御嶽海、大関から陥落へ かつて最高位だった威厳問われる

御嶽海、大関から陥落へ かつて最高位だった威厳問われる

御嶽海=猪飼健史撮影

 大相撲の西大関・御嶽海(29)=出羽海部屋=は秋場所11日目の21日、来場所の大関陥落が決まった。

 御嶽海が来場所、関脇に陥落することが決まった。新大関から在位4場所での陥落は昭和以降6位の短さだ。

 大関にとどまるため1敗も許されなかった御嶽海。佐田の海を押し込んだが、土俵際の突き落としにあえなく敗れた。八角理事長(元横綱・北勝海)は「顔に精神的な弱さが出てしまっている」と厳しく指摘した。

 大関陣は他に正代も負け越し、貴景勝も優勝争いに加われず、かつては最高位だった看板力士としての威厳が問われる事態になっている。

 横綱審議委員会の高村正彦委員長が苦笑いした。「クンロク大関は、いい大関になってしまっている」。5月の定例会合後の記者会見での一言だが、秋場所の成績を見れば笑えない状況だ。

 「クンロク大関」とは9勝6敗の大関に対して皮肉を込めた表現。つまり、大関は10勝以上が当然と考えられてきた。宮城野親方(元横綱・白鵬)も「大関に上がったら、10勝が勝ち越しだと思っていた」と明かす。

 低迷の原因によく挙げられるのが稽古(けいこ)不足だ。御嶽海も稽古不足を指摘されてきたが、本人は「けがをしてしまったら」と懸念し、マイペースを強調してきた。学生出身力士が増え、自らの考えを持って取り組むようになり、稽古の量よりも質を重視する傾向にある。

 御嶽海も常に2桁勝利を目標に掲げるが、自身の信念が高いレベルで安定した結果につながっているとは言いがたい。新型コロナウイルスの影響で思うように稽古ができないとはいえ、片男波部屋で唯一の関取である平幕の玉鷲が、幕下以下の力士2人を一度に相手にするなど工夫した稽古で汗を流し、37歳の今場所で1横綱3大関をすべて倒す姿を見れば、言い訳にはできない。

 11月の九州場所で、御嶽海は10勝以上すれば特例で大関に復帰できる。正代は来場所、大関在位13場所で5度目のカド番を迎える。

 それぞれの立場で巻き返せるか。周囲の厳しい声には、結果で応えるほかない。【村社拓信】

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