メッシの加入で注目のMLSと“爆買い”サウジ――伯メディアが両リーグの豪華な「ベストイレブン」選定!

メッシの加入で注目のMLSと“爆買い”サウジ――伯メディアが両リーグの豪華な「ベストイレブン」選定!

デビュー戦でゴールを決めたメッシ。(C)Getty Images

現地時間7月21日、MLS(メジャーリーグサッカー)のインテル・マイアミは、メキシコのクルス・アスルとのリーグスカップ(MLSとメキシコリーグのクラブによるカップ戦)・グループステージの初戦で2-1の勝利を飾り、この一戦でリオネル・メッシが新天地デビューを飾った。

【動画】メッシの鮮やかな直接FKをチェック!

 今夏、パリ・サンジェルマンとの契約満了を受けて去就が注目される中、プロキャリアで初めて欧州から離れた36歳のスーパースターは、18日の初練習から中2日でデビュー戦に臨み、ベンチスタートから54分に交代出場。1-1で迎えた後半アディショナルタイムにペナルティーエリア中央手前からの直接FKをゴール左に流し込み、決勝点を決めてみせた。

キャプテンマークを右腕に巻いて魔法の左足でいきなりチームを勝利に導いたメッシは、本拠地「DRV PNKスタジアム」の2万人超の観衆を魅了。「最後のプレーだったけど、いつものようにトライして、幸運にもボールはゴールに向かい、相手GKは届かなかった。大きな喜びだ。(MLSのリーグ戦とは)違うコンペティションとはいえ、自信を得るうえで重要な勝利だった」と新たな歴史の瞬間を振り返り、初勝利をこの試合の前半で負傷してピッチを退いたチームメイト、イアン・フレイに捧げている。

 NBAのレブロン・ジェームズ(ロサンゼルス・レイカーズ)やテニスのセリーナ・ウィリアムズら、偉大なアスリートたちがスタンドから見守る前での劇的な結末に、クラブ代表者のひとりであるデイビッド・ベッカムは「FKが与えられた瞬間に『これが決まって試合は終わるはずだ』と思った」と涙目で語り、バルセロナ、アルゼンチン代表に続く、3度目の共闘となるヘラルド・マルティーノ監督は「永遠にリピート再生される映画のようだった」と形容した。
 「レオがMLSに足を踏み入れてパフォーマンスするのを見るのは、このスタジアムにいる全員、そしてこの国の全ての人々にとって夢が叶ったことを意味する。リーグにとっても素晴らしい瞬間であり、我々にとっても同様だ」ともベッカムは語ったが、インテル・マイアミはMLSでは最下位に沈んでおり、このクルス・アスル戦でも前半はピンチの連続だった。こんな厳しい現実に直面しながらも、メッシの新たな挑戦は始まり、米国ファンの享楽の日々が幕を開けたのである。

 そしてこの試合では、メッシだけでなく、彼の盟友であり、2022-23シーズン限りでバルサを退団したセルヒオ・ブスケッツも、新天地の芝を踏んだ。また、ジョルディ・アルバも同じくバルサからマイアミへのルートを辿ることが正式決定しており、さらにルイス・スアレス(現グレミオ)の合流も噂されている。

 ヴィッセル神戸を退団したアンドレス・イニエスタも含め、バルサの黄金時代を支えた選手たちが結集する可能性も囁かれるインテル・マイアミだが、このクラブだけでなく、近年はMLSに欧州で実績を残したワールドクラスが多く参戦しており、注目度は高まる一方である。
  そして、同様の動きを、よりド派手に見せているのがサウジアラビアの「サウジ・プロフェッショナルリーグ」だ。国策としてビッグネームを集めている同リーグは、潤沢なオイルマネーで、世界中の度肝を抜く“爆買い”を展開。1月のクリスティアーノ・ロナウドを皮切りに、昨年のバロンドール受賞者のカリム・ベンゼマをはじめ、エヌゴロ・カンテ、ロベルト・フィルミーノ、セルゲイ・ミリンコビッチ=サビッチら、欧州クラブからも引く手あまたの選手たちが、次々に中東の地に到来した。

 このような新しいムーブメントを受けて、ブラジルの総合メディア『Globo』は、両リーグの外国人選手による「ベストイレブン」を以下のように形成した。その顔ぶれは、驚くほどに豪華なものであるが、サウジについては、アル・イテファク行きが決まったジョーダン・ヘンダーソン(リバプール)、アル・ナスルでC・ロナウドのチームメイトとなるアレックス・テレス(マンチェスター・ユナイテッド)、そしてアル・アハリと合意に達したといわれるリヤド・マハレズ(マンチェスター・シティ)は含まれていない。

◇MLS
GK:ペドロ・ガジェセ(オーランド・シティ)
DF:マルティン・カセレス(LAギャラクシー)
DF:ジョルジョ・キエッリーニ(ロサンゼルスFC)
DF:ジョルディ・アルバ(インテル・マイアミ)
MF:ニコラス・ロデイロ(シアトル・サウンダース)
MF:セルヒオ・ブスケッツ(インテル・マイアミ)
MF:ジェルダン・シャキリ(シカゴ・ファイアー)
MF:ドグラス・コスタ(LAギャラクシー)
FW:ロレンツォ・インシーニェ(トロントFC)
FW:“チチャリート”ハビエル・エルナンデス(LAギャラクシー)
FW:リオネル・メッシ(インテル・マイアミ)
 ◇サウジ・プロフェッショナルリーグ
GK:エドゥアール・メンディ(アル・アハリ)
DF:ファビーニョ(アル・イテハド)
DF:カリドゥ・クリバリ(アル・ヒラル)
DF:マルセロ・ブロゾビッチ(アル・ナスル)
MF:セルゲイ・ミリンコビッチ=サビッチ(アル・ヒラル)
MF:エヌゴロ・カンテ(アル・イテハド)
MF:ロベルト・フィルミーノ(アル・アハリ)
MF:ルベン・ネベス(アル・ヒラル)
FW:クリスティアーノ・ロナウド(アル・ナスル)
FW:カリム・ベンゼマ(アル・イテハド)
FW:ジョッタ(アル・イテハド)

 サウジアラビアの動きに対しては、欧州のリーグ、クラブらが警戒するとともに批判も浴びせているが、その条件の良さが選手を惹きつけ、また多くの名手が集まることでリーグのレベルが上がれば、さらに中東行きを決断する選手が増えるだろう。

 MLSについても、世界最高の選手の到来が、他のスター選手たちの去就に影響を与えることが考えられる。リーグレベルにおける世界の勢力分布が今後、新たな様相を呈することになるのか、両リーグの動向には要注目だ。

構成●THE DIGEST編集部

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