「良い補強だ。でも不十分」30憶円でアーセナル移籍を決めた冨安健洋に首脳陣は期待!一方でファンからはシビアな声も

「良い補強だ。でも不十分」30憶円でアーセナル移籍を決めた冨安健洋に首脳陣は期待!一方でファンからはシビアな声も

アーセナルへ移籍する冨安には、ファンから様々な反響が相次ぐ。(C)Getty Images

プレミアリーグは8月31日に夏の移籍市場最終日を迎えたが、土壇場でアーセナルが日本代表DFの冨安健洋をボローニャから獲得したと発表した。期間は2025年までの5年間で1年の延長オプション付き(クラブの公式サイトでは「長期間」と表記)、背番号は「18」に決定している。

 複数の現地メディアによれば、2000万ユーロ(約26億円)+ボーナス300万ユーロ(約4億円)という移籍金で合意したという今回の取引により、晴れて念願だったプレミアリーグでのプレーが実現した。稲本潤一、宮市亮、浅野拓磨に次ぐ4人目の日本人選手として「ガナーズ」の一員となった22歳は、クラブのSNSを通して「アーセナルに加入できて光栄です。このチームに貢献するために全力を尽くすことを約束します」と、ファンにメッセージを送っている。

 今季のプレミアリーグでは3戦を終えて全敗&無得点・9失点の最下位という前例のない悲惨な状況に陥っているアーセナルのミケル・アルテタ監督も小さくない期待を寄せている。

「タケヒロはセリエAと代表戦で経験を積んできた。優れた守備力、高い技術、ボールを持った際の冷静さを備えた万能型のDFだ。彼は我々にとって、重要な存在となるだろう。代表ウィークを終えて、チームに合流する日を楽しみにしている」

 テクニカルディレクターのエドゥも「重要な補強だ」と語った冨安の加入を、多くのメディアが報じているが、専門メディア『Football.London』は「CBもこなす右SBが、アルテタ監督とエドゥTDの補強を、最適なものだと証明する可能性もある」と、ポジティブな展望を示している。
  ファンもSNSで「素晴らしい補強だ」「アジアで群を抜いて最高のDF」「無限の可能性を秘めた選手だ」「(バカリ・)サニャの後継者になってくれ」「長身で両足が使え、強くてスピードがあり、守備ならどこでもできる」「最近では一番の補強だ」「22歳の選手が加入してチームがどんどん若返っていくことにワクワクが止まらない」と、新戦力を歓迎している。

 逆に、「守備の技術に優れているが、SBとしてのクロスは、キーラン・ティアニーのような熟練したものからは程遠い」と物足りなさを示す声や、「監督とクラブの体制があれだから……」「良い補強だ。しかし、十分なものではない」とクラブの補強に対する不満を露にする投稿も。

 また、「彼の代理人はアーセナルの状況を分かっていない」との“同情”や、「(クリスチアーノ・)ロナウド、(ロメル・)ルカク、(アクラフ・)ハキミ……しかし、セリエAにとっての一番の敗北は冨安を失ったことだ」との声もあった。
  一方、長く移籍が噂された冨安をついに送り出すことになったボローニャでは、ファンが「もう1年いてほしかった」「クラブの放出の決定は愚かだ」「ありがとう、トミ」「新天地での成功を祈る」といった惜別や激励の声を贈っている。だが、オンライン新聞『Bologna Today』は移籍を報じる記事のなかで「何という冗談だろう」と移籍を嘆き、彼の穴を埋めるような戦力の補強もなかったと強調している。

 そして、イタリアの専門メディア『Minuti Di Recupero』も「冨安の売却はボローニャに問題を生じさせる可能性がある」と報じ、シニシャ・ミハイロビッチ監督の柔軟な起用法によってプレーの引き出しを増やした冨安の代役を立てるのに難航していると報道。

 また、冨安の今後についても言及し、戦術面、フィジカル面で成長を遂げた日本人には、アーセナルのチーム状況を考えれば時間が必要であるとしながらも、去就が注目されるアルテタ監督が去ったとしても、冨安が最終ラインに立ち続けられると太鼓判を押した。
  最後に、今夏最も冨安の獲得に近い位置にいるとされながら、結局は同じロンドンのライバルに“譲る”形となったトッテナム。英国の総合メディア『HITC』は、冨安を取り逃がしたことで「今後、(CBの)エリック・ダイアー、ダビンソン・サンチェスの起用法にも影響を及ぼすかもしれない」と指摘するとともに、この一戦に対するトッテナム・ファンの反応を、以下のように紹介している。

「チームに欠けていたものを埋めてくれる選手で、しかもたったの2000万ポンド(約30億円)で獲れたのに……。クラブは時間を台無しにした」
「正直言って、もったいない」
「我々は良い右SB(エメルソン・ロイヤル)を獲得したが、冨安ならサイドだけでなく、CBもできる」
「冨安はチャンピオンシップ(2部リーグ)でプレーするには相応しくない選手だ」

 ちなみにこの国際移籍によって、連帯貢献金として移籍金の3%弱が彼の古巣であるアビスパ福岡に支払われるとされており、ファンの間では話題になっている。大きな反響のあった今回の移籍だが、冨安は世界で最もハードといわれるリーグでも、その評価と価値を高めていけるか、非常に興味深い。

構成●THE DIGEST編集部
 

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