バルサはなぜビルバオに敗れたのか? 大一番で露呈した問題点を番記者が指摘【現地発】

バルサはなぜビルバオに敗れたのか? 大一番で露呈した問題点を番記者が指摘【現地発】

このグリエーズマンのゴールで奪った2度のリードを守りきれなかったバルサ。 (C) Getty Images



 ともに負けられない一戦だった。スペインには株式会社化していないクラブが4つ存在する。今回のスーペル・コパの決勝で顔を合わせたバルセロナとアスレティック・ビルバオは、レアル・マドリーとオサスナとともにそのステータスを維持しているが、現在それぞれ組織として難局を迎えている。

 バルサは会長選の真っ只中で、ビルバオは先月のソシオ総会で、アイトール・エリセギ会長が自らのマネジメントに対して強烈なダメ出しを受けた。だからこそ両クラブともアイデンティティを取り戻すきっかけとしてスポーツ面で成功を収めることを必要としていた。

 たしかにスーペル・コパのコンペティションとしての価値は他のそれに見劣りする。しかし無冠に終わった昨シーズンを経てバルサはタイトルを欲している。ましてやスーペル・コパは昨シーズン、アトレティコ・マドリーに敗れて準決勝で敗退した事態を重く見て、エルネスト・バルベルデの監督解任に踏み切った因縁のコンペティションでもある。

 しかし、バルサはビルバオの軍門に下った。ここ数年で選手たちの顔ぶれは大きく変わっている。現チームで、バルサでタイトル獲得を経験したのは14人に過ぎない。このそれぞれ過去と未来のシンボルであるジョルディ・アルバとアントワーヌ・グリエーズマンが共存するチームをリオネル・メッシが何とか持ちこたえようと努めてはいる。しかし急激な世代交代に舵を切った代償で、戦い方はまだまだ不安定だ。

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 ビルバオが見せたプレーは気迫みなぎるアグレッシブなものだった。もっとも以前のバルサであれば、そんなタフな相手を前にしても、軽快なパス回しで相手の守備網をかいくぐっていたものだ。しかし、強みだった繊細さやスピードが低下し、かといってリバプールやバイエルン・ミュンヘンのようなダイナミズムや強度も持ち合わせてはいない。

 バルサと言えばポゼッションや試合のコントロールを基調とするチームだ。しかし、ロナルド・クーマン監督の下でそのこだわりを捨て、今風のサッカーにトライしているが、ビルバオのような不屈のハードワークを持ったチームが相手だと、余計にその中途半端さが顔を出す。
 
 グリエーズマンが2得点を挙げるも、ビルバオの気迫とマルセリーノ・ガルシア・トラル監督仕込みの綿密なセットプレーの前には無力だった。そのグリエーズマンにしても活躍してもチームが敗れてしまい、入団以来のまるでチームと別のルートで旅しているような噛み合わせの悪さは相変わらずだ。

 最後まで勝負を諦めなかったビルバオが土壇場で同点に追いつき延長戦に持ち込む一方で、フラストレーションを溜め込んだメッシがバルサで初のレッドカードによる一発退場となるなど、両者の明暗はくっきりと分かれた。

 最近、負け癖がついているバルサは、ファイナルでも敗れた。チームとしての方向性、成熟度の欠如を改めて露呈し、翻ってビルバオはいつものビルバオだった。監督、会長が誰であろうとここ一番で見せる伝統のチームスピリットと熱量はさすがで、暗中模索のバルサを見事になぎ倒した。

文●ラモン・ベサ(エル・パイス紙バルセロナ番)
翻訳●下村正幸

※『サッカーダイジェストWEB』では日本独占契約に基づいて『エル・パイス』紙のコラム・記事を翻訳配信しています。
 

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