欧州SL参加クラブへの“報復”制裁に司法が待った!プラティニ前UEFA会長は「クラブの権利」を主張

欧州SL参加クラブへの“報復”制裁に司法が待った!プラティニ前UEFA会長は「クラブの権利」を主張

「クラブには独自のトーナメントを作る権利がある」とプラティニは言う。(C)Getty Images

今年4月に設立が発表され、サッカー界に激震を起こした欧州スーパーリーグ(ESL)だが、各方面から多くの反発を受けた他、FIFA、UEFA、各国リーグが厳しい対応策を打ち出したことで、参加クラブは次々に離脱を表明。現在では音頭をとったレアル・マドリー、バルセロナ、ユベントスの3クラブだけが構想継続の姿勢を保ち続けている。

 コロナ禍により世界中のクラブが財政面で大打撃を受けている中で、「サッカーの価値を上げる」ために動いた結果、多くの選手やファンから「サッカーを破壊する行為」と批判されてしまった12のESL参加クラブ。すでに構想は頓挫し、数少ない“構想継続組”のユベントスも現状で構想を推進することは難しいと考え、ほぼ白旗を上げた状態だという。

 そんな中、イングランド・プレミアリーグは、ESLに参加したアーセナル、チェルシー、リバプール、マンチェスター・シティ&ユナイテッド、トッテナムに6クラブ合計で2200万ポンド(約34億円)の制裁金(和解金)を科すとともに、今後、ESLのような公認されていないコンペティションに参加した場合、2500万ポンド(約38億円)の追加罰金とともにリーグで勝点30が剥奪されることを通達。これらを6クラブは全て受け入れ、ESLに参加しなかった他のチーム、リーグやFAに謝罪したことも明らかにした。
  他にも、UEFAがすでに脱退したクラブに1500万ユーロ(約18億円)の罰金(UEFAは“寄付”と表現)を科すと表明したり、マドリー、バルサ、ユベントスに対しては、ESLを脱退しなければ来季の各リーグや欧州カップから除名するとの圧力をかけたりした他、イタリアではユベントス、ミラン、インテルに対し、他のセリエAのクラブが連名で「(3クラブが)イタリア・サッカー界に深刻な損害を与えた」として制裁を与えるよう請願するなど、参加クラブへの厳しい姿勢を崩していない。

 しかし、マドリー、バルサ、ユベントスについては、UEFAとFIFAが懲戒処分手続きを開始したものの、スペインのラジオ局『Cadena SER』によれば、両組織の司法管轄権を持つスイスの法務省から処分停止を通達されているという。4月にマドリードの裁判所が「UEFAとFIFAがESLを阻止することは許されない」との判決を下しており、両組織の独占的な運営や報復的な処分を下す権利はないということである。
  実際、ESLについては肯定的に捉える者も少なくなく、UEFA、FIFAの過剰な商業主義に対する正しい対応策だとして支持する声もある。元UEFA会長、FIFA副会長を務めたフランスの“将軍”ミシェル・プラティニもそのひとりで、イタリアの日刊紙『Il Giornale』に対し、クラブの権利を主張している。
 「今回の争いには笑ってしまった。クラブは過去50年間、変化を起こそうと努力を続けてきた。そして、UEFAができなかったことを今回、クラブの共同体によって成し遂げようとした途端、人々やメディアの強い反発に遭ってしまった。クラブには、チャンピオンズ・リーグ(CL)などUEFAやFIFAの大会に参加せず、独自のトーナメントを作る権利がある。60年前、欧州カップを作ったのはUEFAではなく、『L’Equipe』(フランスの新聞社)だった」

 それぞれの事情や思惑が絡み、大きな対立が生み出された今回の一件は、ビッグクラブの「身勝手な造反」という形で収束しそうな気配だったが、司法の判断が今後のサッカー界にいかなる影響を与えるのか。マドリーら3クラブの処遇とともに気になるところだ。

構成●THE DIGEST編集部

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