【浦和】一体、クラブはどこを向いているのか。さまざまな疑問が沸き上がる監督人事

【浦和】一体、クラブはどこを向いているのか。さまざまな疑問が沸き上がる監督人事

今季限りでの退任が発表された大槻監督。4-4-2システムの導入で改革を試みたが、目標のACL出場権獲得は絶望的に。(C)SOCCER DIGEST



 11月25日、J1浦和から大槻毅監督の今季限りでの退任が発表された。

 リリースで大槻監督は「我々の目の前にはまだ4試合、大切な試合があります。まずはその試合に向けて、私に課せられた仕事を全うさせていただきます」と意気込みがあった。

 同日、公開練習後、オンライン会見に出席した主将・西川周作は「(退任の)発表があったから負ける姿や負け続けるとか、そういった姿は絶対に見せたくないと監督が話した。逆に僕らは勝つ姿を見せたい」と一戦必勝を誓った。

 大槻監督は2018年4月、堀孝史監督の解任後、新監督決定までの約1か月間、暫定監督として指揮を振るい、翌年5月、オズワルド・オリヴェイラ監督の契約解除を受け、再就任。ACL準優勝に輝いた一方、リーグでは14位に低迷した。

 今季はクラブ強化部の刷新を受け「強くて魅力ある攻撃サッカー」「浦和を背負う責任」などのコンセプトの下、陣容を鑑み、布陣を3バックから4−4−2に変更。相手陣内に押し込み、手早く迫る堅守速攻のサッカーを目指した。
 
 開幕戦となったルヴァンカップ、ホームで仙台に5−2で圧勝。続くリーグ開幕アウェー湘南戦では3−2で勝利するなどチームコンセプトと実際のサッカーが見事にマッチ。期待は高まったが、リーグ再開後、過密日程と選手のコンディション、加えて戦術と個人能力との足並みが揃わず、不安定な戦いが続いた。

 6節・柏に0−4。9節・名古屋に2−6。14節・C大阪に0−3。17節・川崎に0−3と大量失点が目立ち、さらに19節・横浜FC、FC東京、名古屋と3連敗。その後、チームは6戦負けなしと安定したものの、直近5試合は1勝2分2敗。30試合消化時点で13勝6分11敗、勝点「45」の暫定9位につけている。

 今回のリリースを見る限り、立花代表から2度も“火中の栗”を拾った指揮官への労いはあったが退任の理由、経緯は一文字も書かれていない。

 しかし要因は目標に掲げた来季ACL出場権獲得がほぼ不可能となったからだろう。

 そのなか今月20日の会見で大槻監督はこんなことを話している。

「クラブの発展、成長、勝利に貢献できるのならば、監督は誰がなっても構わない。僕が(監督を)やる、やらないというわけではない」。

「3年計画が独り歩きするかもしれないが今季の目標は設定されている。目標を達成できる、できないはクラブがジャッジする。大事なのは自分たちを信じて、このクラブを信じて、信念をもって仕事をするか、そのことだけ」

 クラブへの忠誠心が感じられるとともに、この時点で退任を覚悟していたか、すでにクラブから言い渡されていたと想像できる。
 
 退任発表の一方で各紙一斉に次期監督にJ2徳島のリカルド・ロドリゲス監督と報じた。「候補」「一本化」「内定」とトーンの違いはあるが有力候補には間違いない。

 ただ問題は何故、ロドリゲス監督なのかだ。

 クラブは3年計画1年目を「チームコンセプトに沿ったベースを築く重要な年」としたが、ベースを活かせる人材なのか? 仮にロドリゲス監督になった場合、徳島では3バック主体。来季、浦和は3バックに戻るならば、この1年はいったい何だったのか? 同じ布陣、同じ志向を持ちうるロティーナ監督に白羽の矢を立ててもよいものだが……。そもそも土田尚史スポーツダイレクターが休養の最中、監督、選手の生殺与奪権は誰が持つのか? さまざまな疑問が沸き上がる。

 一体、クラブはどこを向いているのか、手腕が問われるシーズンオフとなる。

取材・文●佐藤亮太(レッズプレス!!)
 

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