白鵬、琴奨菊に完敗 優勝遠のき「見ての通り」

白鵬、琴奨菊に完敗 優勝遠のき「見ての通り」

【大相撲七月場所】琴奨菊に敗れた白鵬=ドルフィンズアリーナ(愛知県体育館)(撮影・水島啓輔)

 鋭さも、力強さも、粘り腰もない。白鵬は立ち合いで琴奨菊にもろ差しを許すと、5秒足らずであっさり寄り切られた。取組前までの対戦成績で56勝6敗と圧倒していた相手に完敗した。館内には歓声と嘆息が満ち、座布団が乱れ飛んだ。

 支度部屋で報道陣に囲まれた白鵬は上の空。立ち合いの甘さを聞かれて「まあそうだね」。左上手を引くのが遅かったか聞かれると「見ての通り」とそっけなかった。前日に鶴竜と1敗で並んで近づいた43度目の優勝が、また遠ざかった。

 取組前、師匠の宮城野親方(元幕内竹葉山)は苦しい展開を予感していた。「きょうの一番はわからない。(6勝の琴奨菊は)勝てば勝ち越しにつながる」。さらに「(白鵬は)ものすごく緊張するだろう」と言葉を継いでいた。

 理由がある。トヨタ自動車の支援で今場所から宿舎、稽古場は愛知県豊田市内のトヨタスポーツセンターに移転した。大銀杏(おおいちょう)を長年結ってくれた床蜂は今場所限りで定年退職する。師匠は「どうしても優勝したい気持ちがある」と推察する。

 自力優勝の可能性は残っている。先を行く鶴竜に千秋楽の本割、優勝決定戦で連勝することが条件になる。34歳はこれまで何度も困難な局面を打開してきた。賜杯へとつながる細い糸をたぐり寄せる“引き出し”は持っているはずだ。(浜田慎太郎)

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