2020年の“リアル”南葛SCが追求する魅力的なサッカーと関東リーグ昇格――東大樹キャプテンが探し求める答えとは

2020年の“リアル”南葛SCが追求する魅力的なサッカーと関東リーグ昇格――東大樹キャプテンが探し求める答えとは

今回インタビューに応じてくれたキャプテンの東。2018年に加入して3年目を迎える。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)



 東京都の緊急事態宣言が解除され、リーグ戦の日程も決まった。不測の事態があったとはいえ、南葛SCの2020年の目標は変わらない。
「関東リーグ2部絶対昇格」

 今シーズンは例年に比べ困難も倍増したと言わざるを得ない。それでも勝ち抜くためにチームで共有すべき思いとは、そして導き出したい答えとは――。東大樹キャプテンの声に耳を傾けてみよう。

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 新型コロナウイルス感染拡大における東京都の緊急事態宣言が解除されたのが5月25日。それから約1週間後の6月2日。南葛SCは約2か月ぶりにグラウンドでの練習を再開した。

「解除されたからといっても、依然不安の残る選手もいました。そこはスタッフにも事情を考慮していただき。当然、みんなのコンディションはバラバラでした。でも楽しかったですね。僕はいろんな人としゃべるのが好きなので。ソーシャルディスタンスを保つためにグラウンドを4分割しての練習だったかな? 距離さえ保てば話してもいいでしょう、と思って会話しながらトレーニングしていました」

 そう語るのは南葛SCの2020シーズン新キャプテン・東大樹。久しぶりにチームメイトとサッカーボールを蹴る練習は楽しかった。そして、試合ができるようになった時はさらに嬉しさがこみ上げたという。

「練習再開から2週間くらいしてからだったと思いますが、練習試合を行なったんです。みんなが集まってゲームができるようになって、さらに他チームを呼んで葛飾区でゲームをした時に楽しいと感じました。『これで俺の役目終わったな〜』なんて笑い話して(笑)。試合に辿り着くまでにステップを踏みながら近づいていったので、その間のことを思い出しながら出た感覚、言葉でした」

「これが公式戦になったら、より楽しさは増すはず」と言っていたが、一方で南葛SCにとって2020年シーズンは不退転の覚悟で臨む勝負のシーズンである。

 東京都社会人サッカーリーグ1部に昇格した2018年、いきなりダントツの成績で優勝するも、関東リーグ昇格をかけた関東社会人サッカー大会は準々決勝で敗退。翌2019年は元日本代表の福西崇史を新監督に迎え大型補強を敢行するもリーグ7位。ちょうど2018年から南葛SCに移籍してきた東にとっても忸怩たる思いがあった。
 

「今年で移籍してきて3年目になりますが、南葛SCに来た時から気持ちは何も変わっていなくて。どんなチームが相手だろうが圧倒したい。『南葛だから勝って当たり前でしょ』と言われるなら『当たり前だよ』と言いたい。『うち強いから当然ですよ』って言いたいんです」

 実際、南葛SCは『勝って当たり前』と見られがちだ。有能な選手が集まり、環境も整備され、メディアの注目度も高いのがその理由だが、現実は2年連続で関東リーグ昇格を逃している。その現実も、東キャプテンは受け止めている。

「勝って当然というようなゲーム展開にならない時も、この先絶対来ると思います。でも、圧倒するのは何もスコアだけではないので。例えば試合前のアップや準備段階から“あ、南葛はやっぱり違うんだな”とか“これだけやっていればそりゃ勝つよね”と思わせることも圧倒することになるはずです。逆に、そのあたりから徹底していかないと、関東リーグへの昇格はすごく難しいと感じています」

 突き動かしているのは、ある“欲”だ。
「南葛SCに来た1年目、リーグ戦は圧倒してぶっちぎって優勝して。でも関東社会人サッカー大会で東邦チタニウムに負けた。すごく悔しくて、負けた試合の映像は未だに見たくないんです。なんでダメだったのか、その答えは僕の中ではまだ見つかっていない。そして、この年関東リーグ2部に昇格したのは、うちに勝った東邦チタニウムと東京都2位だったCriacao Shinjuku。この2チームはそろって今シーズンから関東リーグ1部に昇格しました。一方、南葛SCは昨シーズンもつまずいて東京都1部のまま。この違いはなんなのだろう、とずっと考えているのですが、こちらも答えは見つかっていない。きっと関東リーグに昇格しないと、昇格した人じゃないと分からないのかもしれません。見え方がまた違ってくると思うので」

 練習が再開されて、練習試合も再開されて、最初はバラバラだった各選手のコンディションも開幕に向け整ってくる。実感するのは、やはり南葛SCの選手たちの能力は高いということ。身体が動き始めれば質の高いサッカーができる。自粛期間中に島岡健太新監督のやろうとするサッカーの理解度を深めようと努力してきたぶん、とても魅力的なサッカーができる予感がある。

