英紙がプレミア各チームの開幕前予想を答え合わせ! 驚きの大躍進ブライトンには「南海岸のチームの未来は非常に明るい」
2023年06月02日 11時00分THE DIGEST

6位フィニッシュと予想外の大躍進を見せたブライトン。(C)Getty Images
2022-23シーズンのプレミアリーグは、マンチェスター・シティが3連覇を達成して終了。FAカップ、チャンピオンズ・リーグ(CL)の決勝にも進出し、プレミア勢では1998-99シーズンのマンチェスター・ユナイテッド以来となる「トレブル」達成の可能性も残すなど、名将ジョゼップ・グアルディオラに率いられたスカイブルーの集団の強さが感じられるシーズンとなった。
一方で、2015-16シーズンに奇跡のリーグ優勝を飾ったレスター・シティは、9勝7分け22敗という散々な成績に終わり、最終節での逆転残留に望みを懸けるも叶わず(ライバルのエバートンも勝利)、10シーズンぶりのチャンピオンシップ(2部)降格を余儀なくされている。
このように、期待通りの結果を残したクラブもあれば、予想外の躍進、逆に不甲斐ない成績に終わったクラブなど、世界最高峰リーグの20チームには様々な顔があったが、英国の日刊紙『The Guardian』は、今シーズンを振り返る上で、開幕前の予想記事を改めて掲載しながら、各クラブを総括。その比較は興味深いものとなった。
王者マンCについて、開幕戦に同メディアは「CL優勝こそが最大目標だが、国内で首位に手が届かないことは、彼らにとっての失望となるだろう。リバプールの進化と向上により、タイトル争いには少なくともこの“2強”が確実に加わるだろう」として「優勝」を予想したが、それから約9か月間を、以下のように回想している。
「リバプールがタイトル争いから姿を消し、アーセナルが追い込みで勢いを失ったことが、直近の6年間で5つ目のタイトルをマンCにもたらした。コミュニティシールドで出遅れたにもかかわらず、一部の専門家が彼の加入が間違いであることを証明するのではないかと懸念していた時、アーリング・ハーランドのゴールはチームを新たな次元に導いた。そして、トレブルの可能性はかなり高いと思われる」
同メディアが予想したリバプールの代わりにマンCの前に立ちはだかり、終盤まで首位を守ったアーセナルは「5位」予想で、「ガブリエウ・ジェズスとオレクサンドル・ジンチェンコという“勝者”2人に約7500万ポンド(約121億円)を費やすことは、非常に価値があるように見える」とポジティブに綴られていたが、「ポールポジションを獲得するも、選手層の薄さと経験不足により、最終的には力を失った。飛躍のシーズンであったと同時に、チャンスを逃した痛ましいシーズンでもあった」と、総括はネガティブな内容となった。 マンUは昨シーズン同様の「6位」と予想され、「エリック・テン・ハフがチームを4位に引き上げるとすれば、それは小さな奇跡だろう」と悲観的に展望が綴られたが、実際は3位フィニッシュ。「30年ぶりの開幕2連敗という悲惨なスタートも、カゼミーロとの契約と、3節リバプール戦の勝利が状況を好転させ、彼らに自信を与えた。リーグカップで優勝し、FAカップとの二冠の可能性も残っているが、多くのファンはライバルの三冠達成を目撃することを恐れている。ペップのチームとの差は依然として大きい」。
また、サウジアラビア資本の導入でその動向が常に注目されるニューカッスルは、11位から「7位」への前進が予想されるも、実際はそれを大きく上回ってCL出場圏内の4位でフィニッシュ。同メディアは「38試合で失点わずか33はマンCと並んでリーグ最少で、リーグカップも決勝進出。重要なのは、トップ4入りがこの夏により多くの選手を惹きつけるのに役立つことだろう」と評価した。
なお、同メディアはニューカッスルを率いたエディ・ハウ監督については、開幕前にも「賢明なチーム作りと采配により、昨シーズン後半からチームを変革した」と賛辞を贈るとともに、「前任者スティーブ・ブルースの後釜として、当初はウナイ・エメリが候補に浮上していたことを思い出し、身震いしたものだ」とも綴っていたが、シーズン後は「ハウは称賛に値するが、エメリ(アストン・ビラをヨーロッパ・カンファレンスリーグ出場圏内の7位に導いた)もクラブを欧州に導く方法を熟知している」と“フォロー”を忘れていない。
