“リアル南葛SC”のサポーターとスポンサー。自発的な活動で支える地元の仲間たちと描くクラブの未来

“リアル南葛SC”のサポーターとスポンサー。自発的な活動で支える地元の仲間たちと描くクラブの未来

『キャプテン翼』原作者の高橋陽一先生の母校・四ツ木小学校でのイベントのひとコマ。写真提供:南葛SC




 クラブとして必須となる「地域密着」。地道で時間がかかり、かつ広範な活動を粛々と続ける南葛SCだが、そんな姿に感化されたのだろうか、自発的に支えてくれる存在がいる。

 ファン・サポーターやスポンサー企業。クラブが成長する要素として欠かせない彼らの存在が、南葛SCにとっても大きな力を与えてくれている。明るく楽しく、ともに盛り上がりながらクラブを地元に浸透させていく。

 きっと現在、Jリーグに所属するどのクラブも経験してきたであろう道のりの南葛SCバージョンとは、いかなるものか。前回に続き、田山義高GM補佐と社員でもある佐々木竜太選手に、活動の最前線を教えてもらった。

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「地域を盛り上げたい」。南葛SCは純粋な心意気で地域活動を加速させている。ただ、今年から社員選手を3名雇いマンパワーを増強させているとはいえ、オファーにくまなく応えらえるほどの体制が完全に整ったとはまだ言い切れない。今はコロナ禍によって活動が停滞しているとはいえ、地元で存在感が増し、関係性が広まり深まる今後、あらゆる案件が急増する可能性は高い。

 そこでありがたいのが、ファン・サポーターの存在だ。田山GM補佐が感謝を口にする。
「やはり下町人情なのか…サポーターの方々にすすんで手助けしていただけているのは本当にありがたいことで。自分たちのクラブと思ってくださっているんだと思います。クラブ職員とかサポーターというのは関係なく、垣根なしでやらせていただいています」

 今シーズンは非公開の試合が続いているので聞くことはできていないが、昨シーズン後半から南葛SCの選手たちのチャントが登場した。数々の横断幕を含め、これらはサポーターが自発的に作成したものだ。さらに、地元ラジオ「かつしかFM」の番組にも登場しクラブの魅力を語ってくれる。

「手分けして街中にポスターを配ってもらったり、昨シーズンなんかホームゲーム用のチラシを会場に来た方に配っていただいたり。試合日の人手が足りない僕らからすると本当に助かります」

 クラブが成長していく過程で、サポーターによる支援をなしに語れないという話はよく聞くが、南葛SCも例外ではない。そして人と人が近い下町の人間関係よろしく、サポーターと選手の距離感も近い。

 クラブの仕事ではアイデアマンとして活躍する選手社員の佐々木竜太が開催したイベントについて話してくれた。
「新型コロナの自粛期間中に2度ほど、インスタグラムとズームでファンミーティングを開催しました。公式ホームページで告知して、先着順にするなど条件がありましたが、選手も数名参加して。それぞれ1時間くらい話しました。僕は裏方に徹していたんですけど。“初デートに着ていく格好”をドレスコードにしたんですが、ズームとかだとバストアップしか映らない(笑)。あれは失敗でした」

 自粛期間中はリフティングシーンで動画を?ぐ「南葛SC #StayHome 特別動画」にサポーターも出演(https://www.youtube.com/watch?v=JrdIZOMA8DQ)。微笑ましい動画は、選手・スタッフとサポーターが南葛SCというクラブを介して親密につながっている証だ。
「南葛SCを自分のクラブと感じてくださっているからこそでしょうが、サポーターの方々との関係性は今後も変えずにいきたいですね。もしカテゴリーが上がってクラブ規模が拡大したとしても」

 田山GM補佐の言葉は本音だろう。


 クラブと親密な関係を築いているのはファン・サポーターとだけではない。地元企業との関係もまた密接だ。現在、南葛SCにつくスポンサーの数は約40。東京都社会人サッカーリーグ1部のクラブにあってこの数字は驚異的だ。もちろん世界的知名度を誇る『キャプテン翼』に関わるスポンサーも少なくないが、地元企業のスポンサーも少なくない。もっとも、ここでは「スポンサー」というより、「パートナー」といった方がふさわしいかもしれない。田山GM補佐が話す。

「アプローチは地元企業を中心に、という意識はあります。選手社員が営業するにしても練習時間や場所との関係上、地元を中心にという考えもあります。一方で、コラボ企画などを地元で恒常的にやろうとしています」

 たとえば南葛SCとコラボしたウォーターサーバーが試合会場などに置かれる。南葛SC応援自販機が地元に設置される。これらは既に実現している案件だが、企業側にとっては地元でのイメージアップにつながり、クラブ側にとっては知名度のアップにつながる。地元であるからこそ、その効果は大きくなる。

