対戦成績から探る「J1全18クラブの”相性”」後編|大阪の2クラブが最も苦手なのは…

対戦成績から探る「J1全18クラブの”相性”」後編|大阪の2クラブが最も苦手なのは…

前田らを擁する名古屋は関西勢に好成績を残す。G大阪にはここ2年間で無敗。写真:滝川敏之



 どんな人にも得意・不得意があるように、サッカーチームにもまた相性がある。

「この相手にはいつも良いイメージで臨める」

「なぜかこのチームには、毎回やられてしまう」

 実際に試合後の囲み取材で選手や監督からも何度かそんな言葉を聞いたことがある。そこで今回は、各クラブの相性を過去の対戦成績から探ってみた。対象はJ1の全18クラブ。対戦成績の内訳はJ1とJ2のリーグ戦のみ(チャンピオンシップやJ1昇格プレーオフなどを除いたレギュラーシーズンの試合)のものとした。

 後編では、湘南、清水、名古屋、G大阪、C大阪、神戸、広島、鳥栖、大分の9クラブを検証する。

<前編へ>

――◆――◆――◆――◆――

湘南ベルマーレ
対札幌(10勝10分15敗)、対仙台(11勝9分22敗)、対鹿島(4勝1分9敗)
対浦和(3勝2分14敗)、対柏(2勝4分8敗)、対FC東京(2勝3分9敗)
対川崎(6勝7分15敗)、対横浜(1勝2分11敗)、対横浜FC(18勝7分13敗)
対清水(3勝2分7敗)、対名古屋(6勝4分6敗)、対G大阪(1勝1分10敗)
対C大阪(9勝2分13敗)、対神戸(4勝7分5敗)、対広島(2勝4分15敗)
対鳥栖(25勝10分15敗)、対大分(8勝5分11敗)

 特に苦手なのが横浜とG大阪。それぞれとの対戦ではわずか1勝ずつしか挙げられておらず、今のところ、どちらにも3連敗中。またユアスタは鬼門だ。仙台とのアウェーゲームは2勝5分13敗と結果を残せていない。勝ち越しているのは横浜FCと鳥栖。特に同じ走力を武器とする鳥栖とは相性が良い。運動量で上回り、主導権を握る試合も少なくない。
 
清水エスパルス
対札幌(7勝1分8敗)、対仙台(10勝4分8敗)、対鹿島(13勝7分20敗)
対浦和(12勝8分18敗)、対柏(14勝4分16敗)、対FC東京(11勝7分19敗)
対川崎(10勝8分12敗)、対横浜(12勝11分17敗)、対横浜FC(3勝1分0敗)
対湘南(7勝2分3敗)、対名古屋(16勝9分13敗)、対G大阪(10勝6分22敗)
対C大阪(9勝7分16敗)、対神戸(20勝5分11敗)、対広島(13勝8分15敗)
対鳥栖(5勝5分4敗)、対大分(6勝6分6敗)

 神戸戦では17年から3勝2分1敗と良いイメージがあるものの、いわゆる中堅という位置づけで、鹿島、浦和、G大阪といった強豪には苦戦が続く。もっとも昨季は横浜にホーム&アウェーで連勝している点は見逃せない。思わぬ伏兵がディフェンディングチャンピオンの連覇を阻止するかもしれない。


名古屋グランパス
対札幌(5勝1分6敗)、対仙台(9勝5分9敗)、対鹿島(14勝3分23敗)
対浦和(16勝6分16敗)、対柏(14勝8分12敗)、対FC東京(12勝7分17敗)
対川崎(6勝6分18敗)、対横浜(12勝15分13敗)、対横浜FC(2勝1分1敗)
対湘南(6勝4分6敗)、対清水(13勝9分16敗)、対G大阪(17勝6分15敗)
対C大阪(18勝3分7敗)、対神戸(19勝3分14敗)、対広島(15勝11分10敗)
対鳥栖(5勝4分5敗)、対大分(9勝5分6敗)

 関西勢に強いのが、ひとつの特徴だ。G大阪に対してはここ2年間で3勝1分と無敗。3勝はいずれも3−2と打ち合いを制している。C大阪に対しても自慢の攻撃力が光り、特にホームゲームでは1試合平均2.07点と高い得点力を見せつける。神戸戦ではなんと2009年から2015年までリーグ戦で11連勝。その後5連敗を喫したものの、昨年11月には3−0と盛り返す。再び連勝街道を突き進むか。
 

ガンバ大阪
対札幌(8勝4分4敗)、対仙台(11勝6分5敗)、対鹿島(13勝11分16敗)
対浦和(17勝11分10敗)、対柏(16勝3分15敗)、対FC東京(13勝9分14敗)
対川崎(14勝6分10敗)、対横浜(12勝11分18敗)、対横浜FC(1勝3分0敗)
対湘南(10勝1分1敗)、対清水(22勝6分10敗)、対名古屋(15勝6分17敗)
対C大阪(17勝5分6敗)、対神戸(17勝9分14敗)、対広島(18勝9分9敗)
対鳥栖(6勝1分7敗)、対大分(9勝1分6敗)

 浦和や川崎、広島などの難敵にも勝ち越している“西の横綱”だ。なんといっても光るのが、大阪ダービーでの恐ろしいほどの勝負強さ。昨季は7シーズンぶりに敗れたものの、それでも勝率は圧倒的だ。一方で近年痛い目にあわされているのが鹿島。17年からは3分3敗と一度も白星がない。ここ3試合は引き分けが続いているだけに、次こそは勝利を引き寄せたい。


