「私は試合前に退場にできた…」マラドーナは酷かった! 30年前のW杯決勝で笛を吹いたメキシコ人主審が訴える

「私は試合前に退場にできた…」マラドーナは酷かった! 30年前のW杯決勝で笛を吹いたメキシコ人主審が訴える

90年のワールドカップで異彩を放ったマラドーナを当時を知る主審が非難した。 (C) Getty Images



 30年の時を経て、メキシコ人審判が大スターへの不満をぶちまけた。

 新型コロナウイルスの影響で、各国リーグが中断や打ち切りを余儀なくされている。そんななか、インタビュー取材を受ける選手や監督、関係者が増えている。元レフェリーのエルガルド・コデサル氏もそのひとりだ。

 80年代から90年代にかけて国際大会で笛を吹いた名レフェリーが、ウルグアイのラジオ局『Radio1010』で訴えたのは、自身がジャッジした1990年のイタリア・ワールドカップ決勝におけるアルゼンチン代表MFディエゴ・マラドーナの傍若無人な振る舞いだ。

 1986年のメキシコ大会に続いて西ドイツとのファイナルに挑んだアルゼンチン。コデサル氏はこの時、連覇に挑むセレステ・イ・ブランコ(アルゼンチンの愛称)の大黒柱だったマラドーナに目を凝らし続けていたという。そして、問題行動を目にする。国歌斉唱中にスタンドからの罵声を耳にしたマラドーナがあろうことか中指を突き立てたのだ。
 

 それでも「ファイナルを台無しにできなかった」というコデサル氏は、こう回想した。

「驚いたよ。ただ、私は冷静になるように彼を落ち着かせ、彼自身が何者かを説明した。マラドーナは世界最高の選手のひとりだったが、それを理解していなかった。規律というものを知らなかったんだ。

 あの時、私は彼を試合前に退場にしたかもしれない。さらに試合中に私がペドロ・モンソンを退場させた時には、私に近づいてきたマラドーナが、『FIFAの盗人め!』と吐き捨てたんだ。あの行為は退場でもおかしくはなかったと思う」

 さらに「人としては、私が見てきた中でも最悪なひとりだ」とマラドーナの人柄を非難しながらも、選手としては偉大だった男を、こう讃えている。

「ピッチ上で見せたプレーや西ドイツの果敢なタックルによってパンパンに腫れあがった彼の膝を見た時に思ったよ。『この男は史上最高なのだ』とね。彼は完全なるカリスマだったし、選手としては一流で、尊敬と称賛に値するよ」

 結局、0-1と西ドイツの前に屈し、アルゼンチンのワールドカップ連覇の夢は潰えた。だが、「ファイナルを台無しできない」とした氏の“ジャッジ”がなければ、マラドーナは試合前にピッチから去り、世界中で物議を醸す事態になっていたかもしれない。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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