支え続けた伊勢ケ浜親方=照ノ富士、師弟で苦難乗り越え―大相撲

支え続けた伊勢ケ浜親方=照ノ富士、師弟で苦難乗り越え―大相撲

伝達式後、乾杯する新横綱の照ノ富士(左)と伊勢ケ浜親方=21日午前、東京都江東区の伊勢ケ浜部屋(代表撮影)

 大相撲で21日、照ノ富士が73人目の横綱に昇進した。モンゴル出身としては5人目で、年6場所制となった1958年以降の初土俵では6番目の年長となる29歳7カ月の新横綱。「周りの支えがあったから、ここまで来られた」と実感を込めた。

 厳しい稽古で知られる伊勢ケ浜部屋。2012年秋場所後の日馬富士以来となる横綱が部屋から誕生し、師匠の伊勢ケ浜親方(61)=元横綱旭富士=は「これ以上、言うことはない」と喜んだ。

 両膝のけがや内臓疾患に苦しみ、日常生活すらままならなかった照ノ富士。引退の意向も告げられた師匠は、温かい言葉で再起へと導いた。照ノ富士が「ここまでの道のりは、親方がいないと考えられなかった」と感謝すれば、伊勢ケ浜親方は「周りが支えても、本人がやらなければどうしようもない。本人の頑張りがあった」。伝達式後の記者会見では、両者の信頼関係が浮き出て見えた。

 30歳で新横綱となった師匠は、在位9場所と短命に終わった。膵臓(すいぞう)炎を患うなどして、実力を存分には発揮できなかっただけに、苦難を乗り越えてきた照ノ富士に、果たし切れなかった自身の思いも託したいところだろう。

 「今できることを最大限やるしかない。それを、これからも続けてほしい」。苦い経験をした師匠だからこその言葉。平成に入って最初に昇進した横綱の旭富士から、令和初の照ノ富士へ。その魂は引き継がれている。(了)

【時事通信社】