高校サッカー選手権、大会実施の方向に関係者も安堵。青森山田・黒田監督は「開催されると信じて取り組んできた」

高校サッカー選手権、大会実施の方向に関係者も安堵。青森山田・黒田監督は「開催されると信じて取り組んできた」

昨年度の選手権決勝は、青森山田と静岡学園が熱戦を演じた。写真:徳原隆元



 今年で99回目を迎える全国高校サッカー選手権。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、大会の実施が危ぶまれていたが、現状では開催の方向で動いている。

 8月22日にオンラインで行なわれたJFA、全国47都道府県のサッカー協会、高体連サッカー専門部のミーティングで、大会を実施することで合意。関係者によれば、報道があった通り、感染対策を万全にした上で実施する可能性が高いという。毎年11月3週目に開かれる組み合わせ抽選会はオンラインとなる予定で、12月30日の開会式と開幕戦は行なわい方向で調整している。

 一方でスケジュールや開催場所は例年通りの形で進めていく。大会は同31日から1回戦を開催。会場も東京、埼玉、神奈川、千葉の首都圏となる。ただ、観客については現在検討中。Jリーグ同様に5000人を上限とするのか、家族や学校関係者のみを受け入れるのか、もしくは無観客にするのか。詳細は今後決めていく形になる。また、出場チーム全員へのPCR検査も検討しており、宿泊形態も含めてガイドラインを策定していく予定だ。

 今年は夏のインターハイが中止。高校生たちは憧れていた夢舞台を予期せぬ事態により奪われた。選手たちに話を聞いても、気持ちを切り替えて気丈に振る舞う一方で、「選手権があると信じているけど、モチベーションの維持が難しい」と異例のシーズンに難しさを口にする者も少なくない。そうした状況下での開催は子どもたちにとって希望となるのは確かだろう。

 今後はリーグ戦と並行しながら、選手権予選に備えていく流れとなる。

 今年度はU-18高円宮杯プレミアリーグが開催中止、各地域の大会も開幕延期となったが、新たなレギュレーションでリーグ戦を8月下旬からスタートさせた。トップのカテゴリーは移動を最小限に留め、プレミアリーグ勢を各地域のプリンスリーグに組み込む1年限定の新たなリーグを編成。(プレミアリーグ組が参加する東北、東海、関西、九州はスーパープリンスリーグ。プレミアリーグ組が参加しない北海道、北信越、四国は従来のプリンスリーグ。関東はチームの数の関係でプレミアリーグとプリンスリーグに分けて実施)。各都道府県のリーグも再開しつつある。その中で選手権の地区予選はすでに始まっており、首都圏でも9月6日に埼玉の1次予選が幕を開ける予定だ。

 選手権開催の方向性が示され、チーム関係者や選手たちも安堵の表情を浮かべている。昨年度大会で準優勝を納めた青森山田の黒田剛監督も、8月30日のスーパープリンスリーグ開幕戦後に想いを口にした

「選手たちは選手権を戦うために日々頑張ってきたし、開催されると信じて取り組んできた。できることならば、観客を入れて特別な雰囲気の中で試合をやらせてあげたいので、(感染対策を最優先した上で)可能な限りで従来の形に近づいて欲しい」

 新型コロナウイルス感染拡大の収束は見通せておらず、予断は許さない。最大限の注意を払いながら、冬の祭典に向けて準備を進めていく。

取材・文●松尾祐希(フリーライター)
 

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