ロアッソ熊本の浅川隼人が持続可能な環境社会を目指し「アスリート食堂」を計画!その方法と狙いとは?

ロアッソ熊本の浅川隼人が持続可能な環境社会を目指し「アスリート食堂」を計画!その方法と狙いとは?

今シーズンよりロアッソ熊本に移籍。開幕が遅れる中、サッカーの楽しみをウェブやSNSで届けようとしている。(C)AC KUMAMOTO



 今シーズン、着用するスパイクをサポーターに提供してもらい、メーカーからはその売上などを使って社会貢献を共にするという新しいスキームをつくり出したJ3ロアッソ熊本の浅川隼人。矢継ぎ早に繰り出される彼の最新プロジェクトは、アスリートを身近に感じ、子どもたちの食育を考える地域発信の「アスリート食堂」という企画だ。6月初旬オープンを目指し、浅川はクラウドファンディングをスタートさせた。
 
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 浅川隼人は、2018年シーズン、Y.S.C.C.横浜に入団。2年目となる2019シーズンには13得点を記録し、チームの過去最高成績となるシーズン12勝、リーグ13位に大きく貢献した。浅川はプレーだけでなく、ピッチ外でも一風変わった面を持つJリーガーだ。クラウドファンディングを実施してフィリピンのセブ島でサッカー教室を行なうなど、現役のサッカー選手らしからぬ活動でも知られる存在なのだ。
 
 2020年シーズン、ロアッソ熊本に移籍した浅川は、新たなプロジェクトを続々と立ち上げる。デンマークのスポーツブランド「ヒュンメル」とサッカースパイクを通じて社会貢献活動をするドリームプロジェクトでは、シーズンオフにセブ島で人工芝のグラウンドをつくる計画をしている。
 
「現地とのコミュニケーションなど、大掛かりで大変ですが、場所さえできれば、定期的に現地の子どもたちと交流できるし、セブの子どもたちが安全にスポーツを楽しめる」と話す。

 続いて浅川が計画しているのは、熊本市内にオープンするアスリート食堂『chabudai』(熊本市東区長嶺西1-6-106)である。「サッカー選手だと、練習って多くて2回。でも食事は1日に3回ある。いきなり変わるものじゃないですが、『食べること』ってアスリートにとって大事で、自分自身に向き合えるもの」と食の大事さを語る。
 
 熊本には、練習前後に選手が食事をとるオフィシャルの食堂がないこともあり、浅川のアスリート食堂は、選手たちが栄養バランスのとれた食事ができる場所となり、チーム強化にも繋がる。ただ、それは選手発のチーム強化というレベルをはるかに超える、SDGs (エスディージーズ)を見据えた地域発信の活動だ。
 
「そもそも、ロアッソは、地元の人たちと手を取り合って活動をしていくクラブチームです。アスリート食堂では選手と気軽に交流ができますし、健康食を取り揃えるので、プロ選手だけではなく、子どもからお年寄りまでが立ち寄り、アットホームな交流で笑顔と学びが生まれる場所になる」と地域交流の拠点を目指す。
 

 最近、様々なニュースで耳にするSDGsとは、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標で、17の目標が具体的にある。浅川は、このSDGsを見据える。例えば、形が悪く、傷があるなど規格外野菜として廃棄される野菜を活用したり、地産地消の食材を使う。
 
 ゼロ距離でアスリートと関われるように、食堂のほか、食育セミナーや料理教室、農家での農業体験会も実施する。浅川は、「こうした取り組みを行なうことで、例えば、SDGsの14番と15番の『海の豊かさを守ろう』や『陸の豊かさも守ろう』だけでなく、4番の『質の高い教育』や11番の『すみつづけられるまちづくり』、12番の『つくる責任 つかう責任』というふうに、普通の食堂で終わらない活動にしたい。今までのアスリートとの関わり方や食の意識、知識をひっくり返すことができると思っています」と持続可能な社会の実現を目指す。
 
 さらに「僕自身、子どもたちが夢を追いかけられる環境をつくりたいっていう夢があって、今回のプロジェクトもクラウドファンディングを足がかりに進めようとしています。SDGsは、将来的に世界中で達成しないといけない目標。小さな食堂でも、サステナブルな未来のために、やっていけることがあると思うんです。この食堂が皆さんとともに夢を追いかけられる場所になったら嬉しいですし、それを叶える場所にしていきたい。多くの人に賛同してもらえたら」と語った。
 
 浅川が実施するクラウドファンディングは、4月23日(木)まで。次のサイトで応援ができる。
https://camp-fire.jp/projects/view/237615
 
取材・文●森本茂樹(スポーツライター)

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