川崎入り内定の“大島僚太2世”!橘田健人が挑む大学サッカー頂点への道

川崎入り内定の“大島僚太2世”!橘田健人が挑む大学サッカー頂点への道

桐蔭横浜大の橘田は、卒業後に川崎に進むことが決まっている。写真:小室功

まるで“大島僚太2世”だ。

 ボールの置きどころや操り方、パス出しのタイミング。川崎フロンターレの技巧派ボランチである大島のプレーにだぶってみえた。

 そして何よりシンプルに味方にボールを預けながら、いつの間にかゴール前に進入していく姿に「いやぁ、瓜二つだな」と、ひとりごちしてしまった。

 第94回関東大学サッカーリーグ1部を戦う桐蔭横浜大の4年生、橘田健人のことである。身長は167センチ、体重63キロ。大島のそれが168センチ、64キロなので(ともに公表にされたデータに基づく)、ほぼ同じような体型だ。

 橘田は大学卒業後、その大島が在籍する川崎に進む。両者の年齢差は5歳。チームの屋台骨を支える大島の後継者として、小気味いい橘田のプレースタイルがスカウト担当の目に止まったであろうことは想像に難くない。

 これまでに何度か練習参加し、川崎に漂うピリッとした空気感はわかっている。ベテランの中村憲剛や家長昭博、もちろん大島らと一緒に汗を流し、「すごく刺激される」と目を輝かせた。
 「憲剛さんから“ボールを受けるとき、もっと前を向けよ。向けるだろう”とか、いろいろ声をかけてもらってうれしかったです。(同じポジションの)憲剛さんや大島さんのレベルにはまだまだ遠くおよばないけれど、少しでも近づけるように日々、頑張っていきたいです」

 プロ入り後の、さらなる成長を誓うが、当面の目標は大学のラストシーズンを最高の形で締めくくることだ。ひとつでも多くのタイトルを獲る。チームみんなの思いがこの一点に集約されている。

 2013年に関東大学リーグ1部に昇格して以降、一度も2部に戻ることなく、切磋琢磨してきた桐蔭横浜大は昨年、1部で2位になり、インカレでは準優勝と、過去最高の実績を残した。彼らの前に立ちはだかったのが、ともに王者・明治大だった。

 チームの指揮を執る安武亨監督は、こう決意を新たにしている。

「(昨年の成績を踏まえ)周りの方々から“よく頑張ったね”とか、“よかったね”とたたえていただいたのですが、タイトルを獲らないと、正直、悔しさしか残りません。それを改めて感じました。これまでは遠慮して(苦笑)、あまり口には出しませんでしたけど、今年こそは日本一になる。そこを強く意識しながら戦っていこうと思います」
  初タイトルをねらう桐蔭横浜大のキーマンにとって忘れられない記憶がある。

 昨年12月22日、埼玉の浦和駒場スタジアムで行われたインカレ決勝は0−0のまま延長に突入。桐蔭横浜大は92分に先制しながら最終的に1−3の逆転負けを喫した。先制直後の96分、同点に追いつかれるPKを与えてしまったのが、だれあろう、橘田だった。

 今季の公式プログラムのなかで、明治大の小柏剛と常本佳吾、桐蔭横浜大の鳥海芳樹と橘田の4人による特別座談会が巻頭を飾っているのだが、インカレ決勝でのPK献上について自ら触れている。あの悔しさは今でも脳裏に焼きついて離れないのだろう。

「橘田はふだん感情を表に出すようなタイプではないけれど、試合後、大泣きしていました。相当、悔しかったんだと思います。ここからどう踏ん張っていくか。橘田自身の成長につなげてくれたら、明治大と決勝を戦った意味がまたひとつ増えるんじゃないかと思いますね」(安武監督)
  7月5日の関東大学リーグ1部の開幕戦で、桐蔭横浜大は国士舘大に1−0できっちり勝ち、幸先よく白星スタートを切った。続く2節では、法政大に先制しながらも1−2の逆転負け。桐蔭横浜大にとって手痛い敗戦だが、いつまでも引きずっているわけにはいかない。

 打倒・明治大――。壁は高く、分厚いが、その言葉を胸に橘田はこれからもひたむきに戦い続ける。

取材・文●小室功(オフィスプリマベーラ)
 

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