「シティ戦のゴールがベストじゃない」名手ルーニーが“完成度ナンバー1”と自画自賛する一撃とは

「シティ戦のゴールがベストじゃない」名手ルーニーが“完成度ナンバー1”と自画自賛する一撃とは

現在は英2部ダービーで活躍中のルーニー。34歳となったいまも、圧倒的なゴールセンスは健在だ。(C)Getty Images



 名手ウェイン・ルーニーのゴールと言えば──。やはりマンチェスター・ダービーでの強烈なバイシクル弾を思い浮かべるファンが多いだろうか。

 2011年2月12日、プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド対マンチェスター・シティ戦。1−1で迎えた83分、右サイドのナニからのクロスに呼応したルーニーは、ジャンプ一番に豪快なオーバーヘッドシュートで合わせ、ゴール右隅に突き刺した。ルーニーのみならず、マンUとプレミアの歴史においても永遠に語り継がれるスーパーゴールだ。

 ただ、巷での圧倒的な高評価とは裏腹に、選手にとってはかならずしもそれが“ベスト”ではない場合がある。現在イングランド2部のダービー・カウンティに籍を置くルーニーは今回、英紙『The Sunday Times』にコラムを寄稿。そのなかで、真のベストゴールを明かしている。

 35歳になったストライカーは「好きなゴールはなにかって訊かれたら、たいていはあのシティ戦のゴールと答えてきたよ。ただ、ゴールの質で考えたら、あれがベストではない」と綴り、「個人技ではなく、それはチームワーク、動き出し、コントロール、タイミングのすべてが凝縮されたものでなければいけない。たぶんみんな、僕にとってどれが一番かはピンと来ないんじゃないかな」と続けた。

 そしてルーニーが選んだのは、2009年12月30日のプレミアリーグ、マンU対ウィガン戦の一撃だった。

 右サイドでタメを作ったアントニオ・バレンシアが、大外を駆け上がるラファエルに絶妙なパスを送る。深く抉ったブラジル人サイドバックが中央ニアサイドへライナー性のクロスを供給すると、走り込んだルーニーが相手DFの鼻先でチョコンとコースを変え、見事ゴールに流し込んだ。

 シティ戦のバイシクル弾や超ロングシュート、チャンピオンズ・リーグ決勝での一発などド派手なファインゴールを数多く決めてきたルーニーだが、あえてウィガン戦のシンプルなゴールを選んできた。

 
 選手本人はこう振り返る。

「なにを置いてもラファエウのクロスが素晴らしかったし、僕のタイミングも文字通り完璧だった。しっかりセンターバックの背後を取ってね。ボールに少し触っただけだけど、キーパーにとってはノーチャンスだったはずだ」

 右サイドをバレンシアとラファエウが崩す間、中央でふたりのセンターバックを従えていたルーニーは俊敏な身のこなしで攪乱し、すっとニアに移動したタイミングで高質なクロスが送られてきた。すべてがパーフェクトな一撃だったと、記憶に深く刻まれているのだ。

 さらにルーニーは2004年、エバートンからマンUに移籍してきた当初、31歳だったオレ・グンナー・スールシャール(現マンU監督)にひとつの極意を伝授してもらったという。

「彼は本当にシュートの達人で、いろんなテクニックを教えてもらったよ。一番はやはり、相手ディフェンダーの股間を抜くシュートだよね。コツはなにかって訊いたら、『こちらがシュート体勢に入ったらかならず相手は足を開いてくる。ギャップができるんだ。そこをよく見極めろ』と話してくれた。のちにその教えの通り、シティ戦で(GKの)ジョー・ハートからゴールを奪ってやったよ」

 ルーニーはこれまでクラブレベルで743試合に出場し、310ゴールを決めている。2004年から17年まで過ごしたマンUでは559試合に出場し、歴代最多の253ゴールを叩き出した。イングランド2部のFLC(フットボール・チャンピオンシップ)もプレミア同様に中断期間が長引いているが、ルーニーを擁するダービーは37節を終えて12位に付けている。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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