大舞台での勝負強さが際立った2人のストライカー――イングランド代表の10番列伝

大舞台での勝負強さが際立った2人のストライカー――イングランド代表の10番列伝

偉大な功績を残したのがハースト(左上)、リネカー(右上)。オーウェン(左下)とルーニーは(右下)は本領を発揮できず……。 (C) Getty Images



 過去のメジャートーナメントにおいて、列強国の代表チームではいったい誰が栄光の10番を背負ってきたのか。歴代の担い手たちはどんな結果を残してきたのか。10番の価値や意味合いなど各国の事情に触れながら紹介する。

 取り上げるのは、歴史的に多くのストライカーが担い手を務めてきたイングランドだ。

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 伝統的に4-4-2を用いてきたイングランド代表の10番は、主に9番とともに2トップの一角を担うストライカーのナンバーとして定着してきた。

 歴代の担い手で最も偉大な功績を残したのが、自国開催の1966年ワールドカップで母国を世界制覇に導いたジェフ・ハーストだ。決勝でハットトリックを成し遂げた唯一の選手としてワールドカップ史に名前を刻んだ。

 そんなレジェンドには及ばないものの、ガリー・リネカーも輝きを放った名手。ベスト8で散ったとはいえ、6ゴールを叩き込んだ86年ワールドカップでは得点王の個人タイトルを獲得し、4年後の90年ワールドカップでも4ゴールを挙げて4位に貢献するなど、大舞台での勝負強さが際立っていた。
 
 アラン・シアラーと名コンビを形成してEURO96のベスト4に寄与したのがテディ・シェリンガム。ただ、ハーストやリネカーのように中心的な役割を果たしたわけではない。

 その傑出したタレントを、代表では存分に発揮できなかったのがウェイン・ルーニーとマイケル・オーウェンだ。とくに歴代屈指の技術とセンスを誇った前者は、ゴール数もインパクトも不十分だったと言わざるを得ない。

 18年ワールドカップ以降のガレス・サウスゲイト監督は、ラヒーム・スターリングの他にハリー・ウィンクス(トッテナム)やロス・バークリー(チェルシー)にも託しており、来年のEUROではMFが10番を担う可能性もありそうだ。

 以下は、主なメジャー大会でイングランド代表の10番を背負った選手たちと大会成績だ。

◆イングランド代表のメジャー大会における歴代ナンバー10◆

1954W杯(ベスト8) トミー・テイラー(FW/32歳/マンチェスター・U)
大会成績:2試合・0得点・1アシスト

1958W杯(本大会出場) ジョニー・ヘインズ(FW/23歳/フルアム)
大会成績:4試合・1得点・0アシスト

1962W杯(ベスト8) ジョニー・ヘインズ(FW/27歳/フルアム)
大会成績:4試合・0得点・0アシスト

1966W杯(優勝) ジェフ・ハースト(FW/24歳/ウェストハム)
大会成績:3試合・4得点・2アシスト

1968EURO(ベスト4) ジェフ・ハースト(FW/26歳/ウェストハム)
大会成績:1試合・1得点・0アシスト

1970W杯(ベスト8) ジェフ・ハースト(FW/28歳/ウェストハム)
大会成績:3試合・1得点・0アシスト

1980EURO(GS敗退) トレバー・ブルッキング(MF/31歳/ウェストハム)
大会成績:2試合・1得点・0アシスト

1982W杯(ベスト8) テリー・マクダーモット(MF/30歳/リバプール)
大会成績:0試合・0得点・0アシスト

1986W杯(ベスト8) ガリー・リネカー(FW/25歳/エバートン)
大会成績:5試合・6得点・0アシスト

1988EURO(GS敗退) ガリー・リネカー(FW/27歳/バルセロナ)
大会成績:3試合・0得点・1アシスト

1990W杯(4位) ガリー・リネカー(FW/29歳/トッテナム)
大会成績:7試合・4得点・0アシスト

1992EURO(GS敗退) ガリー・リネカー(FW/31歳/名古屋グランパス)
大会成績:3試合・0得点・1アシスト

1996EURO(ベスト4) テディ・シェリンガム(FW/30歳/トッテナム)
大会成績:5試合・2得点・1アシスト

1998W杯(ベスト16) テディ・シェリンガム(FW/32歳/マンチェスター・U)
大会成績:2試合・0得点・0アシスト

2000EURO(GS敗退) マイケル・オーウェン(FW/20歳/リバプール)
大会成績:3試合・1得点・0アシスト

2002W杯(ベスト8) マイケル・オーウェン(FW/22歳/リバプール)
大会成績:5試合・2得点・1アシスト

2004EURO(ベスト8) マイケル・オーウェン(FW/24歳/リバプール)
大会成績:4試合・1得点・2アシスト

2006W杯(ベスト8) マイケル・オーウェン(FW/26歳/リバプール)
大会成績:3試合・0得点・0アシスト

2010W杯(ベスト16) ウェイン・ルーニー(FW/24歳/マンチェスター・U)
大会成績:4試合・0得点・0アシスト

2012EURO(ベスト8) ウェイン・ルーニー(FW/26歳/マンチェスター・U)
大会成績:2試合・1得点・0アシスト

2014W杯(GS敗退) ウェイン・ルーニー(FW/28歳/マンチェスター・U)
大会成績:3試合・1得点・1アシスト

2016EURO(ベスト16) ウェイン・ルーニー(FW/30歳/マンチェスター・U)
大会成績:4試合・1得点・0アシスト

2018W杯(4位) ラヒーム・スターリング(FW/23歳/マンチェスター・C)
大会成績:6試合・0得点・1アシスト

※リストは本選出場の大会のみで、ワールドカップは固定番号制が導入された1954年大会以降。ワールドカップのチーム成績は出場国が16か国以下だった1978年大会まで、ベスト8に勝ち上がれなかったケースはすべて「本大会出場」に。年齢と所属クラブは大会開幕時

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部

※『ワールドサッカーダイジェスト』2020年6月4日号より転載

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