2得点を含む4ゴールに関与の久保建英に、複数の現地メディアが満点評価!「彼は委ねられた“鍵”を強く握りしめ、初勝利への扉を開けた!」

2得点を含む4ゴールに関与の久保建英に、複数の現地メディアが満点評価!「彼は委ねられた“鍵”を強く握りしめ、初勝利への扉を開けた!」

グラナダ戦で2ゴールを挙げた久保建英。(C)Getty Images

9月2日に行なわれたラ・リーガ第4節、レアル・ソシエダはグラナダを5-3で下し、今季初白星を挙げている。

 開幕から3戦連続引き分け、総得点2と今ひとつの状態が続いていたバスクのチームは、この本拠地レアレ・アレナでの一戦で、これまでの鬱憤を晴らすかのように攻撃力が爆発。ゴールラッシュの口火を切ったのは久保建英で、9分にブライス・メンデスのスルーパスで抜け出し、高速ドリブルからGKの動きを見て巧みにシュートをゴール右隅に流し込んで先制すると、44分には左足での狙いすましたシュートが相手DFの足でディフレクトし、放物線を描きながらゴール左隅に収まった。

 後半に入ると、59分にペナルティーエリア深くに進入して折り返しをメンデスに合わせ、直後のマルティン・スビメンディの鋭いシュートによるゴールを引き出し、76分にもエリア内でボールを受け、フリーのミケル・オジャルサバルに出したパスが相手DFに当たってオウンゴールに繋がるなど、2ゴールに関与。なお、ソシエダは67分にも複数選手の好連係からアンデル・バレネチェアが抜け出し、チームの4点目を決めている。
 「ホームでの初勝利! チーム全員による素晴らしい試合」と自身のSNSで喜びを表わした久保について、クラブは公式サイトで「日本人選手はブライス(メンデス)からの素晴らしいパスを活かし、相手GKラウール・フェルナンデスを圧倒した」「ハーフタイム直前、久保の典型的なパフォーマンスが披露され、シュートがマーカーに軽く当たったことにも助けられ、2点目が決まった」と、彼のゴール場面を賛辞をまじえて伝えた。

 なお、久保は試合後のインタビューで、「(イマノル・アルグアシル)監督の要求に応えられたので、とても嬉しいです。彼が僕に要求すること、僕がもっとできると思ってくれていることは、とても重要なことです」と満足感を示し、自身の先制ゴール後にロビン・ル・ノルマンのオウンゴールで追いつかれた時、過去3戦と同じ結果になるのでは、という懸念が頭をよぎったことを明かしている。

「開幕戦(ジローナ戦/1-1)では、さらにゴールを決めて試合を終わらせる力が足りませんでした。今日も1-0の時点でボールを保持しながらもチャンスを活かせず、追いつかれた時、4戦連続で引き分けになるかもしれないと思いました。幸い、後で別のチャンスに恵まれて僕がゴールを決め、それからは、我々は解き放たれたと思います」 一方、指揮官は「私は、彼にはもっと多くのことを求めているし、彼自身もそうだろう。そして私は、攻撃だけでなく、彼の守備についても注目している。彼はこのチームに加入してから、守備にも精力的に取り組んでいる。彼への要求が多いのは、彼が重要な数字を出せる可能性を持っているからだ」と、試合前日会見同様、久保への期待の高さを示し、チームに対しても「8-1で勝てたかもしれない」と攻守両面で満足しなかった。

 現地メディアも、先週は筋肉の違和感で4日間練習を休みながらも、復帰していきなり結果を出したこの22歳に軒並み高評価を下しており、マドリードの日刊紙『MARCA』は、「久保は再び素晴らしいパフォーマンスを発揮し、2得点に加え、他の2つのゴールにも絡んで、戦前のイマノル監督の『(3節までで)1得点1アシストしか決めていないが、本来なら4得点4アシストを記録できたはずだ」との指摘に応えてみせた』と報じている。

