ポステコグルー監督のトッテナム行きが与える影響は!? “障害”が消えた古橋享梧ら日本人選手、指揮官お気に入りの三笘薫、“草刈り場”セルティック…
2023年06月07日 21時05分THE DIGEST

トッテナムの監督に就任したポステコグルー。(C)Getty Images
今季、セルティックを国内三冠に導いたアンジェ・ポステコグルー監督が、来季からプレミアリーグのトッテナム・ホットスパーを率いることが現地時間6月6日に発表された。
シーズン途中でのアントニオ・コンテ監督退任後、クリスティアン・ステッリーニ、ライアン・メイソンと暫定監督が続くなど、混乱の時期が続いた後、ポステコグルーを4年契約で招聘したトッテナムのダニエル・レビー会長は、「アンジェは、ポジティブなメンタリティーと速くて攻撃的なプレースタイルを我々にもたらしてくれるだろう。選手育成においても豊富な実績を持ち、アカデミーの重要性、つまり当クラブにとって重要なもの全てを理解している」と、オーストラリア人監督に期待を寄せている。
セルティックでの2シーズンで5つのタイトルを勝ち取り、最優秀監督にも選定されたポステコグルー監督は、監督キャリアにおいて大きな飛躍を遂げたクラブを去るにあたり、「セルティックは私がここでの在籍期間を延長することを望んでくれたが、私には新しいチャンスが与えられた。それは、私が探求したかったものだ」と語り、セルティックのマイケル・ニコルソンCEOは「アンジェを失うことは本当に残念だが、彼の新たな挑戦に臨むという決断を尊重した」と功労者の退団を惜しんだ。
母国クラブ、代表チーム、Jリーグの横浜F・マリノスなどを歴任し、セルティックを経てついに世界最高峰リーグの監督となった57歳。輝かしいステップアップと言えるが、新天地は今季のリーグを8位で終えて欧州カップ出場権を取り逃すなど厳しいシーズンを過ごし、前述のように監督人事が混乱した他、強化で重要な役割を担うフットボールディレクター(FD)も4月にファビオ・パラティチが辞任して以来、空位となってしまっているなど、多くの問題を抱えており、これらの解決に新指揮官も全力を注ぐ必要がある。
スコットランドの日刊紙『THE SCOTSMAN』は、ポステコグルー監督のトッテナムでの「大きなタスク」を挙げており、レビー会長とともに新FDを早急に見つけること、ロッカールーム内での秩序の構築、マウリシオ・ポチェティーノやロベルト・デ・ゼルビらの就任を望んでいた“懐疑派”を早期に納得させること、トップ4入りへの挑戦などとともに、「最も差し迫った課題」としてエースのハリー・ケインの去就問題の完結を挙げている。
チームのエースであり、最大の得点源であるイングランド代表キャプテンは2024年までの契約を残しているが、現在、レアル・マドリー、マンチェスター・ユナイテッド、バイエルン・ミュンヘンら国内外のビッグクラブ行きの可能性があるとされ、ポステコグルー監督は29歳のストライカーの残留を望んでいるものの、同時に彼の売却益による“後釜”の獲得にも目を向ける必要があると同メディアは記述。そして、何よりも「迅速な決断」が重要だと指摘した。
この後釜の獲得という点では、ポステコグルー監督がセルティックでの手法を引き続き採用するとの見方が強い。つまりは、日本人選手の重用であり、実際にこれまで共闘して素晴らしい結果を残した古橋享梧や旗手怜央といった選手については、複数の現地メディアが指揮官を追ってトッテナム入りする可能性を示唆している。
英国の日刊紙『THE Sun』は、トッテナムが古橋に3000万ポンド(約48億円)を支払う準備があると報じ、サッカー専門サイト『90min』は、ポステコグルー監督の就任によって今季のリーグで計44ゴール・21アシストを生み出した古橋、旗手、ジョッタのトリオの総取りを狙っており、セルティックを心配させていると伝えた。
日本人選手の獲得については『Daily Record』紙が、英国・内務省が近日中に外国人に対する労働許可規制を緩和する予定であり、これによって日本代表歴の多くない古橋、旗手のプレミアリーグ参戦に向けての障害が取り払われることになると報道。ちなみにスコットランドでは、2021年12月に適用除外が認められたことで、ポステコグルー監督は翌月に旗手、前田大然、井手口陽介の3人を一気に獲得し、以降もこの“路線”を継続してきた。
