Jリーグ再開初戦のスタジアムの様子は?“リモート応援”は響くも雰囲気は激変

Jリーグ再開初戦のスタジアムの様子は?“リモート応援”は響くも雰囲気は激変

無観客で行なわれた千葉と大宮の一戦。試合前には医療従事者らへ向けた感謝の拍手も送られた。(C)SOCCER DIGEST



 Jリーグが約4か月ぶりに戻ってきた。2月23日に開幕戦を行なっていたJ2は、新型コロナウイルスの影響を受けて中断。紆余曲折を経て、J1に先立って6月27日に感染予防を徹底したなかで、再開を迎えた。

 フクダ電子アリーナで開催されたのは、ともにJ1昇格レースに絡みそうな千葉と大宮の一戦。本来であれば、サポーターの移動距離を含め、多くの観衆が集まったはずのゲームである。

 しかし再開後のJリーグは、リモートマッチ、いわゆる無観客試合で行なわれ、この日も蘇我駅からスタジアムへ伸びる一本道には人の姿はまばら。試合前には記者、カメラマンを含め、メディア関係者全員が検温、手の消毒、問診表の提出と細かい手順を踏み、記者は通常のメディアルームへ入室できず、上階の記者席へ直接、向かう形となった。

 空席が広がる光景はやはり異様だ。千葉のユン・ジョンファン監督は「正直、練習ゲームのような雰囲気でした」と振り返る。
 選手入場の直前には、BGMが収まり、数分、スタジアムが静寂に包まれた場面もあり、高揚感が高まるいつもの試合前とは別物の空間がそこには広がっていた。

 選手は普段、入場する中央の入り口からではなく、チームごとに分かれてスタジアムの左右の入り口からピッチへ。集合写真も各選手が距離を空けて収まり、健闘を誓う握手も止む無く行なわずに、センターサークルで医療従事者らへの感謝の拍手を送った後にゲームがスタートした。

「良い声をかけていこう!」と千葉のGK新井章太の声が際立ったのは印象的で、「集中していこう!」と、スタンドで観戦した千葉のベンチ外のメンバーの声もよく聞こえたのは、リモートマッチならではの光景と言えるだろう。

 当の新井は「難しかったのは入りの部分。整列もないなかで、普段とは異なる雰囲気で始まったので、声をかけながらやりました。ただ逆に声が通るというのもありました。そこはコミュニケーションを取りながらやれたというのは良かったかなというのはあります」と率直な感想を口にする。
 

 この日、ホームの千葉は“Remote Cheerer”というリモート応援システムを試験的に導入。これはテレビなどでの試合観戦者が同サイトへアクセスし、「応援ボタン」を押せば、押したタイミングでスタジアムのスピーカーから特定の音声が流れるというもので、会場内には常に千葉の応援歌が流れ、サポーターたちがプッシュした「歓声」「拍手」なども聞こえてきた。

 千葉でキャプテンマークを巻いた田口泰士は「もちろん聞こえていましたし、モチベーションも上がりました」と笑顔を見せる。

 結果的にはホーム側で94万280回、アウェー側では2万7966回のプッシュがあったということで、無観客試合を盛り上げる仕組みになったと言えるだろう。関係者も「全体を通して問題はなかった」と話す。
 
 一方で、音は常に響いていただけに、そこまでの寂しさはなかったが、やはり展開による抑揚がなかったのは、サッカーの醍醐味がひとつ減ったようにも感じられた。

 1点のビハインドを追う千葉が、試合終盤に猛攻を仕掛けたが、どこか迫力がなかったのも、いつもは聞こえるはずのサポーターの後押しがなかったことが影響していたようにも映る。今後の試合でもサポ―ターの声の重要性を痛感することになるのだろう。

 またこの試合では前後半に一度ずつ給水タイムが取られ、ほかにも負傷者が出て試合が止まる度に、選手たちがベンチ前に集まり感染予防のための“マイボトル”で水分を取った。ただ、これから酷暑を迎えるなかで、これまでのようにピッチのいたる場所で水を取れなくなった影響は大きそうで、給水タイムの回数を増やすなど、選手たちのダメージを軽減させる策も必要になるだろう。

 加えて過密日程のなか、選手の疲労軽減を考慮した今季のイレギュラールール「5人交代制」が取り入れられたなか、千葉のユン・ジョンファン監督は4人、高木琢也監督は3人と、枠を残して試合を終えている。こちらも手探りな状況が続きそうだ。

 ちなみに試合後の取材はZoomで実施。両チームの監督と、選手2人ずつが登場したが、回線が切れる場面もあり、こちらも改善が必要と言えるのだろう。

取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

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