A代表でも評価上昇中のMF&“独のハーランド”がブレイク候補!リオの雪辱を晴らせるか――【東京五輪の注目国|ドイツ】

A代表でも評価上昇中のMF&“独のハーランド”がブレイク候補!リオの雪辱を晴らせるか――【東京五輪の注目国|ドイツ】

A代表デビューも果たしたノイハウス。EUROに出場する可能性も。 (C)Getty Images



 新型コロナウイルスの影響で1年の延期が発表された東京オリンピック。男子サッカーで本大会出場を決めているドイツは、4年前のリオデジャネイロ五輪では、決勝で延長戦の末にPK戦でブラジルに敗れ、銀メダルを獲得した。

 当時も決して前評判は高くなかったが、レオン・ゴレツカ、セルジュ・ニャブリ(ともにバイエルン)、ルーカス・クロスターマン(RBライプツィヒ)らが世界的に注目を集めるきっかけとなった大会でもある。

 こうした先人たちに続きそうな注目株が、今回の世代にも潜んでいる。2021年開催予定の東京大会に参加するオリンピック代表候補では、ボルシアMGで大活躍中のMFフロリアン・ノイハウスが筆頭格だろう。

 マルコ・ローゼ監督は「フローはものすごい才能を秘めたタレントだ。体躯がしっかりしているが、それでいて動きが非常になめらかなんだ。そして賢い。いろんなことを取り入れ、それを自分の力にしようとする。それが彼の成長を支えている」と絶賛。今シーズンはここまでリーグで13試合中12試合、チャンピオンズ・リーグではグループリーグ6試合すべてに出場し、チームにとって最も重要な選手の一人といっても過言ではないだろう。
 
 17年に1860ミュンヘンから獲得されたノイハウスは、翌シーズンにフォルトゥナ・デュッセルドルフへレンタル移籍。宇佐美貴史、原口元気とともにチームの中軸を担い、1部昇格へと導いている。

 特長を挙げると、まずプレーインテリジェンスが非常に優れている。相手が嫌がるスペースをかぎ分け、相手が予測できないところへパスを送るプレーなどは、バイエルンのトーマス・ミュラーを彷彿とさせる。運動量が豊富で、技術レベルも高い。今シーズンからはダブルボランチの一角としてプレーすることで競り合いにおける強さも身につけ、1対1における勝率は64%にのぼる。

 CLとの過密日程が心配されていたが、ノイハウスは調子を落とすことなく、コンスタントに自分のパフォーマンスを高いレベルで引き出せている点も素晴らしい。

「コンディションはいいし、試合数が多いというのは、プレーリズムをつかむうえでメリットにもなっている。過密日程による体への負担についてはあまり考えてなくて、それよりも僕はサッカーがしたいんだ」

 クラブレベルだけではなく、20年10月7日にはドイツA代表でもデビュー。その試合で早速ゴールを奪うなど、攻守においてクオリティの高いプレーを見せ、ファンからも高い評価を受けた。

 年齢的にはオリンピック代表の主軸として期待されている一方、EUROのメンバーに選出される可能性も低くはない。ドイツ代表監督ヨアヒム・レーフとオリンピック代表監督シュテファン・クンツはどのような決断を下すのだろうか。

 そしてもうひとり、22歳のFWメルギム・ベリシャをピックアップしたい。

 所属するレッドブル・ザルツブルクではリーグ10試合で7得点、CLでは6試合で4点をマークした。188センチの長身を生かしたヘディング能力やポストプレーに長けているだけではなく、スペースを作る動きや裏抜けのスピードやタイミングに優れているところも素晴らしい。ゴール前ではGKとの駆け引きでリズムをずらしてシュートを流し込むなど、得点感覚が研ぎ澄まされている。

 ドイツ待望の大型FWタイプなのだが、育成年代からザルツブルクで過ごしてきているため、ドイツ国内ではそこまで知られていない。レンタル移籍を繰り返しながら経験を積み重ねていた男が注目を集めるようになったのは、アーリング・ハーランドがドルトムントへ移籍し、ザルツブルクの新レギュラーFW候補として名前が挙がってからだろう。

 昨シーズン後半にレンタル先であるアルタッハから戻ったが、後半戦では8試合出場1点どまり。それでも首脳陣の期待は高く、チームは新FWの補強へは動かなかった。その信頼に結果で応えている。

 どんな試合でも全力でプレーする姿勢は、ハーランドを思い起こさせる。攻撃だけではなく、守備にも積極的で、自陣ペナルティエリアまでもダッシュで戻り、ボールを味方が奪うとまたダッシュで前線へと駆け出していく。

 ドイツ代表ではミロスラフ・クローゼ引退後、絶対的なCFがいないままだ。現代表はティモ・ヴェルナー、レロイ・ザネ、セルジュ・ニャブリとスピードや技術に優れたFWがそろっているが、守備を固める相手にはどうしても苦労してしまう。

 まだ粗削りなところが多いので、すぐにA代表へというレベルまでは来てないかもしれない。だが、オリンピックで活躍し、次のステップに踏み出すことができたら、2022年ワールドカップ、そしてドイツで開催される2024年欧州選手権で戦力となる可能性は高まってくる。今後どのような成長を遂げるのかが楽しみな逸材だ。

取材・文●中野吉之祥

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