【浦和|前半戦通信簿】ブラジル人FWがチームMVPで、ボランチの成長株も評価!一方でエースの興梠は不甲斐なし…

【浦和|前半戦通信簿】ブラジル人FWがチームMVPで、ボランチの成長株も評価!一方でエースの興梠は不甲斐なし…

浦和の出場全28選手と監督のパフォーマンスを振り返る。(C)SOCCER DIGEST



 浦和レッズは9月20日、J1リーグの全34節中17試合を消化した。開幕から4試合負けなしと上々のスタートを切った一方で、思わぬ大敗を喫した試合もある。折り返し地点を迎えた今、前半戦を振り返り、チーム全体、リーグ戦に出場した全選手、監督のパフォーマンスを評価していく。

※評価は10点満点で、6点を及第点とする。

●チーム評価
前半戦成績(17試合消化時点)
浦和レッズ
8位/勝点27 8勝3分6敗(24得点・31失点)

5/10点
 2月の湘南戦で見せたアグレッシブな戦いが、7月の再開後は鳴りを潜め、ベタ引きの試合が続いた。代名詞でもあった3バックシステムを捨て4−4−2を導入した初年度とはいえ、個人技に頼りがちで、戦術の構築に予想以上の時間がかかっている印象。内容が悪くても粘り強く勝点を拾い8位につけているのは評価できるが、目標である「来季ACL出場権と得失点差+二桁」は現実的に難しい。

●リーグ戦出場全26選手の評価
【GK】
1 西川周作
17試合・31失点
5/10点
 2節の横浜戦や4節の鹿島戦など、再開当初はスーパーセーブを連発して完封に導いていたものの、徐々にトーンダウン。調子にムラがあり、9節の名古屋戦では悔しい6失点を喫した。
 
【DF】
2 マウリシオ(途中退団/ポルティモネンセへレンタル移籍)
2試合・0得点
1/10点
 5節のFC東京戦と6節の柏戦でフル出場するも、いずれもあっけなく敗戦。7月中旬からはほとんどベンチに入ることもなくなり、存在感を失っていった。夏にポルティモネンセへとレンタルで放出される。

4 鈴木大輔
3試合・0得点
2/10点
 7月の再開からベンチ外が続く。7節の横浜FC戦で上々のプレーを見せたものの、9節の名古屋戦では失点に直結するミスを立て続けに犯し、それ以降は出番を失った。副キャプテンを任されるほどの実力者だけに、奮起に期待したいところだ。

5 槙野智章
12試合・1得点
7/10点
 昨季までは不動の存在だったが、再開から出番がなく、一時は事実無根の負傷説まで流れる。それでも7節の横浜FC戦で好パフォーマンスを見せると、それ以降は先発の座に定着。持ち前の粘り強いディフェンスと熱い闘志を見せ、健在ぶりをアピールした。
 

6 山中亮輔
15試合・0得点
5/10点
 序盤はパワフルかつ正確無比な左足が強力な武器となっていたが、中盤戦からは、そう多くの得点につながっていない。むしろ守備面の拙さのほうが目につき、スタメンから外れる試合も見られる。まさに諸刃の剣。

20 トーマス・デン
13試合・1得点
8/10点
 中断期間中にフィットすると、恵まれた身体能力を活かしてクロスを撥ね返し、守備に安定感をもたらしたオーストラリアU-23代表キャプテン。8月の月間ベストゴールに選ばれた12節・神戸戦のキャノンショットは前半戦のハイライトのひとつだ。

26 荻原拓也(途中退団/新潟へレンタル移籍)
1試合・0得点
1/10点
 トップ昇格3年目でチームの力になりたいという気持ちを前面に押し出して臨んだシーズンだったが、出場は8節の清水戦でのわずか25分と苦しい時期を過ごした。「必要とされる選手になって必ず戻ってくる」と誓い、夏に新潟へと武者修行に出る。
 
27 橋岡大樹
15試合・1得点
8/10点
 9月に入ってやや疲労が見えたものの、それまでコンスタントに安定した力を発揮していた点は評価に値する。とりわけ技術面の進歩は顕著で、狭い局面でもボールを簡単に失わなくなり、クロスの精度も向上した。

28 岩武克弥
7試合・0得点
4/10点
 8月後半から徐々に出番を増やし、15節の鳥栖戦、16節の札幌戦で2試合連続先発出場。運動量は多いものの、ポジショニングを含むリスクマネジメント、クロスの精度といった技術的な課題は多い。今後、実戦経験を積みながら、飛躍を遂げたい。

31 岩波拓也
7試合・0得点
6/10点
 7月の中旬までは堂々としたパフォーマンスでレギュラーの座を掴んでいたものの、槙野の先発復帰により出場機会を減らした。それでも試合に出れば、対人戦の強さと上質なフィードを披露して、9月中旬から再び出番を増やしている。
 

【MF】
3 宇賀神友弥
4試合・0得点
3/10点
 怪我に悩まされた半年間に。開幕前から故障で出遅れると、夏に再び怪我を抱え戦列を離脱。10節の広島戦、11節のG大阪戦で気の利いたプレーで連勝に貢献し、評価を高めていただけに、残念だった。

