「彼はずっとぶつくさ文句を…」元日本代表監督がマラドーナとメッシの決定的な“違い”を明かす

「彼はずっとぶつくさ文句を…」元日本代表監督がマラドーナとメッシの決定的な“違い”を明かす

アギーレ監督は2010年W杯でメキシコを率い、メッシ&マラドーナ(写真)を擁したアルゼンチンとベスト16で対戦。1−3で敗れ去った。(C)Getty Images



 元日本代表監督で、現在ラ・リーガのレガネスを指揮するハビエル・アギーレが米ネットワーク『ESPN』のインタビューに登場。アルゼンチンの2大至宝、ディエゴ・マラドーナとリオネル・メッシの“違い”について私見を明かした。

 マラドーナより2つ年上で現在61歳のアギーレは、現役時代に4度、左利きの魔術師と対戦したという。「本当に偉大で、なにをしでかすかのがまるで読めない、異次元のプレーヤーだった」と振り返り、「印象的だったのは、ずっとぶつくさ文句を言いながらピッチに立っていたことだね(笑)。レフェリーにも対戦相手にも、チームメイトに対しては常になにかしら話しかけていた。それもあって、ピッチ上の存在感は圧倒的だったよ」と評した。

 一方で、メッシについては真逆のインプレッションを持っている。

「両者とも、まさに異才のクラックだが、決定的に違うのはコミュニケーションのところだろうね。メッシはとにかく大人しい、ごくごく普通の青年なんだ。試合中は監督とも仲間ともいっさい会話をせず、自分のプレーに没頭している。たとえ蹴りを入れられても相手に文句を言ったりしなかったよ。面白いものだね。同じ国籍で同じ左利き、しかも背丈やプレースタイルもどこか似ていて、フットボール史上に残る名手なのも同じなのに、まるでキャラクターが違うのだから」

 アギーレは2002年日韓ワールドカップでメキシコ代表を率いたのち、ラ・リーガ1部・オサスナの監督に就任した。遠征先のセビージャで、15歳当時のメッシを初めて目撃したという。

「試合当日にスタジアムで練習していたら、うちのコーチが『隣のピッチにすごい若者がプレーしているから観ておいたほうがいい』と耳打ちするんだ。ちょうどセビージャとバルサのユースチーム同士が戦うゲームがあってね。そこにいたのはネズミのような、150センチほどの長髪の少年だった。度肝を抜かれたよ。誰もなす術なく、彼を止めることができなかった。数年後、オサスナもレオ(メッシの愛称)にコテンパンにやられるんだけどね(笑)」

 
 その後もメキシコ代表、アトレティコ・マドリー、エスパニョールなどで監督を務め、メッシを徹底分析しては防御策を講じたが、一度としてまともに阻止できなかったという。「本当に大変なんだ。マンマークを付けても、2対1で追い込んでも、さらには『キックで止めてこい!』と指示をしてもダメだった(笑)。アンストッパブルな男なんだ」

 最後に、ひとつだけ方策があると明かした。だがそれも……。

「ボールがレオのところに回らないようにすることだ。サーキットを封鎖してしまえば、さすがに動き回れないからね。それが一番の対処法だろうけど、まあ、バルサのようなチームにいればそれを止めるのも相当難しい。クリスチアーノ・ロナウドとはタイプが違うけど、ボールを持たせたら覚悟しなければいけないのは一緒だね」

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

関連記事(外部サイト)