どちらかにメリットが偏ることなく、利害が一致する。自身のメリットと互いのメリットと地元への貢献。ともに歩みを進めるという仲間意識という点ではもはや「パートナー」だ。

「商工会議所には、株式会社南葛SCとして昨年入会しました。東京商工会議所の葛飾支部です。パートナー企業になってもらえたら嬉しいですが、それよりもまずは地元の財界の方々にも知ってもらいたい。青年部は若い方も多いのでサッカーに興味がある方がいるかもしれない。ただ、無理に働きかけはしません」

 パートナー企業を探すのはクラブ運営にとって死活問題だ。だが、そのために商工会議所に入ったわけではない。地元との関係を深めるという二重の意味が込められているのだ。

 南葛SCとともに地元を盛り上げようという気運は間違いなく高まっている。それが40というパートナーの数にも表われている。ただ圧倒的に中小企業が多い土地柄、企業名を入れる枠を作るのに一苦労だ。

「ユニホームと練習着、ジャージだけでなく、営業活動用のシャツも作りました。各企業さんの名前をユニホームに入れるとなるとどうしても希望額が高くなってしまう。お互い無理なく、そしてたくさん入れられるように工夫をこらしているところです」
 

 地域活動とファン・サポーターとの交流、そして企業とのパートナーシップ。今でも多くの案件が動き、今後さらに増えていくことは目に見えている。だが正直、これまでの活動が目に見えて効果をているとは、まだ感じられない。

「これからカテゴリーがひとつ、ふたつと上がっていった時に、初めて効果が目に見えてくるのではないかと。“どこかで聞いたことのあるクラブがいよいよ上がって来たな”と思ってもらえるように」

 葛飾区の人口は約46万人。田山GM補佐の頭の中には今後の道筋と、見たい風景がある。
「葛飾区に住むほとんどの方が興味を持つイベントといったら選挙くらいでしょう。だから老若男女問わず、趣味を問わず、区内に住んでいる人にくまなくアクセスしていくには、なにかひとつ大きなことをするのではなくて、小さく細かくてもいろんな活動をしていかなければなりません。ホームの奥戸総合スポーツセンターの陸上競技場のバックスタンドにも人が入るようになれば。現状、メインのスタンドは埋まるようになりましたが、バックの芝生席に子どもと戯れながら試合を観戦するファミリーが広がってくれたら。その時はかなりの手応えを実感できると思います」

 Jリーグを目指すクラブとして、カテゴリーを上げていくことは大事だが難しい。一方で、地元密着を実現させるのも同じくらい大切で難しい。いま撒き続けている種はいつ、どのような花を咲かせるのか……。“その時”が楽しみだ。
(文中敬称略)
※このシリーズ了

取材・文●伊藤 亮

 昨年度に引き続き南葛SCのスポンサーを務めるKLab社は、『キャプテン翼』をモチーフとしたスマートフォン向け対戦型サッカーシミュレーションゲーム『キャプテン翼 〜たたかえドリームチーム〜』を2017年より配信している。そのKLab社が今年も南葛SCとのコラボレーションキャンペーンとして、南葛SCの公式戦の試合結果に応じて、『キャプテン翼 〜たたかえドリームチーム〜』のゲーム内アイテムをプレイヤーにプレゼントする。

 プレゼント内容は、7月20日に弊Webサイトでも既報の通りで、「勝利で夢球×5」「勝利以外でコイン×28,300」となっているが、これに加えて新キャンペーンも実施する予定。内容は、勝利の際に「夢球×5」と、さらに南葛SCが入れた得点分の夢球を配布するというものだ。南葛SCが勝利し、さらにできるだけ多くの得点が入れば、ゲームユーザーにとってもお得。ぜひ?リアル“南葛SCの戦いぶりに注目してほしい。

 また、KLab社では今後も南葛SCの公式戦の際に、来場者イベントなどを実施していく予定。こちらもお楽しみに。

***南葛SC スケジュール&結果***

【東京都社会人リーグ1部】
Bブロック
■第1節:7月19日(日)
対 TOKYO UNITED+Plus(△1-1)

■第2節:7月26日(日)
対 三菱UFJ銀行サッカー部(〇7-1)

■第3節:8月2日(日)
対 東京23FC江戸川(〇2-0)

■第4節:8月9日(日)
対 FC N.(●1-2)
KICK OFF:9:30

■第5節:9月6日(日)
対 エリース東京(〇3-1)
KICK OFF:18:45

■第6節:9月13日(日)
対 駒澤大学GIOCO世田谷(〇4-0)
KICK OFF:18:45
 
■第7節:10月11日(日)
対 東京海上FC(〇4-0)
KICK OFF:12:00

Supported by KLabGames

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