J1選手でも審査が通らない?三浦泰年氏が「サッカー業界専門」住宅ローンを謳う企業のトップを直撃!

J1選手でも審査が通らない?三浦泰年氏が「サッカー業界専門」住宅ローンを謳う企業のトップを直撃!

対談を行なった三浦泰年氏とFBモーゲージ社代表取締役社長の根石氏。写真:塚本凜平(サッカーダイジェスト写真部)



『サッカーダイジェストWeb』で連載コラムも好評の元日本代表DF、三浦泰年さんが企業経営トップを直撃する連載企画。自らも日本とブラジルをはじめとした多文化交流を企画する会社を経営する三浦さんが、毎回独自の視点でビジネス展開を図る起業家に話を伺う。第2回は、大宮を拠点に住宅ローンを扱う「FBモーゲージ株式会社」を経営する根石高宏氏にご登場いただいた。

――◆――◆――

――根石社長と三浦さんはどのようなきっかけでお知り合いになったのですか?

根石「うちの外部顧問をやっている方が三軒茶屋のバーに連れて行ってくれた時に、近くにお住いのヤスさんに連絡を取って紹介してくれたんです。夕食をとられていたようなんですが、来てくださって」

三浦「そこで紹介してもらって、翌日が大宮で試合の解説だったんだけど、本社が大宮だというので試合前に会社を訪問させてもらい、いろいろと今やっている業務などを教えてもらったよね。夜は誘われても出ないことが多いんだけど、貴重なお話が聞けたので行って良かったですよ」

根石「ありがとうございます! 僕もぜひお会いしたかったので嬉しかったですね。やはり小さい頃から見てきた方なので」

三浦「サッカー少年だったんだ?」

根石「部活でプレーしたのは高校時代なんですが、小学校の時からサッカーや野球とかいろんなスポーツをやっていて、中学でもサッカー部の友人たちとよく遊んでいてOB戦などにも出させてもらっていました」

三浦「それは大宮で?」

根石「いえ、長野なんです。地元は東京なのですが、小さい頃に長野に引っ越してそれから高校を卒業後、芝居をやるために東京に出てきました。ただ、養成所に入って24歳までは続けようと努力したんですが、芽が出ずに……。そこから演歌歌手のマネージャーをやらせてもらい、ここではマネージメントを勉強させてもらいました。そのあと不動産マンション販売の営業をゼロからやり、その後現在携わっているフラット35というビジネスで家を買いたいお客さんのローンのお手伝いをするという仕事をやって6年前に独立しました」

三浦「高校を出てから、本当にいろんな道を歩んで現在に至っているんだね。そのフラット35というのは、どんな商品なんでしょう?」

根石「国がやっている全期間固定金利の住宅ローン(※返済期間が最長35年、保証料が不要などの利点がある)で、我々は取引先の不動産会社さんがフラット35を組む時に審査の入口となる役割を担います。そこで家を購入したい方に、ローンが通るようにこんな組み立てがいいですよと提案をしていくんです。フラット35はどちらかというと、転職したばかりの方や経営者、個人事業主の方など、銀行では現段階で通らない、あるいは通りづらい方が利用する傾向があります。実際にうちも立ち上げてから、スポーツ選手やエンターテインメント業界の方にも来ていただいて、昨年からは「サッカー業界専門」の住宅ローンと謳って動き出しています。フットサルスタジアムのネーミングライツや将来を見据えるサッカー選手のサポートなどもやっていますが、住宅ローンのファイナンスとアスリートを組み合わせたビジネスなども、プロモーションとしてやらせていただいています」

三浦「プロ選手にはありがたいね。正直、契約で明日どうなるか分からないスポーツ選手という職業において、仰る通り銀行でお金を借りるのはなかなか難しい。審査が通らないんですよ。根石君のように考えている若い経営者がいるのは嬉しいですね」
 

――根石社長はご自身のビジネスでサッカー界にも関わるなか、今のサッカー界に思うところなどはありますか?

根石「ある程度知名度のある有名な選手だと引退後もいろいろなお仕事があると思うんですが、セカンドキャリアも含めた選手の育成というのは、もうちょっと周りが考えていくべきなのかなと思います。うちはサッカーの住宅ローン専門と言いながらも、スタッフたちとはたとえ異業種でもセカンドキャリアの仕事も斡旋できるような形を組織として作っていこうと話しています」

三浦「ローンを組んで終わってしまうのではなく、その後をケアしてくれるのは心強いし、そういう環境をセカンドキャリアに向けて作ってくれるのは本当に素晴らしいこと。ただ、最近の選手たちは、ちょっとセカンドキャリアのことを早く考えすぎているような感じがしていて、選手が今一番集中すべきなのはどうサッカーに取り組むべきかであって、プレーしている間は引退後のことを考えなくてもいいように環境を整えるのが、選手以外の周りの役割だと思うんです。こういう考え方じゃ厳しいかな?」

根石「いえいえ、僕も選手には現役である限りプレーに専念してほしいと思っています。要するに純粋にサッカーに専念してほしいので、そのバックアップをしていきたい。僕ら外部の人間たちが、そういう面を考えて環境が出来れば、自然と選手にアナウンスする必要がない状態になりますよね。それが理想だと思います」

