「逆境が大好物」の長友。思い出される本田への“本気のダメ出し”

「逆境が大好物」の長友。思い出される本田への“本気のダメ出し”

スイス戦翌日の練習後に長友が本田のパフォーマンスに言及。現地取材で印象に残る出来事だった。写真:滝川敏之




 対談動画で話題の長友佑都と本田圭佑。このふたりで個人的に思い出されるのが、ロシア・ワールドカップ前のスイスとの練習試合翌日に、長友が本田に本気で“ダメ出し”をしたことだった。

 スイス戦はほぼ何もできないまま0−2の完敗。トップ下で先発出場した本田について、当時の採点・寸評で記者は次のように書いている。

 採点「4.5」。寸評「前半はコースをきっちり切った守備が印象的だったが、後半に入っても肝心の攻撃では精彩を欠いた。このパフォーマンスではトップ下失格」。

 要は本田がてんでダメだったのだ。そして、翌日の練習後、長友が珍しく盟友の本田にダメ出しをしたのである。

 長友は厳しい表情で「クオリティの部分はもちろんだけど、(それ以前に)走れていない。戦える身体があって、走れる足があって、そこにプラスアルファで経験があってやっとチームに貢献できる。経験だけでは勝てない。僕自身を見ても、もっと攻守にやれることはいっぱいある」と反省しつつ、本田に苦言を呈した。

「圭佑なんかもまだまだ走んなきゃいけない。もっとミスを減らしてくれないと、チームは勝てない。そういうことはもちろん圭佑とも話しましたけど、もっと僕たちが若い選手よりも戦えないと、走れないと。経験だけでは勝負できないですよね。そんな甘い世界ではないと思いますよ、サッカーは」
 
 もちろん、単なるダメ出しではない。自分も含め、経験を持った選手がピッチでやれると証明し、チームを引っ張っていかないといけないという本田への“熱いメッセージ”である。それは、次の言葉から感じ取れるだろう。

「結局、彼にパフォーマンスをあげてもらわないと、このチームは勝てない。走って、もっとミスを減らして、そして得点に絡んでもらわないと。僕らが出ている意味もなくなる。経験を持った選手たちがもっと戦って、走らないと、それができないなら、『若い選手でいいでしょ』という話になる。だから、もっとやらないといけない。そんなワールドカップは甘くないです」

 これを境にどこか吹っ切れた長友はワールドカップ本大会でハイパフォーマンスを披露し、本田もコロンビア戦やセネガル戦で決定的な仕事をするなど、ともにチームのベスト16入りに貢献した。

 追い込まれてから力を発揮できるのは、ある意味プロの証だ。最近、羽生直剛との対談動画で「逆境が大好物」と言っていた長友。その言葉に偽りなしだろう。

文●白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)

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