世界的コンテンツ『キャプテン翼』が付加価値に――クラブとスポンサーが互いに高め合う?with南葛SC“の理想的関係

世界的コンテンツ『キャプテン翼』が付加価値に――クラブとスポンサーが互いに高め合う?with南葛SC“の理想的関係

南葛SCを象徴する『キャプテン翼』。世界中にファンを抱える名作中の名作だ。写真:田中研治




 東京都社会人サッカーリーグ1部に所属する南葛SC。クラブには現在、40社以上のスポンサーがついているが、これほど手厚いサポートを受けるにはやはり、J1など上位カテゴリーのクラブにはない独自の魅力が必要だろう。

 そして、実際に南葛SCにはそれがある。
『キャプテン翼』――。サッカーファンで知らない人はいない世界的サッカーマンガが南葛SCの強力なブランドになっているのだ。

 今回はこの『キャプテン翼』がクラブとスポンサーにもたらすもの、関係性、そしてすでに動き出している新たな形を探っていく。

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 南葛SCにはあって、他のクラブにはないもの。それは『キャプテン翼』というコンテンツだろう。

 もはや説明も不要だが、1981年に週刊少年ジャンプで連載が始まり、それまでサッカー不毛の地と呼ばれた日本にサッカーブームを巻き起こし、アニメは世界に波及した。結果、当時『キャプテン翼』を見て育った世界中の子どもたちが、その後世界を代表する選手に成長した。ジダンやロナウジーニョといった往年の名選手だけでなく、メッシ、そしてエムバペと、現在の世界一流のスターに至るまで作品が継承されている点も見逃せない。彼らがまたメディア化した現在、さらに作品を広げる。『キャプテン翼』は想像以上に世界中で知られているのだ。

 その『キャプテン翼』の作者である高橋陽一先生が代表を務め、さらに主人公・大空翼が作品内で所属した南葛SCがリアルなチームとして存在している。結果として世界的なブランドと言える『キャプテン翼』が南葛SCに唯一無二の付加価値をもたらしているのだ。

 2017年にスマホ向けアプリケーション『キャプテン翼〜たたかえドリームチーム〜』をローンチし、世界で3000万ダウンロードを突破したKLab株式会社の大木啓彰プロデューサーは、作品の力もさることながら、南葛SCの広がりについても驚きを経験した。

「南葛SCというクラブ名が作品との親和性を高めていると思います。最近、我々のゲームのユーザーであるスペイン人が、南葛SCのツイッターを始めていました。南葛SCの公式ツイッターでのつぶやきをスペイン語に翻訳して投稿しているアカウントができているんです。たしかに、高橋先生が先頭に立ってJリーグを目指すという南葛SCの姿勢に、原作を疑似体験するようなロマンを感じるのは分かります」

 同じくスマホ向けアプリケーションで、現在世界37か国に『TSUBASA+』をローンチした胸ロゴスポンサーの株式会社MIRAIREも期待を寄せる。

「南葛SCは、『キャプテン翼』という世界的に有名なコンテンツが、サッカーファンとの架け橋になっている新しいサッカーチームという印象を持っております」

 前回の記事にあったように、『キャプテン翼』が南葛SCをスポンサードするきっかけになったケースは少なくない。一方で、スポンサーである企業が『キャプテン翼』を通して南葛SCの名前を世界に広げるきかっけになるケースもある。『キャプテン翼』を中心にクラブとスポンサーが互いを高め合う理想的な関係。これこそが南葛SCならではの魅力だろう。
 


 さらに注目すべきは、『キャプテン翼』を中心にクラブとスポンサーが互いを高め合う理想的な関係を、様々な形で拡大できることだ。

 たとえば『キャプテン翼〜たたかえドリームチーム〜』では南葛SCが試合に勝利すると「勝利ボーナス」としてガチャが回せる“夢球”が世界中の全ユーザーに付与される。こうすることで、サッカーに興味のなかったゲームユーザーも南葛SCの試合結果に注目するようになる。前述のスペイン人ユーザーの南葛SCアカウントの設立などがいい例だろう。

「もし我々がきっかけとなって南葛SCが世界に広がっているのだとしたら、とても嬉しいことです。本当は今シーズン、試合会場でも様々な企画を考えていました。コロナ禍で集客自体が望まれない状況下、企画は先送りになりましたが、状況が落ち着いたら試合会場に来てくれた方限定にアプリ内アイテムを配るといった企画で盛り上げていきたいです。今シーズン関東リーグに昇格が叶えば……なにか大きなボーナスを考えています」