プレミアリーグの日本人選手といえば、三苫薫が今季、ブライトンでいきなり大ブレイクを果たしたが、地元メディア『Sussex Express』は以前、ポステコグルー監督が2021年に日本人選手を獲得する際、古橋とともに三笘に注目し、獲得を熱望していたことを紹介した上で、「彼への関心を再燃させるかどうかは定かでないが、ポステコグルー監督は依然として三笘の大ファンである」と報じている。
ちなみにポステコグルー監督は、新天地には自身だけでなく、アシスタントのジョン・ケネディ、コーチのギャビン・ストラカンらも同行させたいと考えているようだ。『Daily Record』紙によれば、セルティックの生え抜き選手でもあった39歳のケネディはクラブに対し、「トッテナムに加わりたい」との意思を伝えたとのことだが、「苦境に立たされているセルティックは、主要メンバーをさらに失うことを躊躇している」という。
英国公共放送『BBC』は、セルティックの後任監督候補として、ケティル・クヌッセン、エンツォ・マレスカ、ピーター・ボス、フランチェスコ・ファリオーリ、パスカル・ヤンセン、フィリップ・クレマン、パトリック・ヴィエラ、グレアム・ポッター、ケビン・マスカット、マイケル・キャリック、マルセロ・ガジャルド、デイビッド・モイーズ、ブレンダン・ロジャースといった名前を並べたが、選手からも敬愛され、セルティックでの経験も豊富なケネディも「チームに安定と結束力を提供する」として有力視している。
「セルティック首脳陣は、この日がこんなに早く来ることを望んでいなかった。皮肉なことに、この2シーズンでクラブが受けた最大のプレッシャーは、最初に全てのプレッシャーを和らげてくれた男の退団によって生み出されたということだ」と、同メディアはポステコグルー監督退団がセルティックに与えた影響の大きさを表現。スコットランドの絶対王者が、今夏にスタッフ陣、チームともに骨抜き状態にされてしまうのか、要注目である。
構成●THE DIGEST編集部
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シーズン途中でのアントニオ・コンテ監督退任後、クリスティアン・ステッリーニ、ライアン・メイソンと暫定監督が続くなど、混乱の時期が続いた後、ポステコグルーを4年契約で招聘したトッテナムのダニエル・レビー会長は、「アンジェは、ポジティブなメンタリティーと速くて攻撃的なプレースタイルを我々にもたらしてくれるだろう。選手育成においても豊富な実績を持ち、アカデミーの重要性、つまり当クラブにとって重要なもの全てを理解している」と、オーストラリア人監督に期待を寄せている。
セルティックでの2シーズンで5つのタイトルを勝ち取り、最優秀監督にも選定されたポステコグルー監督は、監督キャリアにおいて大きな飛躍を遂げたクラブを去るにあたり、「セルティックは私がここでの在籍期間を延長することを望んでくれたが、私には新しいチャンスが与えられた。それは、私が探求したかったものだ」と語り、セルティックのマイケル・ニコルソンCEOは「アンジェを失うことは本当に残念だが、彼の新たな挑戦に臨むという決断を尊重した」と功労者の退団を惜しんだ。
母国クラブ、代表チーム、Jリーグの横浜F・マリノスなどを歴任し、セルティックを経てついに世界最高峰リーグの監督となった57歳。輝かしいステップアップと言えるが、新天地は今季のリーグを8位で終えて欧州カップ出場権を取り逃すなど厳しいシーズンを過ごし、前述のように監督人事が混乱した他、強化で重要な役割を担うフットボールディレクター(FD)も4月にファビオ・パラティチが辞任して以来、空位となってしまっているなど、多くの問題を抱えており、これらの解決に新指揮官も全力を注ぐ必要がある。
