480億円の大補強のチェルシーには手厳しい評価も。冬の移籍市場における戦力補強を海外メディアが採点!
2023年02月02日 06時00分THE DIGEST

ウクライナの至宝ムドリクを獲得したチェルシーには、高評価が相次いだ一方で、手厳しい声も相次いだ。(C)Getty Images
冬の移籍市場が欧州主要リーグで幕を閉じ、各クラブは戦力補強を終えて、シーズン終盤戦に臨む。
今後の各リーグの行方にも大きな影響を与える移籍市場で、今冬にうまく立ち回ったクラブ、逆に思い通りに動けなかったクラブはどこか? これについて各国メディアは、勝者と敗者の区分、A~Dのランク付けなど、様々な形で評価を下している。
プレミアリーグに限定して評価した英スポーツ専門チャンネル『Sky Sports』は、英国記録となる1億680万ポンド(約171億円)でベンフィカからエンソ・フェルナンデスを引き抜くなど、8選手を加えるのに、他クラブの5倍以上となる3億ポンド(約480億円)以上を費やしたチェルシーを当然ながら「勝者」に挙げた。
さらにレアンドロ・トロサールをアーセナルに売却するも、三笘薫の活躍でこの穴を埋め、モイセス・カイセドを残留させ、例年通り若手育成に重点を置いた補強を展開したブライトンも「勝者」とした。
他には、長く注目してきたシャフタール・ドネツクのミハイロ・ムドリクを土壇場で取り逃がしたものの、トロサールがそれ以上の働きをすでに見せており、スペツィアのCBヤクブ・キビオル、さらに最終日にチェルシーからMFジョルジーニョも獲得し、「全てのポジションが強化された」というリーグ首位のアーセナル、昨年1月にアメリカ人ビジネスマンに買収され、積極的な補強を展開したボーンマス、レンタルでの補強が目立ったマンチェスター・ユナイテッド、そして6選手を獲得したウォルバーハンプトンも、「勝者」に含まれている。
一方、「敗者」として真っ先に挙がったのは、下位に沈んでフランク・ランパードからショーン・ダイチに監督が代わった一方で、下部組織からの昇格以外には戦力補強が成らなかったエバートン。続いてジョアン・カンセロがバイエルンに去り、チームの弱体化が懸念されるマンチェスター・シティ、コディ・ガクポをPSVから獲得するも、懸案だった中盤の補強に失敗したリバプールといった強豪も、今冬の補強は「失敗だった」と判定された。 米国の大手スポーツサイト『Bleacher Report』も同様の方式で、「勝者」にチェルシー、アーセナル、マンU。「敗者」にマージーサイドの2クラブ(リバプール、エバートン)という点は『Sky Sports』と同様だった。
しかし、こちらは前者にユベントスからレンタルで加わったウェストン・マッケニーがタイラー・アダムスやブレンダン・アーロンソンといった既存の米国代表選手との好融合を引き起こすことが期待できるリーズ、後者にはウォルバーハンプトンの積極補強によって今後の苦戦が予想される「残留争いのライバルたち」が挙げられている。
同じく米大手放送局のスポーツサイト『CBS SPORTS』は、欧州主要クラブに注目し、A~Dでランク付け。「A+」はやはり全ポジションが強化されたことを評価されたアーセナル、「A-」はヤン・ゾマー(←ボルシアMG)、カンセロ、ダレイ・ブリント(←アヤックス)の獲得でチーム力アップが期待できるバイエルン。チェルシーが意外にも「C+」とされたのは、チャンピオンズ・リーグ出場権の獲得が難しい状況(現在10位)でこの大型補強があらゆる面で裏目に出る危険性があるためだ。
続いて、「C-」は夏の大型補強の影響で堅実さに舵を切ったマンU、「D-」は中盤の創造性を大幅にアップさせることが期待されたチェルシーのハキム・ジイェフと合意に達しながら、チェルシーの不手際で移籍手続きが間に合わなかった他、インテルのミラン・シュクリニアルの獲得もならず、守備の層に厚みを加えられなかったパリ・サンジェルマンとなった。
同じく「D-」は、経営陣の不正で勝点15剥奪という厳しいペナルティーを科せられた湯ベントスで、財政面に不安を残した状態でマッケニーをレンタルで放出した一方、効果的な補強はならず。そして、同じく同ランクに含まれたマンCは、適切な後任のいないカンセロの放出を同メディアは「自傷行為となる可能性がある」と指摘している。
また同メディアは、クラブ単位だけでなく、各案件についても評価を下しており、「勝者」にはグレアム・ポッター監督の下で中盤の再構築が始まるチェルシーで中心となることが期待されるフェルナンデス、クリスティアン・エリクセンの負傷で急遽、マンUから白羽の矢が立ったバイエルンのマルセル・ザビツァー、そしてアーセナルでプレミア王者の資格を得られる可能性が出てきたジョルジーニョが選定された。
一方「敗者」には、パリSGで輝ける可能性があったにもかかわらず、チェルシーのミスでこれを阻まれた「少しずつ忘れられていた男」ジイェフ、同じく今冬のパリSG行きがならず、すでに残留を拒否しているインテルで残りのシーズンを過ごすことになったシュクリニアルの他、土壇場でウニオン・ベルリン行きが破談となったセビージャのイスコ、チェルシーやアーセナルが獲得を狙い、自身もSNSで移籍を希望したが、結局はブライトン残留となり、一部から批判を浴びたカイセドが名を連ねている。
