J7で約40ものスポンサーを抱える“リアル南葛SC”。支援する理由から見えてくるクラブの魅力

J7で約40ものスポンサーを抱える“リアル南葛SC”。支援する理由から見えてくるクラブの魅力

インタビューに応じてくれたKLab社の大木プロデューサー。南葛SCの試合にも足?く通う。写真:田中研治




 Jリーグ参入を目指す「南葛SC」は、J1から数えるとJ7の位置に当たる東京都社会人サッカーリーグ1部に所属する。J7のクラブとしては、メディアへの露出は多く、知名度、注目度は高い。しかし、カテゴリ上位のクラブに比べれば、その度合いが等しいとは言えない。

 そんな南葛SCに現在、約40ものスポンサーがついている。数ある選択肢のなかから、なぜこれほど多くの企業・組織が南葛SCのスポンサーになったのか。もちろんクラブ側からセールスを受けたことは事実だろう。だが、そこには費用対効果だけでは考えられない理由があるはずだ。そして、その理由を紐解くことで、南葛SCというクラブの魅力が見えてくる。

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 南葛SCをスポンサードする理由の第一に挙げられるのが「地域密着」だ。

「弊社の運営店舗が葛飾区にあり、様々な地域貢献をしたいという思いから、地元でJリーグ加盟を目標にしている南葛SCを支援、応援することで地域貢献にも繋がると考えました」

 こう語るのは、2015年シーズンから南葛SCのユニホームの左袖にロゴが入っている「プライム薬局」だ。東京都本郷に本社を置く株式会社プライム。東京、神奈川、千葉、埼玉など、関東一円にプライム薬局を展開している。その支店が亀有にある。薬局は地域に不可欠なものであり、そのぶん地元との密着度が高い。

「南葛SCは、葛飾区からJリーグへ!を合言葉に、地域に根差した活動をしており、その存在が地域振興に大きく寄与しています」

 この点は、サッカーと薬局と形は違えど、姿勢は重なる。南葛SCのユニホームにロゴがつくことで、自社の姿勢をチームが代弁していると考えることもできるのだ。

 同じく2018年シーズンから、ユニホームの背中下には「KLab」のロゴが入っている。東京都・六本木に本社を据えるKLab株式会社は、アプリケーションなどを手掛けるIT企業。2017年6月に『キャプテン翼』のスマホ向けアプリゲームをローンチした1年後からスポンサーになった。大木啓彰プロデューサーは自身サッカー経験者であり、熱心なサッカーファン。だからこそ地元密着への意識も高い。
「個人的に好きなので、Jリーグの試合もよく観戦に訪れています。それで思うのは、地元のスポンサーでないとちゃんと応援している空気が伝わらないのではないか、ということです」

 スポンサーについてくれるのは当然ありがたい。だが一方で、なぜその企業がスポンサードしてくれているのか、明確な理由が見えなければサポーターからすると疑問符がつき、認識はすれども、どこか微妙な距離ができてしまう。KLab株式会社の場合は『キャプテン翼』というコンテンツをきっかけに、同じ東京都23区内の南葛SCを応援するという理由が見える。
 


 第二の理由は「共感」だ。すでにJ1リーグに上り詰めたクラブではなく、これから上を目指す成長の過程をともに歩むことで、その過程にあるドラマやロマンを共有したいという思いだ。これは上位カテゴリのクラブにはない魅力である。しかも南葛SCの場合、今年の2月にJリーグ百年構想クラブになったことで、Jリーグ入りを決して夢物語でなく、現実の目標として内外に示したことが大きい。

 2020年シーズンより南葛SCユニホームの胸に入っている「miraire」のロゴ。株式会社MIRAIREは、東京都渋谷区に本社を置き、主にスマホ向けアプリケーションを手掛けるベンチャー企業だ。2020年10月に『キャプテン翼』の位置ゲームとなる「TSUBASA+」というスマホアプリをローンチした。『キャプテン翼』がきっかけになったことは間違いないが、南葛SCに共感してスポンサーになったことも間違いない。ちなみに、社名には“MIRAI”(未来)+“IRE”(歩く)という2つの想いが込められている。

「私たちもベンチャー企業ですが、日本だけではなく世界のユーザーが楽しめるようなゲームや、サービスを提供していくことを目標にしており、南葛SCの葛飾からJリーグを目指しているマインドにとても共感をもたせていただきました」
 というのが率直な理由だろう。

 先ほど登場したKLab株式会社の大木プロデューサーも同意見だ。
「我々では作りだせないリアルな喜びやリアルな感動がリアルなサッカーで生まれる。そしてその感動をサポーターやフロントの方々と共有しながらJリーグを目指していくプロジェクトに参加させてもらえるのは大きなメリットと考えました」

