「大打撃になる」ザッケローニ氏、伊メディアでセリエA再開に警鐘。一方で持ち堪える日本人の国民性を称賛!

「大打撃になる」ザッケローニ氏、伊メディアでセリエA再開に警鐘。一方で持ち堪える日本人の国民性を称賛!

イタリア・メディアとのインタビューに応えたザッケローニ氏。リーグ再開には慎重な姿勢が必要との見解を示した。(C) Getty Images



 新型コロナウイルスの急激な感染拡大によりロックダウンが続くイタリア。ここにきて状況を示すデータは徐々に減少傾向を示し始めている。現地報道によると、5月4日から外出や経済活動などの制限が緩和される予定だ。

 スポーツに関しては、同日より他者と距離2メートルを維持した個人のトレーニングが可能に。団体競技のチーム練習は、5月18日から解禁される予定だが、規制の詳細は政府内で検討中とのことだ。これに先立って、FIGC(イタリアサッカー協会)が、シーズン完結に向けて中断中のセリエAの再開予定を5月末から6月初めと発表している。

 セリエA再開に関して様々な意見が飛び交う中、元日本代表監督のアルベルト・ザッケローニ氏が、同国スポーツ専門メディア『Fanpage.it』の独占インタビューに応えた。

 同リーグでミラン、インテルやユベントスほか複数クラブで指揮官を務めたザッケローニ氏は、「何よりも安全の優先が基本だ。自分は監督として活気を帯びたロッカールームやトレーニングの様子を熟知している。そこで(選手やスタッフが)ともに過ごす時間は決して短くない。それを知っているからこそ、再開に戸惑いがある」と語り、選手ら関係者が長時間にわたり接触するリスクを危惧していると言う。

 ザッケローニ氏は続けて、「確固とした管理体制が不可欠だ。もし、選手から感染者が出た場合、(新型コロナウィルと共存するための)プランBとは何かが知りたい。問題点はそこだよ。選手の感染にどう対処するんだ?チーム全体を隔離すれば、以降そのチームは試合ができない」と指摘。「これは、あらゆる面で大変な打撃になるだろう。万一でも起きてしまった場合、それに対処できるのか?それが一番の疑問だね」と不安が残るままでのリーグ再開に警鐘を鳴らした。

 イタリア国内13クラブと3か国の代表チームを率いた名将は、指揮官の視点でクラブや選手たちの努力を考えると辛いと語り、「セリエA再開に反対しているわけではない」と話した。それでも、「最小限であってもリスクはある。1クラブ全体が隔離となった場合、どうなるのか? クラブが欠けた状態でリーグ戦を続けるのかい?」「全員の安全が確保されるべき」とコメント。十分な危機管理の必要性を繰り返し訴えた。

 チーム内で感染者が出ることを想定しているのは、ザッケローニ氏だけではない。リーグ20クラブ中17クラブのチームドクターが、再開前の準備期間、再開後の試合直前など感染者が出た場合の対処について具体的な方法の明示を求める文書をFIGCに提出している。
 
 新型コロナウイルス感染の猛威に直面したイタリア、一方心配な状況ではあるものの世界的に見れば比較的持ちこたえていると言える日本。インタビューでは、2か国の異なる現状に関する質問も投げかけられた。2011年アジアカップで日本代表を優勝へと導いた指揮官は、両国の間に違いが生じた要因のひとつには、日本滞在中に接したその国民性が挙げられるとコメントしている。

「イタリアと日本では、大きな文化の違いがある。イタリア人は型にはまらない。一方で、日本人は整然としていて、団結力と自制心を持っている。そして、堅実で覚悟がある。私たちイタリア人と比べ、本能に任せて行動することが少ないんだ。イタリア人はオリジナリティを重視するので、足並みを揃えることが日本人より苦手だ。すべきことがある時、全員が一緒に行動する、それが日本の文化なんだ」
 まさに、日本愛に溢れたザッケローニ氏の言葉だ。

 セリエAはUEFA(欧州サッカー連盟)の要請を受けて、2019-20シーズンの終了を8月2日に設定。リーグ戦は各チーム12〜13試合を消化することになり、併せてコッパ・イタリアも準決勝セカンドレグから再開される予定。UEFAチャンピオンズリーグ(CL)とUEFAヨーロッパリーグ(EL)も念頭に置くと、かなりの過密スケジュールになりそうだ。

歓声に沸くスタジアムで繰り広げられる熱戦を心待ちにしているファンは多いはず。世界が1日も早く安全と落ち着きを取り戻すことを願うばかりだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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