スコットランドの日刊紙『THE SCOTSMAN』は、ポステコグルー監督のトッテナムでの「大きなタスク」を挙げており、レビー会長とともに新FDを早急に見つけること、ロッカールーム内での秩序の構築、マウリシオ・ポチェティーノやロベルト・デ・ゼルビらの就任を望んでいた“懐疑派”を早期に納得させること、トップ4入りへの挑戦などとともに、「最も差し迫った課題」としてエースのハリー・ケインの去就問題の完結を挙げている。
チームのエースであり、最大の得点源であるイングランド代表キャプテンは2024年までの契約を残しているが、現在、レアル・マドリー、マンチェスター・ユナイテッド、バイエルン・ミュンヘンら国内外のビッグクラブ行きの可能性があるとされ、ポステコグルー監督は29歳のストライカーの残留を望んでいるものの、同時に彼の売却益による“後釜”の獲得にも目を向ける必要があると同メディアは記述。そして、何よりも「迅速な決断」が重要だと指摘した。
この後釜の獲得という点では、ポステコグルー監督がセルティックでの手法を引き続き採用するとの見方が強い。つまりは、日本人選手の重用であり、実際にこれまで共闘して素晴らしい結果を残した古橋享梧や旗手怜央といった選手については、複数の現地メディアが指揮官を追ってトッテナム入りする可能性を示唆している。
英国の日刊紙『THE Sun』は、トッテナムが古橋に3000万ポンド(約48億円)を支払う準備があると報じ、サッカー専門サイト『90min』は、ポステコグルー監督の就任によって今季のリーグで計44ゴール・21アシストを生み出した古橋、旗手、ジョッタのトリオの総取りを狙っており、セルティックを心配させていると伝えた。
日本人選手の獲得については『Daily Record』紙が、英国・内務省が近日中に外国人に対する労働許可規制を緩和する予定であり、これによって日本代表歴の多くない古橋、旗手のプレミアリーグ参戦に向けての障害が取り払われることになると報道。ちなみにスコットランドでは、2021年12月に適用除外が認められたことで、ポステコグルー監督は翌月に旗手、前田大然、井手口陽介の3人を一気に獲得し、以降もこの“路線”を継続してきた。
プレミアリーグの日本人選手といえば、三苫薫が今季、ブライトンでいきなり大ブレイクを果たしたが、地元メディア『Sussex Express』は以前、ポステコグルー監督が2021年に日本人選手を獲得する際、古橋とともに三笘に注目し、獲得を熱望していたことを紹介した上で、「彼への関心を再燃させるかどうかは定かでないが、ポステコグルー監督は依然として三笘の大ファンである」と報じている。
ちなみにポステコグルー監督は、新天地には自身だけでなく、アシスタントのジョン・ケネディ、コーチのギャビン・ストラカンらも同行させたいと考えているようだ。『Daily Record』紙によれば、セルティックの生え抜き選手でもあった39歳のケネディはクラブに対し、「トッテナムに加わりたい」との意思を伝えたとのことだが、「苦境に立たされているセルティックは、主要メンバーをさらに失うことを躊躇している」という。
英国公共放送『BBC』は、セルティックの後任監督候補として、ケティル・クヌッセン、エンツォ・マレスカ、ピーター・ボス、フランチェスコ・ファリオーリ、パスカル・ヤンセン、フィリップ・クレマン、パトリック・ヴィエラ、グレアム・ポッター、ケビン・マスカット、マイケル・キャリック、マルセロ・ガジャルド、デイビッド・モイーズ、ブレンダン・ロジャースといった名前を並べたが、選手からも敬愛され、セルティックでの経験も豊富なケネディも「チームに安定と結束力を提供する」として有力視している。
「セルティック首脳陣は、この日がこんなに早く来ることを望んでいなかった。皮肉なことに、この2シーズンでクラブが受けた最大のプレッシャーは、最初に全てのプレッシャーを和らげてくれた男の退団によって生み出されたということだ」と、同メディアはポステコグルー監督退団がセルティックに与えた影響の大きさを表現。スコットランドの絶対王者が、今夏にスタッフ陣、チームともに骨抜き状態にされてしまうのか、要注目である。
構成●THE DIGEST編集部
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