 でも、それでも100%関東リーグに昇格できるとは言い切れない。もちろん勝負ごとに絶対はないので当たり前だが、心のどこかで昇格に必要なピースを探し求めている自分がいる。求めずにはいられないほど、過去2年の経験はショッキングなものだったのだ。
 


「もし関東リーグに昇格しなければ南葛SCが過去2年勝ち切れなかった理由が分からないのだとすれば、今年どんな形であっても結果を出すしかない。これは僕に限らず、多くのメンバーが考えているはずです。この思いは南葛SCにしか持ちえない大事なもので。一方、メンバーも多く入れ替わっているので、僕はこの思いを結構発信しています」

 前回も述べたが、最優先すべきは「チームで試合に勝つ」こと。そのためにはたとえ嫌がられようが、言いづらいことだろうが言う。大変な役回りだが、それでも行動に移せるのは、過去2年の経験があるからだ。

「新チームになってから、練習中でもだらけている時はガツッと文句は言ってました。いいものはいい、だめなものはだめというシンプルな基準です。スタッフから言い過ぎと言われることもありますが、勝つためなら言います。もちろん、人として嫌われたいわけではないです。でもピッチの内と外で切り離して、ピッチ内で嫌われるぶんならいいと。そのぶん、ピッチを離れたらきちんとコミュニケーションをとってフォローしようと」

 しかし、「勝つために言う」回数は練習再開後減ったようだ。

「練習ができない期間があったことで、再開後はみんな集中しているように見受けられます。とても良い感じでやっているので、僕はどっちかというとガミガミ言うより、楽しくやっているのを見ていっしょに盛り上がるようにしてます」

 チームのことに思いを巡らせた緊急事態宣言下の約2か月間を経て、自身の思考が整理されたように見える。どのチームも未曾有の困難を味わった点は一緒だ。ではこの先、リーグ戦が始まってどこが抜け出すかといえば、その困難の中からいかにポジティブな要素を多く拾い上げたかがポイントになるのではないだろうか。となれば、前を向いている南葛SCキャプテンの思考はチームに追い風を吹かせるはずだ。

 2020年シーズンの東京都社会人サッカーリーグ1部は、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、当面の間はグラウンド非公開(無観客)で行なうことが決まっている。南葛SCは公式戦の模様をオンライン中継で伝えている。

「年々サポーターの数が増えてきていますが、一人ひとりの声がここまで届くんだといつも驚かされていて。みなさんの声はピッチの選手たちの耳に届くんです。遠くからでもいいので声援を送ってくだされば選手たちに届きますので、応援よろしくお願いします」
 例年より約4か月遅れ、7月19日から始まった2020年の東京都社会人サッカーリーグ1部は、8月10日までに第4節を終えた。南葛SCは2勝1分け1敗で暫定1位につけている(このシリーズ了)。

取材・文●伊藤 亮(フリーライター)

 昨年度に引き続き南葛SCのスポンサーを務めるKLab社は、『キャプテン翼』をモチーフとしたスマートフォン向け対戦型サッカーシミュレーションゲーム『キャプテン翼 〜たたかえドリームチーム〜』を2017年より配信している。そのKLab社が今年も南葛SCとのコラボレーションキャンペーンとして、南葛SCの公式戦の試合結果に応じて、『キャプテン翼 〜たたかえドリームチーム〜』のゲーム内アイテムをプレイヤーにプレゼントする。

 プレゼント内容は、7月20日に弊Webサイトでも既報の通りで、「勝利で夢球×5」「勝利以外でコイン×28,300」となっているが、これに加えて新キャンペーンも実施する予定。内容は、勝利の際に「夢球×5」と、さらに南葛SCが入れた得点分の夢球を配布するというものだ。南葛SCが勝利し、さらにできるだけ多くの得点が入れば、ゲームユーザーにとってもお得。ぜひ?リアル“南葛SCの戦いぶりに注目してほしい。

 また、KLab社では今後も南葛SCの公式戦の際に、来場者イベントなどを実施していく予定。こちらもお楽しみに。

https://www.tsubasa-dreamteam.com/

***南葛SC スケジュール&結果***

【東京都社会人リーグ1部】
Bブロック
■第1節:7月19日(日)
対 TOKYO UNITED+Plus(△1-1)

■第2節:7月26日(日)
対 三菱UFJ銀行サッカー部(〇7-1)

■第3節:8月2日(日)
対 東京23FC江戸川(〇2-0)

■第4節:8月9日(日)
対 FC N.(●1-2)
KICK OFF:9:30

■第5節:9月6日(日)
対 エリース東京
KICK OFF:18:45

■第6節:9月13日(日)
対 駒澤大学GIOCO世田谷
KICK OFF:18:45
 
■第7節:10月11日(日)
対 東京海上FC
KICK OFF:12:00

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