「世界と自分をワクワクさせろ」
 これは同社のミッションだ。大木プロデューサーは、まさにこのミッションを地で行く。なにせ、南葛SCのスポンサーとしてだけでなくサポーターとして、ホームはもちろんアウェーでの試合も現地を訪れているのだ。

「純粋に応援したいし、そう見られたいので現地に行っています。現地に行くと、本当に下町のアットホームな空気が伝わってきます。親子で観戦していたり、ヤジがいっさいない温かみもある。老若男女問わず、誰でも観戦しやすい環境です。『キャプテン翼』の登場キャラクターの格好をしたサポーターがいるところが独特で楽しいですよね」

 安田晃大に注目しているという大木プロデューサーは、ピッチからも刺激を受ける。
「どんな試合でも選手が一切手を抜かず全力でプレーしているというのが、私の印象です。今シーズンはコロナ禍で現地に行けていませんが、ネット中継を見る限り、より戦術的に戦えるようになっている。見ていて急成長を感じられるのはいちファンとして嬉しい限りです」

 集客数はJリーグほどではないとはいえ、独特のスタジアムの雰囲気だからこそ味わえる喜びもある。南葛SCの場合、ホームの奥戸総合スポーツセンターで試合が行なわれる場合は、試合前にスポンサーがアナウンスされる。その時に拍手してもらえるのがなによりの喜びだとか。

「温かく迎えてくれている感じが嬉しいんです。私がツイッターで発信しても、サポーターの方から好意的な反応がすごく多かったり。やはり下町独特の人と人の近さはあると思います」

 プライム薬局も「幅広い年齢層の方と出会えたこと」をスポンサーメリットとして挙げる。そして、「地元ラジオや試合会場で企業名を紹介、試合ユニホームに社名が入っていること」に温もりと誇りを感じている。人と人とのつながり、そして人の感情が生み出す熱量。やはりこれらは費用対効果だけでは測れない重要なメリットになっていると言えるだろう。

 ただ一方で、「地域密着」「共感」は南葛SCではないクラブにもある。次回は南葛SCにしかない「付加価値」について踏み込んでいく。

※後編につづく。次回は明日16日に公開します。

取材・文:伊藤 亮
 昨年度に引き続き南葛SCのスポンサーを務めるKLab社は、『キャプテン翼』をモチーフとしたスマートフォン向け対戦型サッカーシミュレーションゲーム『キャプテン翼 〜たたかえドリームチーム〜』を2017年より配信している。そのKLab社が今年も南葛SCとのコラボレーションキャンペーンとして、南葛SCの公式戦の試合結果に応じて、『キャプテン翼 〜たたかえドリームチーム〜』のゲーム内アイテムをプレイヤーにプレゼントする。

 プレゼント内容は、7月20日に弊Webサイトでも既報の通りで、「勝利で夢球×5」「勝利以外でコイン×28,300」となっているが、これに加えて新キャンペーンも実施する予定。内容は、勝利の際に「夢球×5」と、さらに南葛SCが入れた得点分の夢球を配布するというものだ。南葛SCが勝利し、さらにできるだけ多くの得点が入れば、ゲームユーザーにとってもお得。ぜひ?リアル“南葛SCの戦いぶりに注目してほしい。

 また、KLab社では今後も南葛SCの公式戦の際に、来場者イベントなどを実施していく予定。こちらもお楽しみに。


***南葛SC スケジュール&結果***

【東京都社会人リーグ1部】
Bブロック
■第1節:7月19日(日)
対 TOKYO UNITED+Plus(△1-1)

■第2節:7月26日(日)
対 三菱UFJ銀行サッカー部(〇7-1)

■第3節:8月2日(日)
対 東京23FC江戸川(〇2-0)

■第4節:8月9日(日)
対 FC N.(●1-2)
KICK OFF:9:30

■第5節:9月6日(日)
対 エリース東京(〇3-1)
KICK OFF:18:45

■第6節:9月13日(日)
対 駒澤大学GIOCO世田谷(〇4-0)
KICK OFF:18:45
 
■第7節:10月11日(日)
対 東京海上FC(〇4-0)
KICK OFF:12:00

■2ndステージ優勝決定戦 11月1日(日)
対 アストラ倶楽部(〇1[4PK2]1)
KICK OFF:16:30

■関東社会人サッカー大会1回戦 11月14日(土)
対 品川CC横浜(〇4-1)
KICK OFF:11:00

■関東社会人サッカー大会準々決勝 11月15日(日)
対 与野蹴魂会(〇5-1)
KICK OFF:11:00

■関東社会人サッカー大会準決勝 11月28日(土)
埼玉スタジアム2002第2グラウンド

■関東社会人サッカー大会決勝 11月29日(日)
埼玉スタジアム2002第3グラウンド


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