最速優勝、中村憲剛の引退、代表への思い――“川崎の星”田中碧が語る2020シーズンと未来【インタビュー】

最速優勝、中村憲剛の引退、代表への思い――“川崎の星”田中碧が語る2020シーズンと未来【インタビュー】

自身初となる年間ベストイレブンを受賞する活躍を見せた田中に、今シーズンを振り返ってもらった。(C)SOCCER DIGEST



 他を寄せ付けない圧倒的な強さで、2020年シーズンを走り抜けた川崎フロンターレ。同一シーズンでのJ1新記録12連勝、歴代最多の勝点83、得失点差57など、多くの記録を塗り替え史上最速でのリーグ制覇を果たした。
 
 その王者の中盤で眩い輝きを放ったのが、MF田中碧だ。2017年にトップチームへ昇格し、昨年はベストヤングプレーヤー賞を受賞するなど成長著しい22歳は、年間ベストイレブンに初めて輝く活躍を見せた。そんな“川崎の星”に、今シーズンを振り返ってもらった。

【動画】ベストイレブン初受賞!田中碧の厳選プレー集

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――昨年はヤングプレーヤー賞に輝き、今年はベストイレブン。プロ4年目でここまで結果を残せると思っていた?

「昨シーズンにベストヤングプレーヤーを受賞させてもらいましたが、そのときも、今年もそういう賞をいただけるとは思っていませんでした。対戦した選手と監督の投票なので、そういう方々に評価してもらえているのは素直にすごく嬉しいです」

――今年は勝点、連勝、得点など様々な記録を更新して史上最速優勝を達成しました。その要因は?

「ひとつではなく、たくさんあると思います。一番はハードワークする部分。今シーズンは本当に過密日程でしたが、そのなかでひとりもさぼらず、巧いだけじゃなくて戦う強い集団になっていっているというのは感じていました。逆にそれができないと試合に出られないっていうぐらい、全員がそういった気持ちでプレーしていたので、そこがこのチームの素晴らしいところなのかなと思います」

――今年は新たなに4−3−3を導入しました。

「正直ここまでうまくいくとは思っていなかったです。ただ個人として、いままで2ボランチっていうポジションでしかやってきてこなかったので、だからこそアンカーとインサイドハーフというポジションをやらせてもらうことで、技術的な部分も含めて成長できたなと思います。それでも、まだまだ足りない部分もあります。まだ1年しかこのシステムをやれていないですし、そんな簡単にできるポジションではないと思っているので、だからこそ来年、また新しいポジションでもっと圧倒的な存在にならなきゃいけないなとは思っていますね」
 

――中村憲剛選手が今季限りで現役を引退します。田中選手にとってどんな存在?

「僕がフロンターレに入ってきた頃なので、本当に小学校3年生ぐらいからずっと見てきた選手です。いまでは当たり前ですけど、(試合に)出始めたときは、自分が同じピッチでサッカーをしているっていうのが正直信じられなかったです。それぐらい自分のなかで憧れの存在で、本当にいろいろなことを教えてもらいましたし、いろんな景色を見させていただきました。一緒にプレーできて心の底から良かったなと思っています」

――引退セレモニーで中村選手が口にした「後輩たちに託す」。どのように受け取った?

「いままで憲剛さんをはじめ、いろいろな先輩方がこのチームを作ってきて、やっとタイトルをたくさん獲れるようになってきて、その部分やクラブの伝統というものをなくしてはいけないなっていうのはずっと感じています。ですが、僕自身が憲剛さんになる必要はないと思っているので、自分のやり方で繋いでいければいいのかなと」
 
――憲剛選手とは違う“自分のやり方”とは?

「憲剛さんはピッチ内外でもそうですし、それこそ引退セレモニーのスピーチもそうですが、本当に様々な面でいろんな人を魅了できる人です。ただ、いまの僕にはそれだけの力はないですし、言葉ひとつであのように多くの人に影響を与える力もないです。だけど、ピッチ内では少なからず見ている人を勇気付けるプレーができると思うので、そういう部分を積み重ねて、いまの憲剛さんの姿に近づいていきたいと思っています」

――今年も残すところは天皇杯だけとなりました。クラブとしても初優勝が懸かっています。

「そうですね、ここまで来たからには優勝しないといけないと思っていますし、昨年はルヴァンカップを獲ることができ、Jリーグも獲って、天皇杯も獲らなければいけないタイトルだと思っています。ですがそんな簡単な大会ではないと思うので、チーム全員で戦って最後憲剛さんと一緒に優勝して今シーズンを終われればいいのかなと思います」
 

――今シーズン対戦して最も衝撃を受けた選手は?

「えーと…誰かな。名古屋のマテウス選手ですかね。ひとりであれだけボールを運べて、巧さもあり、速さもあり、力強さもあって、なおかつゴールやアシストもできます。それだけではなくハードワークや守備もしっかりできる選手だと対戦してすごく感じたので、やっていて嫌だなと感じましたね」

――来シーズンに向けて改善したい点は?

「今シーズンは自分自身でもあまり納得のいくシーズンではなかったです。良い時もあれば悪い時もありましたし、その波も含めて安定したプレーを出来たかと言われればそうではなかった。そういう意味では毎試合毎試合、どんなコンディションや状況であれ、安定したプレーができるようにならないといけないなと思います。そのなかでさらにレベルアップして、圧倒的な存在になっていきたいです」
 
――来年は東京オリンピックが開催されます。代表への意欲は?

「もちろん、オリンピックのメンバーに入りたいという気持ちはあります。ただ来年はワールドカップ予選もあり、自分のなかで一番の目標はやっぱりA代表です。いまは海外でやっている選手たちで組まれていますけど、やっぱりそこに立っている選手たちとの差はすごく感じています。そういう選手たちを越えていかないと自分はその舞台に立てないと思うので、本当に自チームでしっかりと成長して、結果を残せるようにやらなきゃいけないと思っています」

――最後にともに戦い支えてくれたサポーターへのメッセージをお願いします。

「今シーズンはコロナの影響のなかで、本当にいろんな方の支えがあって自分たちがサッカーを出来ていることに本当に感謝しないといけないと思っています。また、自由な生活が出来ないなかでスタジアムに足を運んでくれるお客さん、画面越しで応援してくださるサポーターの方、そういう方々の力がなければ優勝することも出来なかったと思います。今年の天皇杯で最後勝って、そして来年のJリーグ連覇、ACLなど、またチーム全員でひとつになって、サポーターのみなさんとまた喜び合えるように頑張りたいと思います」

取材・文●手塚集斗(サッカーダイジェストWeb編集部)
協力●DAZN

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