ロナウドに続いてベンゼマ、さらに続々と…獲得候補リストにはビッグネームの名前がズラリ! 莫大な投資でスター選手を集めるサウジアラビアの野望とは
2023年06月08日 17時02分THE DIGEST

アル・イテハドへの入団が決まったベンゼマ。(C)Getty Images
サウジアラビア・プロフェッショナルリーグのアル・イテハドは現地時間6月7日、14シーズンを過ごしたレアル・マドリーを退団した、元フランス代表FWのカリム・ベンゼマを獲得したと発表した。
マドリードのスポーツ紙『MARCA』によると、契約期間は2025年までで、さらに1年延長のオプション付き。年俸1億ユーロ(約150億円)に加え、サウジアラビアの2030年ワールドカップ誘致でアンバサダーを務める報酬として2000万ユーロ(約30億円)が別に支払われることになるという。
かつてバレンシアやトッテナムを率いたポルトガル人のヌーノ・エスピリト・サントが監督を務めるアル・イテハドは今季、14シーズンぶりのリーグ優勝を飾っており、ベンゼマは来季、AFCチャンピオンズリーグに出場することになる。また国内リーグでは、1月にアル・ナスルに加入したマドリー時代のチームメイトであるクリスティアーノ・ロナウドとの対戦も興味深いところだ。
このように、新たなスター選手の招聘に成功したサウジアラビア。2年総額12億ユーロ(約1800億円)という信じられない額でのオファーが報じられたリオネル・メッシについては、MLS(インテル・マイアミ)行きの決断によって破談したともいわれているが、同国は他にも多くのワールドクラスの獲得を狙っており、『スカイ・イタリア』のファブリツィオ・ロマーノ記者によれば、チェルシーのMFエヌゴロ・カンテ(32歳)とも本格的な契約交渉を進めているという。
また通信社『AFP』は、サウジアラビアの国外からのサッカー選手の獲得候補リストに10人以上のビッグネームの名前が掲載されていると報道。具体的には、カンテの他、ルカ・モドリッチ、ユーゴ・ロリス、セルヒオ・ラモス、ジョルディ・アルバ、セルヒオ・ブスケッツ、アンヘル・ディ・マリア、ロベルト・フィルミーノらで、サウジアラビアの観光大使を務めるメッシも依然としてターゲットに含まれている。 一昨年にイングランドのニューカッスルを買収するなど、サッカー界で存在感を増しているサウジアラビアだが、このところの活発な動きは、6月5日に同国のムハンマド・ビン・サルマン皇太子主導で始動した国内スポーツへの投資プロジェクト「ビジョン2030」と無関係ではない。
2030年までに、同国の様々なスポーツにおいてグローバルレベルでも活躍できるアスリートを育成することを目標としており、とりわけサッカーについては国内リーグを世界のトップ10に入るレベルに引き上げることを目指し、収益や市場価値を現状から飛躍的に上昇させることも目標としている。
その一環として、首都リャドの4クラブ、アル・ヒラル、アル・ナスリ、アル・イテハド、アル・アハリを国営化。サウジアラビアの政府系ファンドが各クラブの資本の75%を所有して経営権を握り、多額の投資を行なう。米国の日刊紙『The New York Times』によれば、少なくとも20人のワールドクラスの選手を招聘する予定で、最大10億ドル(約1400億円)の資金を調達しているという。
しかし、このプロジェクトから漏れたリャドのクラブであるアル・シャバブのハリド・アル・バルタン会長は、これによってさらにクラブ間の格差が広がると不満を露にしており、「財政状況で(この4クラブに)太刀打ちできない。私の車は日本車の小さなセダンなのに、なぜかランボルギーニやフェラーリとレースをすることを強いられている。これで負けても、私のせいなのか? 全く意味がないことだ」と語っている。
潤沢な資金によってワールドクラスの選手を多く集めることでリーグを盛り上げようという手法は、古くは米国の北米リーグ(NASL)、そして最近では中国スーパーリーグやインドスーパーリーグが思い出されるが、いずれも効果は一時的なものに終わっている。しかし、そういった前例にもかかわらず、サウジアラビアは世界に自国の影響力を拡大させるのに、強みを最大限に活かすことに躊躇はないようだ。
すでに、イタリアやスペインのスーパーカップを多額のスポンサーマネーで招聘して開催してきたアラブで最も裕福な国は、アフリカの強豪20チームによる「アフリカン・スーパーリーグ」でもスポンサーとして2億ドル(約280億円)の契約締結に近づいており、この大会の賞金はCAFチャンピオンズ・リーグの約4倍だという。
ブラジルの総合メディア『globo』は、こうした投資の最終目的は、2030年ワールドカップ招致というサウジアラビアの野望であり、実際に開催国が決定する2024年のFIFA総会において、この中東の大国はライバルにとって強力な競争相手になると予想している。
