東京五輪目指す女子高校生ボクサー、安村可麗選手

東京五輪目指す女子高校生ボクサー、安村可麗選手

サンドバッグを打つ大阪府立堺工科高ボクシング部の安村可麗さん=堺市堺区(安元雄太撮影)

 堺市の大阪府立堺工科高校ボクシング部に所属する安村可麗(かれん)選手(18)。来年の東京五輪出場を目指す女子ボクサーだ。その五輪切符獲得に向けて10月、札幌市で開かれる「第18回全日本女子ボクシング選手権大会」(日本ボクシング連盟主催)で、本来なら19歳以上でなければ出場できないシニアクラスに挑む。

 シニアクラスへの出場自体が、「全国屈指の実力」を認められての特例。現在の国内ランキングは昨年の同大会ジュニアクラス優勝などで女子ジュニアのフライ級1位だが、すでに日本ボクシング連盟の強化合宿に参加するなど、連盟からも「シニアでも上位が狙える」と期待されている。

 「全日本のシニアで優勝し、五輪出場権に向けて弾みをつけたい」。堺工科高ボクシング部で連日、男子選手に交じって汗を流す安村選手だが、ボクシングの経験は中学3年から。それまでは、空手とキックボクシングに熱中した。

 格闘技を始めたのは小学1年のとき。テレビアニメ「名探偵コナン」に登場する、空手の達人という設定のヒロインに憧れたからだった。順調に実力を伸ばして数々のタイトルを獲得。中学1年で、総合格闘技大会「TOP☆RUN Girls」の45キロ級で初代王者に輝いた。

 しかし、その時点で空手もキックボクシングも五輪競技ではなく、「五輪に出場したい」との思いから、3年になるときにボクシングに転向した。2歳上の兄がボクシング部だった影響もあった。

 そして、転向したばかりのボクシングでいきなり、全国アンダージュニアボクシング大会を制覇。「減量は辛かったが、試合に勝ったときのうれしさは格別」と魅力に取りつかれ、才能を一層磨くことになった。

 兄と同じ高校に進学。1年の夏、「近畿高校女子ボクシングオープン戦」に出場し、その初戦は、相手選手にドクターストップがかかるという圧倒的な強さを示す高校ボクシングのデビュー戦となった。その秋には、「近畿高校ボクシング新人大会」で優勝した。

 2年になり、昨年12月の「第17回全日本女子ボクシング選手権大会」で優勝。高校でも日本一になった。大会では試合前の減量に苦労したが、「頂点に立つことが目標だった。観衆の前で自分のボクシングを見せることができてよかった」と振り返る。

 決勝の相手は、元プロボクサーの父親から指導を受けているという強敵。しかし、突っ込んでくるところをしっかり迎え撃ち、優勢になっても追撃の手を緩めずに5−0のスコアで圧勝した。

 部の監督で大阪高体連ボクシング専門委員長の田名後伸介教諭(39)は「ボクシングのIQが高く、素直でまじめ。試合後も攻守両面の修正を忘れないなど、技術的にも精神的にも前進するボクサー」と素質と姿勢を絶賛。「ジュニアの全国2連覇より、五輪切符の方が大事な目標。さらに精進して手にしてほしい」と期待を高める。

 “激戦区”といわれるシニアクラスのフライ級。狭き門を突破するため、熱い思いを拳にこめて、猛練習に励んでいる。

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