元伊代表&元ローマのトンマージが故郷ヴェローナの市長に当選! 政界進出を果たした世界のサッカー選手の顔ぶれは?

元伊代表&元ローマのトンマージが故郷ヴェローナの市長に当選! 政界進出を果たした世界のサッカー選手の顔ぶれは?

故郷ヴェローナの市長となったトンマージ(左)。世界を見渡せば、ジーコ(右上)やウェア(右下)といった多くの名手たちが政界進出を果たしている。(C) Getty Images

現役時代はローマの他、国内外のクラブを渡り歩いた元イタリア代表MFのダミアーノ・トンマージが、故郷であるヴェネト州ヴェローナの市長に選出された。

 イタリアのスポーツ紙『Gazzetta dello Sport』によれば、48歳のトンマージは無所属ながら、民主党(PD)を中心とした中道左派連合の公認を受けて市長選に出馬し、決選投票では現職のフェデリコ・スボアリーナ氏の46.6%を上回る54.4%の票を獲得し、初当選を果たした。
 中田英寿も在籍していた2000-01シーズンのローマではスクデット獲得にも貢献したトンマージ。トレードマークの髭面で広く知られ、またコミュニケーション力に優れているため、契約の中に選手を代表してマスコミ対応を担当するという仕事も含まれていることが話題になったこともある彼は、「アズーリ」では2002年日韓ワールドカップに出場、現役生活を43歳(2018年)まで続けた鉄人だった。

 2011年から2018年までイタリア選手協会の会長を務め、交渉等精力的な活動をした彼は、以前から社会意識の強い人物として知られ、クラブやスポンサーに対しても数々の提言を行なうなど、政治活動の礎は早くから築かれていたようだ。

 初出馬で当選した新市長は、「簡単ではなかったが、我々はヴェローナで長く待ち望まれていたプロジェクトを参加できた。今後の難しい選択に向けて準備はできているが、今夜は全ての人に感謝し、勝利を祝いたい。(選挙では)ネガティブキャンペーンでなく、具体的な提案で戦えたことに満足している。今後、厳しい道を歩む覚悟はできている」と、喜びを表わすとともに、責任ある役割を担う上での決意の程を示した。

 果たして、現役時代とほとんど変わらぬ風貌の彼が、行政の世界でいかなる仕事を果たすのかが興味深いが、イタリアではサッカー選手が後に政治家に転じたケースは幾つもある。最も有名なのは、ミランやアズーリでMFとして創造性溢れるプレーを披露し、1969年にはバロンドールを受賞したジャンニ・リベラが1987年にキリスト教民主党所属の下院議員となり、ロマーノ・プロディ政権下では国防次官、さらに欧州議会の委員も務めている。
  かつてのオーナーとしてミランを黄金時代に導き、現在はモンツァを所有するシルビオ・ベルルスコーニは中道右派政党「フォルツァ・イタリア」を1994年に結成し、共和国首相にまで昇り詰めたが、片腕のアドリアーノ・ガッリアーニも2018年に上院議員に当選。そして、そういった存在が身近にいたせいか、ミランからは多くの選手が政治の世界に進んでいる。

 元ジョージア代表DFのカハ・カラーゼは38歳の時に母国の首都トビリシの市長となり、1995年にアフリカ人初のバロンドール受賞者となったジョージ・ウェアは2018年にリベリアの第25代大統領に就任。他にも落選したものの、名ストライカーのアンドリー・シェフチェンコはウクライナ最高議会選挙、清水エスパルスでもプレーしたFWのダニエレ・マッサーロはミラノ市議員選挙、1986年メキシコW杯のアズーリ正GKでミラン黄金時代初期の守護神だったジョバンニ・ガッリもフィレンツェ地方選挙で出馬した。 また世界的には、ボジク・ヨジェフ(ハンガリー国会議員)、アルベルト・グドムンドソン(アイスランド国会議員)、ペレ(ブラジル・スポーツ特別大臣)、ジーコ(ブラジル・スポーツ大臣)、オレグ・ブロヒン(ウクライナ国会議員)、グジェゴシュ・ラトー(ポーランド上院議員)、マルク・ヴィルモッツ(ベルギー上院議員)、ロマン・パブリュチェンコ(ロシア下院議員)、ティティ・カマラ(ギニア・スポーツ大臣)、ロマーリオ(ブラジル下院議員)、ハカン・シュクル(トルコ国会議員)といった前例もある。

 日本では、今なお史上最高のストライカーである釜本邦茂氏が1995年から参議院議員を務めた他、多くの選手が地方議員として活動している。サッカー選手の知名度やステータスは時代の経過とともに高くなる一方であり、これを活かして(政治家も利用しようとするだろう)今後も多くの選手たちが、ユニホームからスーツに装いを変え、政治の世界で新たな活躍を見せることだろう。

構成●THE DIGEST編集部

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