7 長澤和輝
11試合・0得点
4/10点
 左サイドハーフでは相手SBのマークに、ボランチでは潰し役に――。器用になんでもこなせてしまうせいで、今季はどちらかと言えば守備的な役割を担う。テクニックは高いはずだが、それを見せる機会は限られてしまっている。

8 エヴェルトン
13試合・2得点
7/10点
 中盤で効果的な仕事を数多くこなし、陰でチームを支える。鋭い寄せでボールホルダーへと圧力をかけたり、スペースを素早く埋めたり、さらには4節の鹿島戦、7節の横浜FC戦ではゴールまで奪った。

10 柏木陽介
5試合・0得点
5/10点
 パスセンスはやはりチーム随一で、攻撃のリズムを変えられる貴重な人材。対戦相手とのバランスでメンバー外となる試合も少なくないが、ボールを持てばアクセントとなる。ただサイドハーフでは守備のタスクも多く、決定的な仕事は少ない。

11 マルティノス
7試合・0得点
3/10点
 途中起用された5節のFC東京戦まで結果を出せずに、その後長らく試合に絡んでいなかったものの、久しぶりに起用された16節の札幌戦でアシストを記録。独りよがりなプレーが目につくが、復調に期待したい。
 
13 伊藤涼太郎
2試合・0得点
2/10点
 6節の柏戦と7節の横浜FC戦で途中出場し、計34分でプレーも、それ以外では出番なし。ライバルの多いFWやサイドハーフのポジションでレギュラー争いに食い込めないでいる。

16 青木拓矢
13試合・0得点
4/10点
 攻守の両局面でチームのバランスを取れる実力者ではあるが、今年はやや乱調気味。パスやトラップなど細かいミスが散見され、ピンチを招くシーンも少なくない。安定感を取り戻したい。

24 汰木康也
14試合・0得点
5/10点
 序盤戦では、圧巻のドリブルで敵陣を切り裂き、決定的な仕事を果たしていたものの、次第に対策されると出番を減らしていき、気づけばベンチ要員に。ボールを持てば期待感を抱かせるドリブラーが先発に戻るには、数字を残す他ないだろう。

29 柴戸 海
17試合・1得点
9/10点
 このプロ3年目のボランチの台頭が、上半期一番のサプライズとも言える。チーム随一の運動量で中盤の広範囲を動き回りボールを刈り取る能力を、指揮官から高く買われ多くの出番を得る。攻撃時のポジショニングやパス精度はまだまだ課題が残るが、さらなる成長に期待したい。

39 武富孝介
3試合・0得点
2/10点
 7月末に怪我から復帰すると、8節の清水戦から3試合連続で出場。しかし、これといったインパクトを残せず再びメンバーから外れる羽目に。先発を飾った9節の名古屋戦でせめて見せ場のひとつでも作りたかった。

41 関根貴大
17試合・2得点
6/10点
 開幕戦では躍動も、その後は出場しながらも、うだつのあがらない時期を過ごす。ただ徐々に調子を上げつつある印象で、サイドを切り込みチャンスメイクする場面が増えている。後半戦では、崩しの切り札となれるか。
 

【FW】
9 武藤雄樹
12試合・2得点
6/10点
 満足のいくほどの出番は得られていないものの、ピッチに立てば、献身的で積極的な姿勢が目を引く。FWで出ればレオナルドとの良好な関係を築き、サイドハーフでは攻守に走り回る。もっと出番を得られてもいいはずだが。

12 ファブリシオ(途中退団/ポルティモネンセへレンタル移籍)
2試合・0得点
1/10点
 いずれも先発起用された3節の仙台戦と6節の柏戦で結果を残せなかったのは痛恨。サイドハーフではなかなか持ち味を出せず、試合から消える時間帯も多かった。8月にマウリシオとともにポルティモネンセへレンタル移籍。

14 杉本健勇
16試合・2得点
4/10点
 身体を張ったポストワークや前線からのプレッシングなど“汚れ役”を担い、チームに貢献した。ただ、毎試合チャンスを得ながらも、ようやくリーグ初得点が生まれたのは16節の札幌戦だった。ここから波に乗れるか。
 
30 興梠慎三
13試合・3得点
3/10点
 レオナルドとの関係を意識しつつ、ゲームメイクにも尽力と、本来の仕事である得点以外にも様々な負担を抱えてプレーしているせいで、物足りない出来に終わる試合が多い。8年連続二桁得点中の実力を考えれば、厳しく評価せざるを得ない。このエースの復調こそが、チームの浮上のきっかけになるはず。

45 レオナルド
16試合・9得点
9/10点
 7節の横浜FC戦から5試合連続ゴールで一気に得点王争いに名乗りを上げたブラジル人ストライカー。豪快かつ冷静なフィニッシュワークは称賛に値するレベルで、この得点源の個人能力で勝点をもぎ取った試合は少なくない。前半戦のチーム内MVPに挙げたい。

【監督】
大槻 毅
4/10点
 開幕前から「攻守で主体的なサッカー」を目指すも、やや消極的なスタンスが見て取れる。地道に戦術を上積みしようと試みるも、「本来はもっとボールを握りたい」という理想には、まだほど遠い。それよりも選手のコンディション管理に手間取っている様子で、戦況をガラリと変えるような采配は少なかった。将来を見据えれば、高卒ルーキーの武田英寿を起用するなど、大胆な抜擢も見てみたい。

取材・文●多田哲平(サッカーダイジェスト編集部)

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