構成●THE DIGEST編集部
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マドリードのスポーツ紙『MARCA』によると、契約期間は2025年までで、さらに1年延長のオプション付き。年俸1億ユーロ(約150億円)に加え、サウジアラビアの2030年ワールドカップ誘致でアンバサダーを務める報酬として2000万ユーロ(約30億円)が別に支払われることになるという。
かつてバレンシアやトッテナムを率いたポルトガル人のヌーノ・エスピリト・サントが監督を務めるアル・イテハドは今季、14シーズンぶりのリーグ優勝を飾っており、ベンゼマは来季、AFCチャンピオンズリーグに出場することになる。また国内リーグでは、1月にアル・ナスルに加入したマドリー時代のチームメイトであるクリスティアーノ・ロナウドとの対戦も興味深いところだ。
このように、新たなスター選手の招聘に成功したサウジアラビア。2年総額12億ユーロ(約1800億円)という信じられない額でのオファーが報じられたリオネル・メッシについては、MLS(インテル・マイアミ)行きの決断によって破談したともいわれているが、同国は他にも多くのワールドクラスの獲得を狙っており、『スカイ・イタリア』のファブリツィオ・ロマーノ記者によれば、チェルシーのMFエヌゴロ・カンテ(32歳)とも本格的な契約交渉を進めているという。
また通信社『AFP』は、サウジアラビアの国外からのサッカー選手の獲得候補リストに10人以上のビッグネームの名前が掲載されていると報道。具体的には、カンテの他、ルカ・モドリッチ、ユーゴ・ロリス、セルヒオ・ラモス、ジョルディ・アルバ、セルヒオ・ブスケッツ、アンヘル・ディ・マリア、ロベルト・フィルミーノらで、サウジアラビアの観光大使を務めるメッシも依然としてターゲットに含まれている。 一昨年にイングランドのニューカッスルを買収するなど、サッカー界で存在感を増しているサウジアラビアだが、このところの活発な動きは、6月5日に同国のムハンマド・ビン・サルマン皇太子主導で始動した国内スポーツへの投資プロジェクト「ビジョン2030」と無関係ではない。
2030年までに、同国の様々なスポーツにおいてグローバルレベルでも活躍できるアスリートを育成することを目標としており、とりわけサッカーについては国内リーグを世界のトップ10に入るレベルに引き上げることを目指し、収益や市場価値を現状から飛躍的に上昇させることも目標としている。
その一環として、首都リャドの4クラブ、アル・ヒラル、アル・ナスリ、アル・イテハド、アル・アハリを国営化。サウジアラビアの政府系ファンドが各クラブの資本の75%を所有して経営権を握り、多額の投資を行なう。米国の日刊紙『The New York Times』によれば、少なくとも20人のワールドクラスの選手を招聘する予定で、最大10億ドル(約1400億円)の資金を調達しているという。
しかし、このプロジェクトから漏れたリャドのクラブであるアル・シャバブのハリド・アル・バルタン会長は、これによってさらにクラブ間の格差が広がると不満を露にしており、「財政状況で(この4クラブに)太刀打ちできない。私の車は日本車の小さなセダンなのに、なぜかランボルギーニやフェラーリとレースをすることを強いられている。これで負けても、私のせいなのか? 全く意味がないことだ」と語っている。
潤沢な資金によってワールドクラスの選手を多く集めることでリーグを盛り上げようという手法は、古くは米国の北米リーグ(NASL)、そして最近では中国スーパーリーグやインドスーパーリーグが思い出されるが、いずれも効果は一時的なものに終わっている。しかし、そういった前例にもかかわらず、サウジアラビアは世界に自国の影響力を拡大させるのに、強みを最大限に活かすことに躊躇はないようだ。
すでに、イタリアやスペインのスーパーカップを多額のスポンサーマネーで招聘して開催してきたアラブで最も裕福な国は、アフリカの強豪20チームによる「アフリカン・スーパーリーグ」でもスポンサーとして2億ドル(約280億円)の契約締結に近づいており、この大会の賞金はCAFチャンピオンズ・リーグの約4倍だという。
ブラジルの総合メディア『globo』は、こうした投資の最終目的は、2030年ワールドカップ招致というサウジアラビアの野望であり、実際に開催国が決定する2024年のFIFA総会において、この中東の大国はライバルにとって強力な競争相手になると予想している。
構成●THE DIGEST編集部
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