「すでに話をしている」香川真司のボタフォゴ移籍は本田圭佑のアイデア? ブラジル人記者が“キーパーソン”を直撃!【現地発】

「すでに話をしている」香川真司のボタフォゴ移籍は本田圭佑のアイデア? ブラジル人記者が“キーパーソン”を直撃!【現地発】

ボタフォゴ関係者の話では、香川(左)の獲得は本田(右)の進言によるものだという。 (C) Getty Images



 本田圭佑の所属するボタフォゴに香川真司が移籍するかもしれない。数日前からこんなニュースがブラジル・メディアを沸かせている。
 
 結論から言うと、この移籍はかなり難しいだろう。香川自身はスペイン、もしくはヨーロッパでのプレーし続けることを望んでいるし、ご存知の通りボタフォゴは財政難。所属選手への支払いも滞っている状況だから、香川の年俸を払うのは難しいだろう。

 しかし、それでもまだ可能性の扉がすべて閉ざされたわけではないのには、いくつかの理由がある。

 今回の移籍話でボタフォゴが唯一出した公式コメントは「我々は直接、香川とは交渉をしていません」というものだ。では、交渉をしているのはいったい誰なのか。
 
 ここに登場するのがキーパーソンのマルコス・レイテという人物だ。ほかでもない本田を、そしてその後にサロモン・カル―をブラジルに連れてきた張本人でもある。今回、私は彼に話を聞くことができた。

「香川がサラゴサとの契約を解除したというニュースが流れて数日後には、すでに彼の代理人と話をしたよ」

 レイテはそう語る。ボタフォゴは沈黙を守っているが、彼に白紙委任状を渡したようなものだろう。

 レイテは同時にスポンサー探しもしているという。もし香川がボタフォゴ行きに興味を示した時に、スポンサーがあれば給与の話も潤滑に進むだろう。ただ契約前に見つからなくてもそれは大きな問題でないと、かなり楽観的だ。

「本田だけの時は、確かに大きなスポンサーは見つからなかった。しかし本田と香川のそろい踏みとなれば、注目度は非常に高くなる。話が決まればスポンサーは必ず見つかるだろう。日本の企業もきっと興味を持ってくるはずだ」

単に卵が先か鶏が先かの話だというのである。

 今、ボタフォゴのサポーターの間では“香川をボタフォゴに”#KagawaNoFogaoが盛り上がっている。

 ツイッターのトレンドワードに3回も入ったほどだ。実はこの種を播いたのもレイテである。彼は自分のSNSに「香川はボタフォゴの手の届く夢である」と書き込み、それを見たサポーターが騒ぎ始め、ついにはキャンペーンを張るまでにいたったのである。本田の心を動かしたフォガオ(ボタフォゴのサポーター)たちの力を、彼は当てにしたのである。

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 そしてこれはボタフォゴのスタッフの一人に聞いた話だが、本田自身も香川とすでに直接話をしているようである。いや、香川獲得の最初のアイデアをレイテに告げたのは、実は本田ではないかと言う見方も強まっている。

 現在ボタフォゴの順位はあまりよくないし、本田自身もパフォーマンスに波がある。そこに旧知の香川が加入すれば、追い風となるだろう。ブルーノ・ラザロニ新監督になって以来、本田は以前よりもポジションを前方に移した。日本代表の時と同じように、再び2列目でコンビを組むことができる。今のボタフォゴには、まさに香川のような選手が必要なのだ。
 
 香川はブラジルでは非常に良い印象を持たれている。これまでマンチェスター・ユナイテッドやドルトムントといった欧州の名門でプレーしてきた。そしてなにより、まだ31歳と十分にやれる年齢である。フォガオたちは夢を見ている。もう一人日本人をとサポーターが望むのは、本田がそれなりに評価されている証拠でもあるだろう。

 香川が本当にボタフォゴに来たいと思えば、道は自ずと開かれる。たしかに報酬はヨーロッパよりは下がるだろう。ただサポーターに望まれ、自分たちの力でブラジルの名門を復活させ、リベルタドーレス杯でプレーするというプロジェクトは、プロ選手として大きな魅力ではないだろうか。

 これまで日本のクラブは、ブラジル人選手に助けられてきた。今ここで日本人選手がブラジルのクラブチームを助ければ、それはまさに歴史的な出来事である。
 
文●リカルド・セティオン
翻訳●利根川晶子

【著者プロフィール】
リカルド・セティオン/ブラジル・サンパウロ出身のフリージャーナリスト。
8か国語を操り、世界のサッカーの生の現場を取材して回る。FIFAの役員も長らく勤め、ジーコ、ドゥンガ、カフーなど元選手の知己も多い。現在はスポーツ運営学、心理学の教授としても大学で教鞭をとる。
 

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