 同メディアは、3点満点の採点で単独最高の満点「3」を背番号14に与え、2点目について「絶好調の時によく見られるように、運にも恵まれて、カルロス・ネバに当たってから完璧な軌道を描いてゴールに入るシュートで、再びチームにリードをもたらした」と記述。また、「久保は、さらに多くのゴールを決める機会があったとはいえ、ソシエダの素晴らしいチームプレーをリードした」と、その貢献ぶりを称賛した。
  一方の『AS』紙は、「久保がゴール祭りをリード」と報じ、先制時には「完璧なクロスシュート」、追加点を「日本人選手が再び決定力を発揮」と報道。さらに、「日本人はグラナダ戦で素晴らしいパフォーマンスを披露。2ゴールを挙げ、味方の得点をお膳立てし、相手守備陣にとっての絶え間ない悪夢となった」、グラナダ視点では「久保によって災難が引き起こされた」とも綴っている。

 さらに、「久保のプレーは、入場料を支払って観る価値がある。彼は『アノエタの王者』だ。彼には今季、ソシエダの“鍵”が委ねられ、彼はそれを強く握りしめ、今季初の勝利への扉を開けた」「この試合はエンターテインメントに溢れたものであり、プレミアリーグに匹敵するものだ。素晴らしいのは、ここにはタケがいることであり、これはイングランドにはないものだ」と、最大級の賛辞を日本人選手に贈った。

 また、個別評価の記事においても、久保に対しては「ジュード・ベリンガム(レアル・マドリー)と並んで、リーガの序盤で最も調子の良い選手であり、4試合で3得点1アシストを記録。イマノルが投げかけた挑戦に、タケは2ゴールで応えたが、ハットトリックにはほんの少し足りなかった。2点目の素晴らしいゴールは一見の価値がある」と、リーガで8月のベストプレーヤーに選ばれたベリンガムを引き合いに出し、その素晴らしさを強調している。 続いて、バルセロナのスポーツ紙『MUNDO DEPORTIVO』は、前半と試合全体の両方で久保をMVPに選出。「ブライスの緻密なパスで久保は完全にフリーとなり、相手GKとの1対1でも失敗しなかった」と先制点を報じ、2点目については「そのエッセンスの瓶を開け、素晴しいシュートを放った」と表現。そして個別評価においては、「スター選手」と評価し、以下のように寸評を記した。

「彼はラ・レアルの“手品師”であり、“除細動器”である。その才能で試合を切り拓き、新たな命を与える存在だ。最初の2ゴールを決め、チームの3点目と5点目にも関与。相手守備陣に困難をもたらし、大きな役割を果たした。彼の存在が、ブライスとトラオレのプレーをより引き立てた。彼が(欠場するほどの)怪我をしていなかったことを幸いとしなければならない」

 バスクの地元紙『noticias de Gipuzkoa』は、「試合前日の最後の練習に参加しただけだが、彼がスタメンの座を失う必要はなく、現実がそれを証明している。身体の不調や筋肉の問題の後遺症があるかどうかに関係なく、彼は再び変身し、ラ・レアルの大スターとなった。そして、これからさらに成長を遂げるだろう」と称賛するとともに、個別評価ではスビメンディと並んで最高点となる「9」を与え、寸評もポジティブな内容に終始している。
 「ラ・レアルのスター。もはや違いを生み出すためのトレーニングは必要ない。2つのゴールを決めたが、もっと取れた可能性もあり、試合をいつでも有利に進められるという不可抗力の感覚をチームに提供した。相手のオウンゴールとなったチームの5点目においても、キーマンとなった。そして彼は、大歓声を浴びながら79分にベンチに退いた」

 最後に、サッカー専門サイト『El Desmarque』は、久保の2点目がレアレ・アレナでの通算1000点目であることを紹介し、「歴史を創った」と記述。個別評価では、採点で満点の「10」として、「2つのゴールを挙げた他、ラ・レアルの危険なプレーのほとんど全てに直接関与し、相手のオウンゴールにおいても不可欠な存在だった」と褒め称えた。

構成●THE DIGEST編集部

【動画】久保建英、グラナダ戦の1点目は抜け出しからの冷静な一撃!

【動画】久保建英、ファーサイドに吸い込まれたグラナダ戦の2点目!

【動画】鮮烈な左足ボレー! 久保建英が2シーズン連続の開幕弾!

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