三浦「僕はサッカー以外の世の中に出た時のコミュニケーションスキルや人間としての在り方というのは、サッカーを極めていこうとするなかで、必ず身につくものだと思っていて、今いい選手になるためにやっていることは、辞めた時に必ず自分の為になる。だから、『先のことを考えるな』と言いながらも、サッカーを集中してやっていれば、それはセカンドキャリアにつながっているのだと思うし、若い選手にはそういう意識で取り組んでほしい」

根石「純粋な僕の想いとしては、ゴールの感動や応援しているチームがゴールを決められる悔しさとか、選手たちからいろんな良い刺激をもらっているのに、引退したら『あの選手は何やっているんだろうね』というのは、何かちょっと無責任だなと勝手に思っていて。なので、感動をもらっている分、外部の僕らもできるだけきちんとした環境を用意してあげたいなと思っているんです。
 それからサッカー選手で言うと、実はJ1の選手でも住宅ローンを組めない人がいる反面、女子の選手で会社に所属して給料をもらっている人はローンが通るんです。それもどうなんだろうと思っていて」

三浦「えっ、そうなんだ?」

根石「不思議な話ですが、そうなんです。僕は基本的にローンを組めない人はいないと思っているので、サッカー選手に限らずですが、やはり買うことを諦めずに、家を買うためにはどうすればいいのか、しっかりアドバイスしていきたいですね」
 

――三浦さんは、根石さんの会社の組織論について興味がおありだそうですね。

三浦「そうなんです。会社の内部をサッカーのフォーメーションに見立てているという話を伺ったことがあって。いったい、どんなやり方、考え方で会社を組織しているんですか?」

根石「営業会社って必ずノルマがあって、誰が何位とか全部グラフで表わされるんです。みんなグラフの一番上を目指すものですが、ただしそうではない人たちもいて、上に行っている人は優秀だけど、ここまで行ってないとダメというレッテルが貼られちゃう。それは僕のなかでは嫌で、だからうちの会社ではノルマを一切設定していません。なぜかというと、そのグラフというのはサッカーでたとえると、FWだけの話だからなんです」

三浦「営業で結果を得るというのは、サッカーで言えば点を取るということですからね」

根石「そうなんです。会社の組織となると、チームを作る必要がある。例えば営業だけでフォーメーションを作るとするなら、10人いれば『4-4-2』みたいなイメージ。ガンガン稼ぐ人がふたりいて、この人たちが2トップ。それから営業の中でも、ある程度バランスを見ながら営業にも行けるし穴埋めもできる中盤がいて、さらにポンときた案件をすぐさばいてくれるような、完全に受け身の営業を担当してくれるディフェンス陣も必要。今は社内でそのバランスがちょうど良く取れていて、そういう形だとそれぞれがみな輝けるんです」

三浦「それは面白い発想だね。会社の運営をサッカーのイメージでやられている」

根石「僕はサッカーからヒントをもらってやっていますが、野球が好きな人に説明する時は、打線をイメージして説明します。営業で言うとクリーンナップがガンガン営業をする人たちで、さらに1、2番や下位打線のつなぎ役がいて、という具合です。営業は歩合もあるので、ガンガン稼ぎたい人もいれば、安定的に仕事を楽しみたいという人もいるので、それぞれを活かすためにそういうチーム化した図式を作ってやっています」

三浦「根石君は監督という立場になると思うけど、現場での仕事ぶりから、この人はFW、この人は中盤の守備的なタイプだなとか適材適所を見抜くのに時間はかかるものですか?」

根石「そこはまず面談をしますね。営業なので、最初はみんな『トップ賞を目指したい』と言うんです。ただ、数字を求められるんだろうなと思って話すので、そうじゃないんだよと説明すると、『じゃあ中盤がいいな』とちゃんと主張してくれる。そうすると、その責務をしっかり果たしてくれるんです」

三浦「やはりコミュニケーションが大事だということですね」

根石「そうですね。こちらで判断してしまうのではなく、本人の意思やそれぞれにいくら稼ぎたいという希望もあるし、家庭を持っている人もいるので、そうした話をしながらお互い納得したうえでコンバートをしなければいけないですね」

◆対談者プロフィール◆
三浦泰年(みうら・やすとし)
1965年7月15日生まれ、静岡県出身。静岡学園高を卒業後、ブラジル留学を経て読売クラブに入団。Jリーグ開幕とともに、地元の清水に加入し、初代主将を務める。その後V川崎、福岡、神戸でプレーし、引退後は神戸チーム統括本部長などを経て北九州、東京V、チェンマイ・U、富山、鹿児島の監督を歴任した。現在は解説者のほか、株式会社EMAの代表取締役としても活動している。

根石高宏(ねいし・たかひろ)
1980年4月9日生まれ、長野県出身。高校卒業後に俳優を目指して上京し、24歳から演歌歌手のマネージャー業を4年間務める。その後、不動産業界を経験し、現在の職である住宅ローンの「フラット35」を取り扱う専門代理店へ転職。2015年9月に独立し、「FBモーゲージ株式会社」の代表取締役社長に就任した。昨年から「サッカー業界専門」住宅ローンとして営業も行なっている。

取材・文●長沼敏行(サッカーダイジェストWeb編集部)

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