偉大なる記録樹立とスポンサー商品拒否…C・ロナウドにまつわる2つの話題を現地メディアが検証

偉大なる記録樹立とスポンサー商品拒否…C・ロナウドにまつわる2つの話題を現地メディアが検証

C・ロナウドの得点力はさび付いていないが、その行動は行き過ぎの感も…。(C)Getty Images

現地時間6月15日に行なわれたEURO2020グループリーグのハンガリー代表戦で、ポルトガル代表のエース、クリスチアーノ・ロナウドが2ゴールを挙げ、チームの3-0という好発進に大きく貢献した。

 ハンガリーの堅守に長く苦しんだ一戦、36歳のキャプテンは1-0で迎えた87分にラファ・シウバが倒されて得たPKを確実に決めて勝利を確実にし、さらにアディショナルタイムにはペナルティーエリア内でスルーパスを受け、軽やかなタッチで相手GKをかわしてダメ押し。EURO初戦でのゴールは、同大会デビュー戦となった2004年大会(ギリシャ戦)以来だった。

 また、2年前のロシア・ワールドカップ(スペイン戦でハットトリック)に続くメジャーイベント初戦での複数ゴールを記録し、ベテランになってもなお得点力が全く衰えていないことを示した偉大なストライカーは、EUROでの通算ゴールを11に伸ばし、フランスの“将軍”ミシェル・プラティニが全試合得点(9点)&決勝点という離れ業を演じた1984年以来となる新記録を樹立した。
  また、前人未到のEURO5大会出場を果たし、前回大会で塗り替えた最多出場試合数記録も22試合に更新。代表ゴール数は105に達し、元イラン代表のアリ・ダエイが保持する109点という記録にも迫っている。

 イタリアのスポーツ紙『Gazzetta dello Sport』は、サッカー界のあらゆる記録を破り続けるC・ロナウドの、これまでのクラブ・代表チームの両方での偉業を改めて紹介している。

 代表では、前述のEURO最多大会出場数に始まり、通算最多得点、同大会での最年長(36歳130日)1試合複数得点(それまではウクライナのアンドリー・シェフチェンコが記録保持者)、そしてEUROとW杯での合計出場数39もバスティアン・シュバインシュタイガー(ドイツ)を超えた。

 クラブレベルでは、ユベントスでは加入3シーズンでの通算100点超え、チャンピオンズ・リーグ(CL)で10得点超えを果たした初の選手となり、レアル・マドリーでは通算450得点、そしてCLでのキャリア通算135得点も最多だ。さらにプレミアリーグ、ラ・リーガ、セリエAでリーグ優勝&得点王を達成。そして彼のトップレベルでの息の長さを示す記録として、初のCL制覇から5回目の戴冠までの期間10年5日というものも紹介された。
  このような大きな話題を大会序盤で提供したC・ロナウドだが、一方でその行動が物議を醸してもいる。試合前日に行なわれた記者会見で、席に置かれたコカ・コーラのボトルを撤去し、一緒に置かれていた水入りのペットボトルを掲げて「アクア(水)」と声を上げたのだ。ストイックさで知られ、食生活にも細心の注意を払う彼は、炭酸飲料などに対して否定的な立場をとっていることは有名だが、大会スポンサーの商品に対しても「ノー」の姿勢を示したということだろう。

 これにより、コカ・コーラ社の株価が下落して時価総額が40億ドル(約4400億円)も下がったことが報じられ、大きな話題となったが、同社は「誰にも好きな飲み物がある」と声明を出すにとどめているという(英国公共放送『BBC』より)。

 15日にも、フランス代表のポール・ポグバが同じくスポンサーである『ハイネケン』のボトルを席上から足元に移したことが、飲酒が禁じられているイスラム教徒ゆえの行動と推測されているが、スペインのスポーツ紙『MARCA』がスポーツマーケティングの専門家などの意見を聞きながら、スポンサーの視点から、これらの行為について検証している。
  専門家たちによれば、2選手に対しては何らかの制裁措置がなされるべきだが、UEFAら大会運営側としてはC・ロナウドのような客を呼べる選手を出場停止にするのも難しい。そこで、あまり重くない処分を下せば、これに続く選手が次々に出てくる危険性があるという。そして、「選手は今や神となったが、それでもルールを守る必要がある」とし、大会に投資する者たちに対しての“約束”も果たさなければならないと主張する。

 専門家のひとりは、「彼らがやったことは間違っている。もし、私がコカ・コーラの人間だったら、間違いなく文句を言うだろう。選手が勝手にスポンサーを“削除”するようなことが許されるようになった場合、果たして次の大会に投資しようという企業がいるだろうか」と語っている。

 コカ・コーラ社の株価下落については、報じられているほど大きなダメージではなく、すぐに回復しており、逆にハイネケンの場合は上昇しているので、劇的な影響があるわけではないとのことだが、それでも選手の言動に影響力があるのは間違いないという。そして運営側は、いらぬトラブルを避けるためにも、選手とその選手が“嫌う”ブランドは一緒にしないことが得策だと指摘した。

 抜群の影響力を誇るビッグネームたちによる今回の一件は、現状に一石を投じるものとなるのか、あるいは自身の信念を押し付けるエゴイスティックな愚行として終わるのか。今大会のピッチ上のパフォーマンスとともに、見守っていきたいところだ。

構成●THE DIGEST編集部

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