メジャー大会3連覇に寄与したセスクが代表史上最高だ――スペイン代表の10番列伝

メジャー大会3連覇に寄与したセスクが代表史上最高だ――スペイン代表の10番列伝

EURO64で初優勝に貢献したルイス・スアレス(左上)、78年W杯で10番を背負ったサンティジャナ(右上)、2大会で10番をつけ期待を裏切ったラウール(左下)、最多5大会で10番を背負いメジャー大会3連覇に導いたセスク(右下)。(C) Getty Images



 過去のメジャートーナメントにおいて列強国の代表チームでは一体誰が栄光の10番を背負ってきたのか。歴代の担い手たちはどんな結果を残してきたのか。10番の価値や意味合いなど各国の事情に触れながら、紹介する。

 ここで触れるのは、数多くの優秀なタレントを輩出してきたスペインだ。

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 60年のバロンドール受賞者であり、EURO64でスペインに初の国際タイトルをもたらしたルイス・スアレスは、同国史上最高の選手と言われるひとり。優雅でエレガントなプレーが称賛された。これに続くのが、キャリアの大半をマドリーで過ごし、78年W杯で10番をつけたサンティジャナ。タイトル獲得こそなかったものの、質の高いフィニッシュワークを武器に、長く代表の前線に君臨した。
 
 そして、このふたり以上に母国の勝利に貢献した10番が、セスク・ファブレガスだ。EURO08以降のメジャー5大会で栄光のナンバーを背負った攻撃的MFは、うち3大会で優勝に貢献した。

 EURO08では、シャビ、アンドレス・イニエスタ、ダビド・シルバとともに「クアトロ・フゴーネス(4人の創造主)」を形成し、EURO12では、FWダビド・ビジャの不在を埋めるべく導入されたゼロトップ・システムの最前線でプレー。違いを生み出す存在となっていた。

 彼ら以上にスペイン代表で輝いた10番は、いまのところ皆無だ。ラウール・ゴンサレスも10番をつけて出場した2大会では大きく期待を裏切り、その後のディエゴ・トリスタン、フェルナンド・モリエンテス、ホセ・アントニオ・レジェス、そして現代表のチアゴ・アルカンタラも、国際大会ではほぼノーインパクトに終わっている。
 

 以下は、主なメジャー大会でスペイン代表の10番を背負った選手たちと大会成績だ。EURO96には、ブラジル出身のドナトが帰化選手初の10番として出場。

◆スペイン代表のメジャー大会における歴代ナンバー10◆

1962W杯(本大会出場) シグフリード・ガルシア(DF/30歳/バルセロナ)
大会成績:2試合・0得点・0アシスト

1964EURO(優勝) ルイス・スアレス(FW/29歳/インテル)
大会成績:2試合・0得点・2アシスト

1966W杯(本大会出場) ルイス・スアレス(FW/31歳/インテル)
大会成績:2試合・0得点・0アシスト

1978W杯(本大会出場) サンティジャナ(FW/25歳/R・マドリー)
大会成績:2試合・0得点・0アシスト

1980EURO(GS敗退) キニ(FW/30歳/スポルティング・ヒホン)
大会成績: 2試合・1得点・0アシスト

1982W杯(ベスト8) ホセ・マリ・サモラ(MF/27歳/R・ソシエダ)
大会成績:4試合・1得点・0アシスト

1984EURO(準優勝) リカルド・ガジェゴ(MF/25歳/R・マドリー)
大会成績:5試合・0得点・0アシスト

1986W杯(ベスト8) フランシスコ・ホセ・カラスコ(MF/27歳/バルセロナ)
大会成績:0試合・0得点・0アシスト

1988EURO(GS敗退) エロイ(FW/23歳/スポルティング・ヒホン)
大会成績:0試合・0得点・0アシスト

1990W杯(ベスト16) フェルナンド(MF/24歳/バレンシア)
大会成績:1試合・0得点・0アシスト

1994W杯(ベスト8) ホセ・マリア・バケーロ(MF/31歳/バルセロナ)
大会成績:4試合・0得点・0アシスト

1996EURO(ベスト8) ドナト(MF/33歳/デポルティボ)
大会成績:1試合・0得点・0アシスト

1998W杯(GS敗退) ラウール・ゴンサレス(FW/20歳/R・マドリー)
大会成績:3試合・1得点・1アシスト

2000EURO(ベスト8) ラウール・ゴンサレス(FW/22歳/R・マドリー)
大会成績:4試合・1得点・1アシスト

2002W杯(ベスト8) ディエゴ・トリスタン(FW/26歳/デポルティボ)
大会成績:2試合・0得点・0アシスト

2004EURO(GS敗退) フェルナンド・モリエンテス(FW/28歳/モナコ)
大会成績:3試合・1得点・0アシスト

2006W杯(ベスト16) ホセ・アントニオ・レジェス(MF/22歳/アーセナル)
大会成績:1試合・0得点・1アシスト

2008EURO(優勝) セスク・ファブレガス(MF/21歳/アーセナル)
大会成績:6試合・1得点・3アシスト

2010W杯(優勝) セスク・ファブレガス(MF/23歳/アーセナル)
大会成績:4試合・0得点・1アシスト

2012EURO(優勝) セスク・ファブレガス(MF/25歳/バルセロナ)
大会成績:6試合・2得点・1アシスト

2014W杯(GS敗退) セスク・ファブレガス(MF/27歳/バルセロナ)
大会成績:2試合・0得点・1アシスト

2016EURO(ベスト16) セスク・ファブレガス(MF/29歳/チェルシー)
大会成績:4試合・0得点・1アシスト

2018W杯(ベスト16) チアゴ・アルカンタラ(MF/27歳/バイエルン)
大会成績:2試合・0得点・0アシスト

※リストは本選出場の大会のみで、ワールドカップは固定番号制が導入された1954年大会以降。ワールドカップのチーム成績は出場国が16か国以下だった1978年大会まで、ベスト8に勝ち上がれなかったケースはすべて「本大会出場」に。年齢と所属クラブは大会開幕時。GS=グループステージ。


構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部

※『ワールドサッカーダイジェスト』2020年6月4日号より転載

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