「オサスナを選んでいれば…」レアル番記者が指摘した久保建英の“誤算”。「マドリーにもビジャレアルを勧めた負い目がある」【現地発】

久保建英はビジャレアルで地位を確立できず誤算か 冬の移籍市場で再移籍する抜け道も

記事まとめ

  • ビジャレアルはホームにレアル・マドリーを迎えたが久保建英の出場は数分間に留まった
  • ビジャレアルにおいて久保の立ち位置は2番手的な位置づけでスタメン出場は厳しいよう
  • 今冬の移籍市場で再移籍するという一つの抜け道が存在するが、現実味は薄いという

「オサスナを選んでいれば…」レアル番記者が指摘した久保建英の“誤算”。「マドリーにもビジャレアルを勧めた負い目がある」【現地発】

「オサスナを選んでいれば…」レアル番記者が指摘した久保建英の“誤算”。「マドリーにもビジャレアルを勧めた負い目がある」【現地発】

ここまでリーガではスタメンが1試合しかない久保。(C)Mutsu FOTOGRAFIA



 ラ・リーガ第10節、ビジャレアルはホームにレアル・マドリーを迎えた。タケ・クボ(久保建英)にとっては保有元のクラブとの対戦で、当然、モチベーションは高まっていたはずだが、出場はラスト数分間にとどまった。

 相手GKとの1対1の場面で得点を決めていればヒーローになるチャンスもあったが、この一戦でタケがベンチスタートとなるであろうことは当初から予想されていたことだった。実際、ヨーロッパリーグ(EL)では全試合に先発で出場しているが、ラ・リーガではスタメンに名を連ねたのは第7節のカディス戦の1度のみだ。

 ビジャレアルにおいてタケの立ち位置がバックアッパーというのは開幕から2か月余りを過ぎてもはや紛れもない事実になっている。ウナイ・エメリ監督はジェラール・モレーノ、パコ・アルカセル、モイ・ゴメスといった選手をより信頼し、タケは2番手的な位置づけだ。

 もちろんここから巻き返して定位置を奪うことは可能だが、ローテーションを好んで採用するエメリ監督の下では継続してスタメンに出場するのはなかなか難しいだろう。ラ・リーガ挑戦2年目を迎えるにあたり、「40試合スタメン出場」という青写真を描いていたタケにとっては誤算である。

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 周知のとおり、このオフ、タケの元には多くのクラブからオファーが届いていた。その中でタケはビジャレアルを選択した。もし過去に戻ることができれば――。そう考えたとしても不思議はなく、実際、親しい人間には、熱心に誘われ、本人も魅力を感じていたオサスナに移籍したほうが出場機会に恵まれていたかもしれないと漏らしたこともあるという。しかし言うまでもなくもう過ぎ去ったこと。タケはいまビジャレアルでプレーしている。それが現実だ。

 たしかに一つの抜け道が存在する。今冬の移籍市場で再移籍することだ。ただいくらタケサイドが希望したとしても、すべてはビジャレアルの考え次第で、現時点では現実味は薄い。

 留意すべきは、バックアッパーとはいえ、タケは重要な戦力のひとりであること。それは前述したようにヨーロッパリーグでの起用法を見ても明らかだ。ラ・リーガでも同様の扱いを受けていないことがタケサイドの不満の種であるが、ヨーロッパリーグもビジャレアルにとっては重要なコンペティションであり、エメリ監督からすれば、信頼を置いているからこそ起用しているという考えが根底にある。

 その貴重な戦力をシーズン途中に自ら手放すようなことは考えられない。あるとすれば、マドリーがそれに見合うだけの対価を提案した時だけだ。ただ、マドリー側も現時点で何もアプローチをしておらず、一部でそうした動きが報じられているのは、メディアを介して圧力をかけている人間がいるからに過ぎない。
 

 マドリーも言うまでもなく不安げに経過を見守っている。タケが現在の状況に居心地の悪さを覚えているのはもはや明らかで、自分たちがビジャレアルへの移籍を勧めたという負い目もある。もちろん最終的に移籍先を決断したのはタケであるが、その際にファーストオプションとして提案したマドリー側の考えを重要な判断材料にした事実があるからだ。

 ただこのタイミングでビジャレアルへのレンタル移籍を失敗と結論付けるのは早すぎる。シーズンはまだ4分の1ほどを消化した程度。先はまだ長く、ちょっとしたきかっけで状況が変わるかもしれない。各チームで連戦が続く影響で怪我人が続出している今シーズンはなおさらである。

 マドリー関係者にとっても、この逆境を跳ね返すその取り組みぶりを見ている節があり、自分たちからアクションを起こす考えもない。スタメン出場が当初の目標の半分の20試合程度にとどまったとしても、懸命に定位置争いを繰り広げた結果なら、得るものも少なくないはずなのだ。


 心強いのは、ヨーロッパリーグでは活躍を見せていること。さらに来月にはコパ・デル・レイも始まる。ラ・リーガでは途中出場が続いたとしても、結果を残していれば、出番はそれだけ増えていくはずだ。

 ビジャレアルへの移籍の選択は適切ではなかったかもしれない。しかし一度選んでしまった以上、その現実を直視して、歯を食いしばって状況が少しでも好転するよう努力しなければならない。

 周囲の人間がどんな動きを見せようとも、あくまでピッチ外での出来事だ。エメリ監督はことあるごとにタケのプロ意識の高さを称賛している。今こそ、その強みを活かして周囲の雑音に惑わされずに定位置を奪取することだけに全神経を注ぐべきだ。

文●セルヒオ・サントス(アス紙レアル・マドリー番)
翻訳●下村正幸

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