そして、クラブ史上初となる欧州カップ出場権獲得(6位)という大躍進で、最大のサプライズを提供したと言えるブライトンは、開幕前の予想は「12位」。「グレアム・ポッター監督は、チーム得点王のニール・モパイ(→エバートン)が記録した9ゴール以上の得点ができるストライカーを見つけることがチャンスの鍵となるのを知っているだろう」と指摘していた同メディアの、総括は以下の通りである。
「ポッター監督は序盤にチェルシーに引き抜かれ、後にわずか半年で解雇されたが、ブライトンは後任のロベルト・デ・ゼルビの下でも成長を続け、現在は初めての欧州カップ戦に向けて準備をしている。今夏はさらに多くの選手を引き抜かれると予想され、特に今シーズンのチーム得点王であるアレクシス・マク・アリステルとモイセス・カイセドを失うことになるだろうが、それでも南海岸のチームの未来は非常に明るい」
ブライトンとは対照的に、次々に大枚をはたいて選手や監督を買い漁るも、12位に終わったチェルシーについて、同メディアは開幕前に「クラブの新共同オーナー兼暫定スポーツディレクターであるトッド・ベーリーによる人材補強は心強い」と好意的に見て「4位」を予想したが、今やシーズンを振り返って「全くの惨事だった。支出は肥大化し、混沌としたチームを生み出すだけであり、首脳陣には継続性がなかった」と批判した。
最後に、18位に沈んだレスターだが、開幕前には「彼らは再び欧州の挑戦者となるか、それとも中位の平凡な順位でストレスのない快適な環境に定着するのか?」と同メディアは綴り、予想順位も「9位」と、全く降格には言及していなかった。まさに予想外の結末となり、「レスターは我々に衝撃を与えたが、それは良い意味ではなかった。彼らのファンは、今なら中位の平凡さのストレスのない快適さを確実に気に入るだろう」と皮肉ってもいる。
ちなみに、同メディアの開幕前の順位予想と結果が一致したのは、マンC(1位)、クリスタル・パレス(11位)、ウォルバーハンプトン(13位)の3チーム。一番乖離したのは、フルアム(予想19位→結果10位)とレスター(9位→18位)だった。
構成●THE DIGEST
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一方で、2015-16シーズンに奇跡のリーグ優勝を飾ったレスター・シティは、9勝7分け22敗という散々な成績に終わり、最終節での逆転残留に望みを懸けるも叶わず(ライバルのエバートンも勝利)、10シーズンぶりのチャンピオンシップ(2部)降格を余儀なくされている。
このように、期待通りの結果を残したクラブもあれば、予想外の躍進、逆に不甲斐ない成績に終わったクラブなど、世界最高峰リーグの20チームには様々な顔があったが、英国の日刊紙『The Guardian』は、今シーズンを振り返る上で、開幕前の予想記事を改めて掲載しながら、各クラブを総括。その比較は興味深いものとなった。
王者マンCについて、開幕戦に同メディアは「CL優勝こそが最大目標だが、国内で首位に手が届かないことは、彼らにとっての失望となるだろう。リバプールの進化と向上により、タイトル争いには少なくともこの“2強”が確実に加わるだろう」として「優勝」を予想したが、それから約9か月間を、以下のように回想している。
「リバプールがタイトル争いから姿を消し、アーセナルが追い込みで勢いを失ったことが、直近の6年間で5つ目のタイトルをマンCにもたらした。コミュニティシールドで出遅れたにもかかわらず、一部の専門家が彼の加入が間違いであることを証明するのではないかと懸念していた時、アーリング・ハーランドのゴールはチームを新たな次元に導いた。そして、トレブルの可能性はかなり高いと思われる」
