欧州王者撃破でメッシは手応え! アルゼンチン国内では“南米軽視”のエムバペに手厳しい反論も「“嘘”を終わらせてやろう」

欧州王者撃破でメッシは手応え! アルゼンチン国内では“南米軽視”のエムバペに手厳しい反論も「“嘘”を終わらせてやろう」

かつてマラドーナも手にした大会で強烈なインパクトを残したメッシ。母国にタイトルをもたらしたエースは、W杯制覇にも自信を漲らせる。(C)Getty Images

現地時間6月1日、EURO2020とコパ・アメリカ2021のそれぞれの王者によって雌雄を決する「フィナリッシマ」がイングランドのウェンブリー・スタジアムで行なわれ、アルゼンチン代表が3-0でイタリア代表を下した。

 かつて「アルテミオ・フランキ・トロフィー」という大会名で2試合が行なわれ、1985年にミシェル・プラティニ率いるフランスがエンソ・フランチェスコリら名手揃いのウルグアイを2-0で撃破。1993年にはディエゴ・マラドーナが代表復帰したアルゼンチンが1-1からのPK戦(5-4)の末にEURO1992でユーゴスラビアの代替出場から奇跡の優勝を飾ったデンマークを破っていた。

 そんな歴史を持つ大会が29年ぶりに大会が復活したのである。過去2大会同様、スター選手が多く出場したこの聖地での一戦、とりわけ強い輝きを放ったのは、34歳のリオネル・メッシ。アルゼンチンの背番号10は、今ひとつに終わったクラブでの鬱憤を晴らすかのように鋭いプレーを連発し、堅守で鳴らすイタリアのDF陣をしばしば翻弄。28分には左サイドを切り裂いてラウタロ・マルティネスにクロスを合わせて先制し、後半アディショナルタイムにもボールをキープし続け、パウロ・ディバラのダメ押し点をお膳立てしている。

 前半アディショナルタイムに生まれた2点目も、カウンターからL・マルティネスのコース、タイミングともに文句なしのスルーパスを受け、アンヘル・ディ・マリアが軽くボールを浮かせてゴールネットに突き刺した秀逸のもの。敵陣での攻撃力だけでなく、凄まじいプレッシャーをかけてイタリア代表DFからボールを奪取する様は、ひと際、アルゼンチン代表の強さと勢いを際立たせた。
  リオネル・スカローニ監督率いる「アルビセレステス」は、これで32戦無敗(21勝11分け)を達成。これは1991〜93年におけるアルフィオ・バシーレ体制下での記録(31試合※FIFAの認可を受けていない2試合を除外)を29年ぶりに更新するもので、今回破ったイタリアが昨年に樹立した37試合という世界記録の更新も期待される。

 好調ぶりを示しているアルゼンチンだが、指揮官は「我々は成熟を続けており、それは強大なライバルに対しては重要なことだ。今日は予想通り、時々苦しんだものの、良い試合ができた。思った通りにやれたと思うし、非常にうまくいった」と満足感を示す一方で、「カタールW杯での優勝候補筆頭」という声には「我々は、実際にW杯を勝ち取った国と比べれば、優勝候補ではない。我々は良いチームではあるが、W杯は別物だ」と、謙虚さと慎重さを失っていない。

 一方、自身A代表で2つの目のトロフィーを手にしたメッシは、「この集団は、プレーに改善を続け、変化を加えるなどの良い仕事を果たしながら、今も成長の度合いを増している。今日の試合は、僕らが何に対しても、常に地に足がついた状態で、謙虚の姿勢を保ち、準備ができていることの証明だった。僕らは、どんなチームとも対戦する準備ができている」と胸を張り、さらに以下のように続けている。

「僕たちには、互いに強みを引き出し合う力がある。だから、どの試合でも、特に今日はそのようなプレーができた。全ての選手が平等の立場にあり、特別扱いはされないため、ポジションをめぐる競争は、細かい部分で勝敗が決することもある」 さらに「最後の試合から少し時間が空いていたので、時々疲れも感じたが、我々は互いに全力を尽くした。とても良い気分だ」と語ったメッシは、欧州王者との試合を「W杯の準々決勝や準決勝レベルの試合」と捉えており、ここで内容の伴った大勝を飾ったことで、悲願の代表レベルでの世界制覇にも手応えを感じたかもしれない。

 現在、アルゼンチンでは、フランス代表のキリアン・エムバペによる南米軽視の発言に対する反感が強まっている。そんななかで自国代表が欧州王者を“敵地”で完膚なきまでに叩きのめした結果により、SNSで若きフランス代表のエースを皮肉るコメントが多く見受けられた。日刊紙『Ole』でもそれらが取り上げられているが、同時にこれに反応した元アルゼンチン代表で現在は自国クラブのヒムナシア・ラプラタを率いるネストル・ゴロシート(1996年に横浜マリノスでもプレー)のSNSでの投稿も紹介している。

「世界がアルゼンチンの選手を必要とする理由を見せてやろう。そして、サッカーにおいて欧州が我々よりも優れているという“嘘”を終わらせてやろう。フランスの選手のほとんどは、かつてのアフリカの植民地の出身者ではないか」
  一方、敗れたイタリアでは、昨夏には2018年ロシアW杯出場を逃したアズーリを復調させ、母国にタイトルをもたらした偉大な名将として崇められたロベルト・マンチーニが「スコアが0-1の時まではバランスが取れていたが、0-2になってからはより困難になった」と試合を振り返っている。

 また、「この銀メダルは、優勝できなかったことの証だが、EUROで優勝し、3年半も無敗を継続したことで得られたものでもある。我々のキャリアの中で、それは良い瞬間であり続ける。W杯出場の資格を得られなかったことは非常に残念だが……」とも語り、自分たちの功績も強調したが、『Ole』紙は「他にこれほど誇りを持ってメダルを示したイタリア人はいないため、それは奇妙な態度にも見えた」と綴られている。

 なお、イタリアではこの一戦を最後に、2004年からアズーリの一員であり続けたジョルジョ・キエッリーニが117試合出場(歴代4位)8得点をいう記録を残して代表を引退。イタリア・サッカー連盟から記念のメダルを贈られ、チームメイトだけでなく、アルゼンチン代表の面々からも労をねぎらわれた歴史に残る43歳のDFは、自身のSNSで自国代表チームへの熱い思いを綴り、試合後には「色々ありがとう。素晴らしい旅だった」とメッセージを贈った。

構成●THE DIGEST編集部

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