「公平ではない」女子テニス協会会長がロシアとベラルーシ選手のツアー出場を容認か「選手たちは罪のない犠牲者」<SMASH>

「公平ではない」女子テニス協会会長がロシアとベラルーシ選手のツアー出場を容認か「選手たちは罪のない犠牲者」<SMASH>

2019年WTAファイナルズ表彰式でウクライナのスビトリーナ(中)らと並ぶサイモンWTA会長(左)。政治事情によって個々の選手が排除されるのは公平ではないと語る。(C)Getty Images

事態が悪化の一途をたどっているロシアのウクライナ侵攻を受け、スポーツ界ではロシアおよび同国の軍事攻撃を支援するベラルーシに対して制裁を課す動きが加速している。

 そんななか、WTA(女子テニス協会)の会長を務めるスティーブ・サイモン氏が、英公共放送『BBC』のインタビューに応じ、ロシアとベラルーシの選手たちの国際大会出場禁止措置に反対する意向を示した。

 海外テニスでもATP(男子プロテニス協会)とWTAが今年10月に共同開催する予定だった「クレムリン・カップ」(ロシア・モスクワ)の中止を発表したことに加え、ITF(国際テニス連盟)も同連盟メンバーからのロシアとベラルーシの除外を決定。追って通知があるまで、デビスカップ(男子テニス国別対抗戦)やビリー・ジーン・キング・カップ(女子テニス国別対抗戦)をはじめとする全てのITF国際団体競技への参加を不許可とした。

 また、イギリスのスポーツ担当大臣を務めるナイジェル・ハドルストン氏も先日、「デジタル・文化・メディア・スポーツ特別委員会」の公聴会で英国内でのスポーツイベントにおけるロシア人選手の参加について「絶対に誰もロシアの旗を揚げることは許されないし、許可されるべきではない」と発言。「プーチンの支持者ではない」ことが保証されない限り、今年6月末に開幕する「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン)でのロシア選手の出場が禁止される可能性を示唆した。
  だが、こうしたテニス界での「ロシア・ベラルーシ外し」の動きに異を唱えたのがサイモン氏だ。

 今回のインタビューで同氏は、現時点では両国の選手が国名と国旗を使用しなければ各ツアー大会に参加できることを踏まえ、「ロシアとベラルーシの選手がツアーで競技を続けられるようにするべきだということは、はっきり言っている」とコメント。

 さらに「その国の指導者が下す政治的な決断の結果、選手のツアー参戦を禁止したことはないと断言する」と前置きし、以下のように強く主張した。

「平和をもたらすためにはできる限りのことを続けてほしい。だが選手たちは罪のない犠牲者であり、彼らを完全に孤立させることは、私には公平なこととは思えない」

「繰り返しになるが、私は選手の締め出しには完全に同意しない。権威主義的な政府の決定によって、個々のアスリートがペナルティを受けなければならないのだから、恐ろしいことをやることになるわけだ。もしそうなればロシアとロシア国民に対して、彼らの政府が決断したことの代償を払わせるという戦略の一環に加担することになってしまう。だがそれは我々が支持することではない」

 すでに多くの人命が奪われているロシアのウクライナ侵攻。今後の動向次第ではテニスツアーも様々な軌道修正を求められることは間違いないだろう。まだまだ予断を許さない日々が続く。

文●中村光佑

【PHOTO】アザレンカ(ベラルーシ)はじめ全豪オープン2022で活躍した女子選手たち
 

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