同メディアが予想したリバプールの代わりにマンCの前に立ちはだかり、終盤まで首位を守ったアーセナルは「5位」予想で、「ガブリエウ・ジェズスとオレクサンドル・ジンチェンコという“勝者”2人に約7500万ポンド(約121億円)を費やすことは、非常に価値があるように見える」とポジティブに綴られていたが、「ポールポジションを獲得するも、選手層の薄さと経験不足により、最終的には力を失った。飛躍のシーズンであったと同時に、チャンスを逃した痛ましいシーズンでもあった」と、総括はネガティブな内容となった。 マンUは昨シーズン同様の「6位」と予想され、「エリック・テン・ハフがチームを4位に引き上げるとすれば、それは小さな奇跡だろう」と悲観的に展望が綴られたが、実際は3位フィニッシュ。「30年ぶりの開幕2連敗という悲惨なスタートも、カゼミーロとの契約と、3節リバプール戦の勝利が状況を好転させ、彼らに自信を与えた。リーグカップで優勝し、FAカップとの二冠の可能性も残っているが、多くのファンはライバルの三冠達成を目撃することを恐れている。ペップのチームとの差は依然として大きい」。
また、サウジアラビア資本の導入でその動向が常に注目されるニューカッスルは、11位から「7位」への前進が予想されるも、実際はそれを大きく上回ってCL出場圏内の4位でフィニッシュ。同メディアは「38試合で失点わずか33はマンCと並んでリーグ最少で、リーグカップも決勝進出。重要なのは、トップ4入りがこの夏により多くの選手を惹きつけるのに役立つことだろう」と評価した。
なお、同メディアはニューカッスルを率いたエディ・ハウ監督については、開幕前にも「賢明なチーム作りと采配により、昨シーズン後半からチームを変革した」と賛辞を贈るとともに、「前任者スティーブ・ブルースの後釜として、当初はウナイ・エメリが候補に浮上していたことを思い出し、身震いしたものだ」とも綴っていたが、シーズン後は「ハウは称賛に値するが、エメリ(アストン・ビラをヨーロッパ・カンファレンスリーグ出場圏内の7位に導いた)もクラブを欧州に導く方法を熟知している」と“フォロー”を忘れていない。
そして、クラブ史上初となる欧州カップ出場権獲得(6位)という大躍進で、最大のサプライズを提供したと言えるブライトンは、開幕前の予想は「12位」。「グレアム・ポッター監督は、チーム得点王のニール・モパイ(→エバートン)が記録した9ゴール以上の得点ができるストライカーを見つけることがチャンスの鍵となるのを知っているだろう」と指摘していた同メディアの、総括は以下の通りである。
「ポッター監督は序盤にチェルシーに引き抜かれ、後にわずか半年で解雇されたが、ブライトンは後任のロベルト・デ・ゼルビの下でも成長を続け、現在は初めての欧州カップ戦に向けて準備をしている。今夏はさらに多くの選手を引き抜かれると予想され、特に今シーズンのチーム得点王であるアレクシス・マク・アリステルとモイセス・カイセドを失うことになるだろうが、それでも南海岸のチームの未来は非常に明るい」
ブライトンとは対照的に、次々に大枚をはたいて選手や監督を買い漁るも、12位に終わったチェルシーについて、同メディアは開幕前に「クラブの新共同オーナー兼暫定スポーツディレクターであるトッド・ベーリーによる人材補強は心強い」と好意的に見て「4位」を予想したが、今やシーズンを振り返って「全くの惨事だった。支出は肥大化し、混沌としたチームを生み出すだけであり、首脳陣には継続性がなかった」と批判した。
最後に、18位に沈んだレスターだが、開幕前には「彼らは再び欧州の挑戦者となるか、それとも中位の平凡な順位でストレスのない快適な環境に定着するのか?」と同メディアは綴り、予想順位も「9位」と、全く降格には言及していなかった。まさに予想外の結末となり、「レスターは我々に衝撃を与えたが、それは良い意味ではなかった。彼らのファンは、今なら中位の平凡さのストレスのない快適さを確実に気に入るだろう」と皮肉ってもいる。
ちなみに、同メディアの開幕前の順位予想と結果が一致したのは、マンC(1位)、クリスタル・パレス(11位)、ウォルバーハンプトン(13位)の3チーム。一番乖離したのは、フルアム(予想19位→結果10位)とレスター(9位→18位)だった。
構成●THE DIGEST
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