構成●THE DIGEST編集部
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今後の各リーグの行方にも大きな影響を与える移籍市場で、今冬にうまく立ち回ったクラブ、逆に思い通りに動けなかったクラブはどこか? これについて各国メディアは、勝者と敗者の区分、A~Dのランク付けなど、様々な形で評価を下している。
プレミアリーグに限定して評価した英スポーツ専門チャンネル『Sky Sports』は、英国記録となる1億680万ポンド(約171億円)でベンフィカからエンソ・フェルナンデスを引き抜くなど、8選手を加えるのに、他クラブの5倍以上となる3億ポンド(約480億円)以上を費やしたチェルシーを当然ながら「勝者」に挙げた。
さらにレアンドロ・トロサールをアーセナルに売却するも、三笘薫の活躍でこの穴を埋め、モイセス・カイセドを残留させ、例年通り若手育成に重点を置いた補強を展開したブライトンも「勝者」とした。
他には、長く注目してきたシャフタール・ドネツクのミハイロ・ムドリクを土壇場で取り逃がしたものの、トロサールがそれ以上の働きをすでに見せており、スペツィアのCBヤクブ・キビオル、さらに最終日にチェルシーからMFジョルジーニョも獲得し、「全てのポジションが強化された」というリーグ首位のアーセナル、昨年1月にアメリカ人ビジネスマンに買収され、積極的な補強を展開したボーンマス、レンタルでの補強が目立ったマンチェスター・ユナイテッド、そして6選手を獲得したウォルバーハンプトンも、「勝者」に含まれている。
一方、「敗者」として真っ先に挙がったのは、下位に沈んでフランク・ランパードからショーン・ダイチに監督が代わった一方で、下部組織からの昇格以外には戦力補強が成らなかったエバートン。続いてジョアン・カンセロがバイエルンに去り、チームの弱体化が懸念されるマンチェスター・シティ、コディ・ガクポをPSVから獲得するも、懸案だった中盤の補強に失敗したリバプールといった強豪も、今冬の補強は「失敗だった」と判定された。 米国の大手スポーツサイト『Bleacher Report』も同様の方式で、「勝者」にチェルシー、アーセナル、マンU。「敗者」にマージーサイドの2クラブ(リバプール、エバートン)という点は『Sky Sports』と同様だった。
しかし、こちらは前者にユベントスからレンタルで加わったウェストン・マッケニーがタイラー・アダムスやブレンダン・アーロンソンといった既存の米国代表選手との好融合を引き起こすことが期待できるリーズ、後者にはウォルバーハンプトンの積極補強によって今後の苦戦が予想される「残留争いのライバルたち」が挙げられている。
同じく米大手放送局のスポーツサイト『CBS SPORTS』は、欧州主要クラブに注目し、A~Dでランク付け。「A+」はやはり全ポジションが強化されたことを評価されたアーセナル、「A-」はヤン・ゾマー(←ボルシアMG)、カンセロ、ダレイ・ブリント(←アヤックス)の獲得でチーム力アップが期待できるバイエルン。チェルシーが意外にも「C+」とされたのは、チャンピオンズ・リーグ出場権の獲得が難しい状況(現在10位)でこの大型補強があらゆる面で裏目に出る危険性があるためだ。
続いて、「C-」は夏の大型補強の影響で堅実さに舵を切ったマンU、「D-」は中盤の創造性を大幅にアップさせることが期待されたチェルシーのハキム・ジイェフと合意に達しながら、チェルシーの不手際で移籍手続きが間に合わなかった他、インテルのミラン・シュクリニアルの獲得もならず、守備の層に厚みを加えられなかったパリ・サンジェルマンとなった。
同じく「D-」は、経営陣の不正で勝点15剥奪という厳しいペナルティーを科せられた湯ベントスで、財政面に不安を残した状態でマッケニーをレンタルで放出した一方、効果的な補強はならず。そして、同じく同ランクに含まれたマンCは、適切な後任のいないカンセロの放出を同メディアは「自傷行為となる可能性がある」と指摘している。
また同メディアは、クラブ単位だけでなく、各案件についても評価を下しており、「勝者」にはグレアム・ポッター監督の下で中盤の再構築が始まるチェルシーで中心となることが期待されるフェルナンデス、クリスティアン・エリクセンの負傷で急遽、マンUから白羽の矢が立ったバイエルンのマルセル・ザビツァー、そしてアーセナルでプレミア王者の資格を得られる可能性が出てきたジョルジーニョが選定された。
一方「敗者」には、パリSGで輝ける可能性があったにもかかわらず、チェルシーのミスでこれを阻まれた「少しずつ忘れられていた男」ジイェフ、同じく今冬のパリSG行きがならず、すでに残留を拒否しているインテルで残りのシーズンを過ごすことになったシュクリニアルの他、土壇場でウニオン・ベルリン行きが破談となったセビージャのイスコ、チェルシーやアーセナルが獲得を狙い、自身もSNSで移籍を希望したが、結局はブライトン残留となり、一部から批判を浴びたカイセドが名を連ねている。
構成●THE DIGEST編集部
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