻化している欧州では、再開の目途が立っていない国がほとんど。世界的人気を誇るプレミアリーグも同様で、当面は4月30日までの延期となっているが、リスタートできるかどうかは疑わしい。

 現実的には6月1日からの再開を目ざしているとの報道があるが、日々悪化している国内の状況から正式な発表ができない状態にある。

 そうしたなかで、国内で論争を巻き起こしているのが、もしシーズンがこのまま終了した場合のリーグタイトルの行方だ。周知のように、序盤からリバプールが独走し、第29節終了時点で、2位マンチェスター・シティに25ポイントの差をつけている。

 この圧倒的な差を考えれば、現時点で順位を確定させ、リバプールに1989-90シーズン以来となるトップリーグタイトルを与えても反対意見は少ないかもしれない。だが、同じように来シーズンのチャンピオンズ・リーグ&ヨーロッパリーグに出場権や降格を現在の順位で確定してしまうと、一部クラブからの不満は避けられないため、無効にすべきという声も上がっている。
 
 リバプールの30年ぶりの栄冠を認めるのか。それともそのチャンスを潰してしまうのか――。英国メディアや識者の間で様々な議論が交わされるなか、「サッカーは単なる試合でしかないと考えるべきで、今シーズンは無効にすべきだ」と『BT Sport』で訴えたのは、元マンチェスター・ユナイテッドのレジェンド、リオ・ファーディナンドだ。

「いま、社会で起きている何よりも大きなことを真剣に受け止めるべきだ。だから、この先の数週間のうちに再開できないようなら今シーズンを無効化して、新シーズンに向けた準備をすべきだと私は思っている。

 もちろん、多くのリバプール・ファンは、『それはあなたがリバプールに勝ってほしくないから言えることだ』と言うだろう。だけど、聞いてほしい。たとえ、私のチームがそうなったとしても同じことを言うよ。人々の健康と社会の問題を考えるべきだ。

 おそらく、どちらに転んでも、不満の声は上がるだろう。ただ、シーズンを無効化して、すべて白紙にしてすっきりとさせた方が、多くの人を満足させられると思うんだ」

 このファーディナンドに相反する考えを主張したのが、同じくユナイテッドで活躍した元イングランド代表MFのポール・インスだ。

 リバプールでもプレーした名手は、英紙『Mirror』の取材に対し、「とても難しい状況だ」と話したうえで、持論を展開した。

「全員を満足させることはできない。だが、優勝を待つ30年間を想像できるかい?しかも、悲願達成の目前にいるときにシーズンを無効にすることができるかい? もし、そうなればリバプールではひと騒動起こるだろう。

 1つのチームを揺るがして、他のみんなを幸せにするか、それともリバプールを幸せにするかだと思うね。それよりも、何が起ころうともシーズンは完結させなければならない。もしそれが5、6月だとしてもね。たった9試合しかないんだから」
 
 インスの言う通り、やむを得ない措置とはいえ、30年ぶりのタイトルを新シーズンのために逃せば、リバプールのファンや関係者の怒りが収まらないのは必至だ。

 どう転んでも賛否両論はあるだろう。もちろん、シーズンが無事に再開できればこの論争は杞憂に終わるのだが……。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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