王者ナダルを苦しめた“小さな巨人”シュワルツマン。「次は彼と同じ側のドローになりたくない」と冗談も<SMASH>

王者ナダルを苦しめた“小さな巨人”シュワルツマン。「次は彼と同じ側のドローになりたくない」と冗談も<SMASH>

これでナダル戦は1勝11敗となったシュワルツマン。しかし、ほぼ2年ぶりに大勢の観客の前でプレーでき、「全てが素晴らしかった」と感激していた。(C)Getty Images

テニスの四大大会「全仏オープン」(5月30日〜6月13日/フランス:パリ/クレーコート/グランドスラム)は、現地6月9日に男子シングルス準々決勝を実施。第10シードのディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン/世界ランク10位)は第3シードのラファエル・ナダル(スペイン/3位)に3−6、6−4、4−6、0−6で敗れ、同大会2度目のベスト4進出を阻まれた。

 今大会はここまで1セットも落とすことなくベスト8へと勝ち進み、好調を維持していたシュワルツマン。ナダルとは今回が12度目の顔合わせだが、過去の対戦成績は1勝10敗と大きく負け越している。2人の直近の対戦は昨年の全仏オープン準決勝で、この時もナダルにストレートで敗れていた。

 試合は第1セットからお互いに1つずつブレークを取り合う展開となったが、第8ゲームで攻め急いだシュワルツマンがミスを重ねてブレークを喫し、第1セットを落とす。だが、第2セットではシュワルツマンも力強いショットでナダルに応戦。第10ゲームでブレークに成功し、1セットオールとした。

 第3セットは両者のサービスキープが続く中、第9ゲームで得意のフォアハンドを駆使して攻撃を仕掛けるナダルにブレークを喫し、セットカウント1−2とリードを許す。第4セットでは徐々に勢いを増すナダルに終始ラリーで主導権を握られ、1ゲームも奪えずに敗退となった。
  全仏オープンで13度の優勝を誇るナダルから1セットを奪う健闘を見せたシュワルツマンは、試合後の記者会見で「ラファはいつも自分自身で道を切り開いていくんだ。もちろん彼は勝利に値する」と、まず勝者を祝福。そして「ほぼ満員のスタジアムでプレーするのは2年ぶりだった。観客が僕の名前を呼んでくれて、全てが素晴らしかった。そのおかげで、コート上ではとてもいい気分でプレーできたと思う」と感慨深げに語った。

 最後には「僕は自分でもクレーコートではとてもいい選手だと思っているけど、ここ数年(全仏で)ラファにはいつも負けている。だから次は彼と同じ側のドローになりたくないんだ(笑)」と冗談を口にし、会見を締めくくった。

 一方、苦戦を強いられながらも全仏14度目のベスト4入りを果たしたナダルは、「第2セットの出だしは悪かったが、その後は持ち直すことができたし、タフな相手との重要な試合に勝つこともできた。必要な時に必要なだけ、最高のテニスをする方法を見出せたと思う」と喜びを語った。

 敗れはしたものの、テニス界の「小さな巨人」が赤土の王者に立ち向かっていく姿には多くのファンが心を打たれたことだろう。今大会での奮闘を自信に変え、シュワルツマンのさらなる飛躍を期待したい。

 なお、勝利したナダルは準決勝で第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア/1位)と対戦する。前人未踏の全仏14度目の優勝に向け、どのようなパフォーマンスを見せてくれるのか注目だ。

文●中村光佑

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