実力者がひしめく中でも別格の輝きを放った2人のレジェンド――オランダ代表の10番列伝

実力者がひしめく中でも別格の輝きを放った2人のレジェンド――オランダ代表の10番列伝

EURO88で優勝に貢献したフリット(左上)、4大会連続で10番を背負ったスナイデル(右上)、3大会で10番をつけたベルカンプ(左下)、EURO2000で得点王に輝いたファン・ニステルローイ(右下)。(C) Getty Images



 過去のメジャートーナメントにおいて列強国の代表チームでは一体誰が栄光の10番を背負ってきたのか。歴代の担い手たちはどんな結果を残してきたのか。10番の価値や意味合いなど各国の事情に触れながら、紹介する。

 ここで触れるのは、数多くの優秀なタレントを輩出してきたオランダだ。

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 オランイェの10番を語る上で外せないのが、ルート・フリットだ。初めてナンバー10を背負って挑んだEURO88では、キャプテンとして全5試合にフル出場。ソ連との決勝では先制点を挙げる活躍を披露し、母国を初優勝へと導いた。29歳で臨んだ4年後のEURO92でも、不動の主力としてベスト4進出に貢献している。

 メジャー大会において、このスーパーレジェンドに比肩する活躍を見せたのが、ヴェスレイ・スナイデルだ。10年W杯では優勝こそ逃したものの、計5ゴールを奪って大会得点王に輝いた。また、オランダでは4大会連続で10番をつけた唯一の選手であり、134試合出場は同国の歴代最多記録だ。
 


 メジャー3大会で10番を背負い、卓越したボールコントロールでファンを魅了したデニス・ベルカンプや、自身初の国際大会となったEURO04で得点王に輝いたルート・ファン・ニステルローイらも背番号に恥じない活躍を見せた。

 だが一方で、98年W杯のクラレンス・セードルフと06年W杯のラファエル・ファン・デルファールトは不完全燃焼。本来の力を発揮できずに大会を後にしている。また、18年9月のスナイデルの代表引退試合で、本人から直接10番を託されたメンフィス・デパイは現在、19年末に負った右膝前十字靭帯断裂からの復帰を目指している。



 以下は、主なメジャー大会でオランダ代表の10番を背負った選手たちと大会成績だ。70年代に出場した3つのメジャー大会で、交互に10番をつけた双子のファン・デケルコフ兄弟の名前も刻まれている。

◆オランダ代表のメジャー大会における歴代ナンバー10◆

1974年W杯(準優勝) レネ・ファン・デケルコフ(FW/22歳/PSV)
大会成績:1試合・0得点・0アシスト

1976年EURO(3位) ヴィリー・ファン・デケルコフ(MF/24歳/PSV)
大会成績:2試合・1得点・0アシスト

1978年W杯(準優勝) レネ・ファン・デケルコフ(FW/26歳/PSV)
大会成績:7試合・1得点・0アシスト

1980年EURO(GS敗退) アーリ・ハーン(MF/31歳/アンデルレヒト)
大会成績:3試合・0得点・0アシスト

1988年EURO(優勝) ルート・フリット(MF/25歳/ミラン)
大会成績:5試合・1得点・2アシスト

1990年W杯(ベスト16) ルート・フリット(MF/27歳/ミラン)
大会成績:4試合・1得点・0アシスト

1992年EURO(ベスト4) ルート・フリット(MF/29歳/ミラン)
大会成績:4試合・0得点・1アシスト

1994年W杯(ベスト8) デニス・ベルカンプ(FW/25歳/インテル)
大会成績:5試合・3得点・1アシスト

1996年EURO(ベスト8) デニス・ベルカンプ(FW/27歳/アーセナル)
大会成績:4試合・1得点・1アシスト

1998年W杯(4位) クラレンス・セードルフ(MF/22歳/R・マドリー)
大会成績:4試合・0得点・0アシスト

2000年EURO(ベスト4) デニス・ベルカンプ(FW/31歳/アーセナル)
大会成績:5試合・0得点・3アシスト

2004年EURO(ベスト4) ルート・ファン・ニステルローイ(FW/27歳/マンチェスター・U)
大会成績:5試合・4得点・0アシスト

2006年W杯(ベスト16) ラファエル・ファン・デルファールト(MF/23歳/ハンブルク)
大会成績:3試合・0得点・0アシスト

2008年EURO(ベスト8) ヴェスレイ・スナイデル(MF/23歳/R・マドリー)
大会成績:3試合・2得点・3アシスト

2010年W杯(準優勝) ヴェスレイ・スナイデル(MF/27歳/インテル)
大会成績:7試合・5得点・1アシスト

2012年EURO(GS敗退) ヴェスレイ・スナイデル(MF/28歳/インテル)
大会成績:3試合・0得点・0アシスト

2014年W杯(3位) ヴェスレイ・スナイデル(MF/30歳/ガラタサライ)
大会成績:6試合・1得点・2アシスト

※リストは本選出場の大会のみで、ワールドカップは固定番号制が導入された1954年大会以降。ワールドカップのチーム成績は出場国が16か国以下だった1978年大会まで、ベスト8に勝ち上がれなかったケースはすべて「本大会出場」に。年齢と所属クラブは大会開幕時。GS=グループステージ。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部

※『ワールドサッカーダイジェスト』2020年6月4日号より転載

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