Jリーグ再開後の3大注目ポイント! 分散開催で序盤の東は激戦か…西の神戸、大阪勢が抜け出す?

Jリーグ再開後の3大注目ポイント! 分散開催で序盤の東は激戦か…西の神戸、大阪勢が抜け出す?

今季もすでに鮮烈なパフォーマンスを頻発させている?魔術師”イニエスタ。過密日程であり、5人交代制のレギュレーションも採用されるなかで、どのような起用となるだろうか。写真:徳原隆元



 Jリーグは6月27日・28日にJ2が再開、J3が開幕。7月4日には約4か月の中断を経て、いよいよJ1が再開される。過密日程となるなか、「5人交代制」「降格なし」といった今季限定のレギュレーションも採用される異例のシーズンはどのような展開を見せるのか。コロナ禍のJリーグで注目すべき3つのポイントを、スポーツライターの加部究氏に挙げていただいた。

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【ポイント1】5人交代制により別次元の戦いに

 ほぼ夏開幕で過密日程による短期決戦の特殊なリーグだけに、その特殊性に即したルールを味方にしたチームが有利な展開を導ける。当然各監督は特別ルールを十分に意識しており、先に再開したJ2でも全チームが3人以上、そして半数の10チームが最大5人の交代カードを切っている。とりわけ象徴的だったのが、前半で3点のリードを許した愛媛がハーフタイムに3人を替え、逆に後半4ゴールで引っ繰り返した試合だった。5人の交代枠を前提にすれば、必然的に指揮官の仕掛けも早くなり、どちらかがカードを切る度に目まぐるしく流れが変わる可能性もある。

 そういう意味では、Jリーグ創設当初のような強度の高い消耗戦になる可能性が高い。どれだけファンが現場に足を運べるかは未知数だが、カップファイナルを好む日本人には適したスリリングなリーグ戦になりそうだ。反面総合力で競う思惑が浸透しており、メンバーを固定したり、戦術的なオプションが不足したりして、試合を動かせないチームは厳しい。ただし両ゴール前の攻防は爆発力がカギになるので、J2再開戦でのウタカ(京都=2ゴール)の活躍を見ても、おそらくパワフルな助っ人得点源を持つチームが有利になる。
【ポイント2】降格なしでカップ戦的な色合いが濃くなる

 降格というネガティブな懸念材料が消えたことで、どうしても各チームとも丹念に勝ち点をひとつでも積み上げていこうという意識が薄れがちになる。とにかく目の前の試合を勝ちに行くポジティブな姿勢が強まるので、前がかりで大味な試合が増えそうだ。少なくとも今年に関しては、守って粘り抜く戦い方は意味をなさず、さらに通常リーグに戻る未来への蓄積にもならない。今回のコロナ禍は、特に若いアタッカーには追い風になったかもしれない。この状況では、さすがに実績重視の慎重居士でも「可能性」に賭ける度量が生まれる。

 一方でハイテンションの攻防では、フレッシュな力が通常以上に際立つ可能性もある。さらに来季以降を睨めば、リスクを冒しても新世代を試す格好のチャンスだ。そして新風が吹けばリーグは活気づき市場も動き出す。もしこの傾向が強まれば、リーグ全体の平均年齢も下がり、逆にベテランの生き残りが厳しさを増す時代の分岐点になるのかもしれない。
【ポイント3】東西分散スタートの影響

 コロナ禍により東西分散開催からスタートするので、序盤からどちらも好カードが目白押し。最初からライバル同士が火花を散らすので、スタートダッシュが重要なポイントになる。その点では首都東京や大阪など、自粛が長引き仕上がりが遅れがちなチームには厳しいリーグになるかもしれない。もし序盤で近隣のライバルとの接戦を落とし続けると、心身ともに消耗が激しく、立て直して追いかけるモチベーションが薄れがちになる。新監督を迎えてACL本大会への出場権を逃し出遅れが顕著な鹿島などは、かつてない難しいシーズンになる可能性がある。

 一方で質の高い万全な戦力を整えた川崎なども、潜在的な爆発力の高さをどう活かしていくのか指揮官の手腕が注目される。特に東側は、昇格してきたばかりの柏や、昨年のルヴァンカップで決勝進出を果たした札幌なども侮れない存在なので、前半戦の星の潰し合いがカギになる。もし互いに足を引っ張りあって失速するようなら、西側から神戸や両大阪などが抜け出していく可能性もある。

文●加部究(スポーツライター)
 

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