セレッソ大阪
対札幌(8勝5分8敗)、対仙台(8勝11分9敗)、対鹿島(11勝4分15敗)
対浦和(11勝6分11敗)、対柏(8勝6分10敗)、対FC東京(11勝7分8敗)
対川崎(9勝8分9敗)、対横浜(11勝9分10敗)、対横浜FC(6勝6分2敗)
対湘南(13勝2分9敗)、対清水(16勝7分9敗)、対名古屋(7勝3分18敗)
対G大阪(6勝5分17敗)、対神戸(11勝4分11敗)、対広島(11勝5分15敗)
対鳥栖(14勝2分10敗)、対大分(8勝7分4敗)

 1999年にJ加盟後しばらくは不安定な戦績だったが2010年頃から浦和、FC東京、川崎、横浜あたりの上位の常連組と互角に渡り合うまでに成長。川崎にはここ2年負けなしで、横浜には2012年から無敗で昨季ホーム&アウェーの両方で勝利している。それでも鹿島には滅法弱い。2011年からは2勝12敗。しかもここ5試合は完封され、まざまざと力の差を見せつけられている。
 
ヴィッセル神戸
対札幌(10勝4分6敗)、対仙台(10勝6分10敗)、対鹿島(10勝7分21敗)
対浦和(13勝6分17敗)、対柏(12勝5分21敗)、対FC東京(8勝10分16敗)
対川崎(8勝6分14敗)、対横浜(7勝11分20敗)、対横浜FC(5勝2分2敗)
対湘南(5勝7分4敗)、対清水(11勝5分20敗)、対名古屋(14勝3分19敗)
対G大阪(14勝9分17敗)、対C大阪(11勝4分11敗)、対広島(8勝10分16敗)
対鳥栖(6勝7分5敗)、対大分(4勝4分6敗)

 17チームのなかでも特に苦手なのが横浜と広島だ。横浜には2012年以降、1勝3分10敗。18年4月の対戦以外で勝利がない。また広島にも15年の4月を最後に勝てておらず、昨季は2試合で10失点(ホームで2−4、アウェーで2−6)を喫した。近年相性がいいのは仙台。通算戦績はイーブンだが、17年から5勝1分無敗。6試合で14得点と高い攻撃力を活かして勝点を重ねる。
 

サンフレッチェ広島
対札幌(9勝3分4敗)、対仙台(11勝7分7敗)、対鹿島(13勝8分18敗)
対浦和(9勝5分22敗)、対柏(9勝10分13敗)、対FC東京(15勝7分12敗)
対川崎(10勝7分17敗)、対横浜(14勝6分18敗)、対横浜FC(14勝6分18敗)
対湘南(15勝4分2敗)、対清水(15勝8分13敗)、対名古屋(10勝11分15敗)
対G大阪(9勝9分18敗)、対C大阪(15勝5分11敗)、対神戸(16勝10分8敗)
対鳥栖(15勝3分5敗)、対大分(7勝4分3敗)

 浦和とG大阪との成績の悪さが目につくが、負けが込んでいたのは2004年〜2007年の頃で(浦和とG大阪の全盛期だった)、昨季はどちらにも無敗だったように近年は盛り返している。また神戸との相性の良さは前述のとおりで、さらに多くのチームが苦しんでいる鹿島戦でもここ2018年から無敗と好パフォーマンスを披露。今季の開幕戦では3−0で快勝している。懸念は、昨季連敗(ホーム0−1、アウェー0−3)している横浜戦か。


サガン鳥栖
対札幌(18勝6分19敗)、対仙台(21勝6分23敗)、対鹿島(6勝3分7敗)
対浦和(6勝6分8敗)、対柏(6勝7分7敗)、対FC東京(6勝6分10敗)
対川崎(7勝6分24敗)、対横浜(6勝2分8敗)、対横浜FC(13勝9分12敗)
対湘南(15勝10分25敗)、対清水(4勝5分5敗)、対名古屋(5勝4分5敗)
対G大阪(7勝1分6敗)、対C大阪(10勝2分14敗)、対神戸(5勝7分6敗)
対広島(5勝3分15敗)、対大分(4勝4分16敗)

 G大阪には勝ち越し、浦和や鹿島の強豪にも善戦しているのは立派。また同じ九州の大分とは、1999年から2002年までのJ2時代で1分15敗と最悪の相性だったが、2010年からは4勝3分1敗と今は苦手なイメージはない。ただし明白な実力差を露呈させられるのが川崎戦。2014年からは16年8月の1勝のみしか挙げられていない。
 
大分トリニータ
対札幌(8勝5分7敗)、対仙台(10勝1分7敗)、対鹿島(3勝4分11敗)
対浦和(7勝4分11敗)、対柏(4勝7分5敗)、対FC東京(5勝6分13敗)
対川崎(11勝6分9敗)、対横浜(5勝3分10敗)、対横浜FC(13勝6分5敗)
対湘南(11勝5分8敗)、対清水(6勝6分6敗)、対名古屋(6勝5分9敗)
対G大阪(6勝1分9敗)、対C大阪(4勝7分8敗)、対神戸(6勝4分4敗)
対広島(3勝4分7敗)、対鳥栖(16勝4分4敗)

 川崎に勝ち越している数少ないクラブだが、2008年からの8試合では1勝2分5敗と苦しみ、昨季はホーム&アウェーの両方で敗戦。また同じく昨季はFC東京にも連敗。この2チームの素早い攻撃に手を焼いている。一方で札幌や湘南は得意な相手。札幌には2014年からの6試合で4勝2分、湘南には2017年からの4試合で3勝1分と、いずれも負けていない。

――◆――◆――◆――◆――

 各クラブの特徴が表われて、なかなか興味深い結果となった。Jリーグをこうした相性の視点から観るのも面白いだろう。今後の参考資料にしていただきたい。

文●多田哲平(サッカーダイジェスト編集部)
 

関連記事(外部サイト)