 大木プロデューサー本人も楽しみにしているような話しぶりが微笑ましい。

 さらに南葛SCは今シーズンから選手、スタッフがSNS上での露出を増やすように努めるようになったが、そこでも企画を行なった。

「選手の方々にゲームをプレイしてもらって、感想をSNSでアップしてもらいました。みなさん想像以上にプレイしてくださったことが嬉しくて。今後はサッカー教室などもチームのみなさんといっしょにしてみたいと望んでいるんです」

株式会社MIRAIREの担当者も、
「先日、リリースさせていただいた『TSUBASA+』でも、南葛SCのサポーターの皆様から応援のメッセージをたくさんいただきました。あと、南葛SCの選手の方からも弊社のロゴがかっこいいと言っていただけて、そちらも嬉しかったです」
 と笑う。考え方ひとつで露出度を自分たちの手で増やすことができるのが現代。SNSを活用することで、クラブとスポンサー、互いのメリットを拡大することもできるのだ。

 さらに、南葛SCがつなげた縁で新たなビジネスチャンスが創出されるかもしれない。これもまた大きな付加価値だろう。KLab株式会社と株式会社MIRAIREはともに『キャプテン翼』のスマホ向けアプリケーションを開発する、いわゆる同業社。ビジネスの視点で見ればライバル関係だが、一方でともに南葛SCを応援する同志だ。では、純粋な同志として互いに歩み寄ったらどうなるか――。メリットは、明らかにそちらの方が大きい。

「ぜひ、先輩であるKLab様ともお互いのゲームを通じて『キャプテン翼』のファン、南葛SCのファン、サッカーファンがより楽しめるような新しい企画を行ないたいと考えております。特に、KLab様のゲームはグローバルでの人気が高いので、日本だけではなく世界を巻き込んだ施策とかもおもしろそうですね」

 株式会社MIRAIREの思いが結実すれば、また新しいビジネススタイルが生まれることになる。

 南葛SCがつなげる『キャプテン翼』とスポンサー企業との縁。今回はスポンサー3社に限っての取材だったが、南葛SCをスポンサードする企業・組織それぞれに“ならでは”の施策が眠っていることは間違いない。南葛SCを地元のサポーターとともに盛り上げ、成長していく歩みをともにし、さらにともにメリットを高め合っていく。そんな「with 南葛SC」の形が、徐々にできつつある。
(このシリーズ了)

取材・文:伊藤 亮
 昨年度に引き続き南葛SCのスポンサーを務めるKLab社は、『キャプテン翼』をモチーフとしたスマートフォン向け対戦型サッカーシミュレーションゲーム『キャプテン翼 〜たたかえドリームチーム〜』を2017年より配信している。そのKLab社が今年も南葛SCとのコラボレーションキャンペーンとして、南葛SCの公式戦の試合結果に応じて、『キャプテン翼 〜たたかえドリームチーム〜』のゲーム内アイテムをプレイヤーにプレゼントする。

 プレゼント内容は、7月20日に弊Webサイトでも既報の通りで、「勝利で夢球×5」「勝利以外でコイン×28,300」となっているが、これに加えて新キャンペーンも実施する予定。内容は、勝利の際に「夢球×5」と、さらに南葛SCが入れた得点分の夢球を配布するというものだ。南葛SCが勝利し、さらにできるだけ多くの得点が入れば、ゲームユーザーにとってもお得。ぜひ?リアル“南葛SCの戦いぶりに注目してほしい。

 また、KLab社では今後も南葛SCの公式戦の際に、来場者イベントなどを実施していく予定。こちらもお楽しみに。

***南葛SC スケジュール&結果***

【東京都社会人リーグ1部】
Bブロック
■第1節:7月19日(日)
対 TOKYO UNITED+Plus(△1-1)

■第2節:7月26日(日)
対 三菱UFJ銀行サッカー部(〇7-1)

■第3節:8月2日(日)
対 東京23FC江戸川(〇2-0)

■第4節:8月9日(日)
対 FC N.(●1-2)
KICK OFF:9:30

■第5節:9月6日(日)
対 エリース東京(〇3-1)
KICK OFF:18:45

■第6節:9月13日(日)
対 駒澤大学GIOCO世田谷(〇4-0)
KICK OFF:18:45
 
■第7節:10月11日(日)
対 東京海上FC(〇4-0)
KICK OFF:12:00

■2ndステージ優勝決定戦 11月1日(日)
対 アストラ倶楽部(〇1[4PK2]1)
KICK OFF:16:30

■関東社会人サッカー大会1回戦 11月14日(土)
対 品川CC横浜(〇4-1)
KICK OFF:11:00

■関東社会人サッカー大会準々決勝 11月15日(日)
対 与野蹴魂会(〇5-1)
KICK OFF:11:00

■関東社会人サッカー大会準決勝 11月28日(土)
埼玉スタジアム2002第2グラウンド

■関東社会人サッカー大会決勝 11月29日(日)
埼玉スタジアム2002第3グラウンド

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