久保建英とイ・ガンインを加えたマジョルカが「アジア」から受けた恩恵と弊害

久保建英とイ・ガンインを加えたマジョルカが「アジア」から受けた恩恵と弊害

久保の加入によってスポンサー収入が増えたが、一方で弊害も出ているようだ。(C)Getty Images

現地時間9月22日に行なわれたラ・リーガ第6節のレアル・マドリー戦で膝を傷めて前半終了後に交代したマジョルカの久保建英。SNSでしばらく戦線を離脱することになると発表したが、その期間は4〜6週間ほど見られている。

 ルイス・ガルシア・プラサ監督は「深刻な怪我ではない」と語っているが、攻撃のキープレーヤーとして試合を重ねるにつれて影響力を高め、また献身的な守備も効果を高めつつあった矢先のアクシデントは、チームにとっては小さくない影響があるだろう。

 2度目のレンタル移籍で、戦力的に重要な存在となっている久保だが、それはピッチ外でも同様のようだ。ラ・リーガは29日に、今季の各クラブのサラリーキャップ(給与限度額など)を発表した。マジョルカは4612万ユーロ(約59億9560万円)で全体の14位ながら、セグンダ(2部リーグ)所属の昨季は1904万ユーロ(約24億7520万円)であり、2708万ユーロ(約35億2040万円)もアップしている。

 これは、カディス、アラベス、エルチェ、レバンテ、バレンシアといった昨季1部所属だったクラブを上回っているが、マジョルカのこの金額が大きくアップした理由のひとつとして、スペインのデジタル新聞『OKDIARIO』は、ユニホームスポンサーとして年間200万ユーロ(約2億6000万円)の契約を結んだ日本の「株式会社タイカ」のほか、多くの「アジアマネー」を獲得したことを挙げている。
  言うまでもなく、これに久保の存在が関係していることは間違いないが、同じく今夏に加入した韓国代表MFのイ・ガンインも貢献しているという。ピッチ上では、初スタメンを飾ったマドリー戦で、久保も絡んだパスワークから見事なドリブルシュートを決め、次の7節オサスナ戦では欠場した久保のポジションを担うなど、こちらも徐々に戦力としての地位を確立しようとしており、同時にアジア市場の開拓という面でも、久保とともに重要な役割を担っている。

 このように、「アジア」から小さくない恩恵を受けているマジョルカだが、そんな彼らであっても拒絶したのが、「アジア時間」での試合開始だ。5節ビジャレアル戦、オサスナ戦のホームゲームは、いずれも現地時間で14時、つまりアジアでは日曜日21時というテレビ観戦に最適な時間に行なわれたが、マジョルカのアルフォンソ・ディアスCEOは「リーガ統括機関には、これ以上あの時間での試合は行なわないよう要請した」と日刊紙『MUNDO DEPORTIVO』に明かした。

 その理由は30度を超える暑さ。マジョルカの地元紙『Diario de Mallorca』は、この2つの試合で、現場で試合を観戦していた2人の観客が高温のために気を失って治療を受けたこと、また多くの観客からSNSでクラブに苦情が寄せられたことを伝えた。

 オサスナのジャゴバ・アラサテ監督は「久保とイがマジョルカに所属しているのだから、14時に開催することは理解できるが、これほどの暑さの中で試合を始めることがベストだとは思わない」とコメント。今夏には東京オリンピックが、放映権を持つ米国放送局の意向が優先された結果、厳しい暑さの中で開催されたが、競技と商業の兼ね合いは、リーガでも難しい問題となっているようだ。

構成●THE DIGEST編集部

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